185 ど、どういう状況!?
私はさっとシャワーをして、温泉に行くと、昼間と同じように湯気で辺りが見えにくくなっていた。
まぁ、湯気が濃い方が温泉にきたって感じがするけどね。
そうして、私は温泉に入ると、何だか違和感があることに気づく。
あれ、誰かいる?
暗いのと湯気で分かりにくいが、確かに人影がある。
私たち以外に泊まっている人とかなのかなぁ?
どちらにしても、こんな時間なのに、一人じゃなかったんだね。
「そこに誰かいるんですか?」
うわー!? 声かけられたー!
いや、ここは平常心、平常心‥‥‥‥ってあれ?
なんか聞いたことがある声‥‥。
でも、ここにはいないだろうし‥‥。
「あの~?」
「はい! ごめんなさい!」
「いや、別に謝る必要は‥‥って、奈留さん?」
声が聞こえたと同時に、どんどん湯気が薄くなっていった気がした‥‥いや、本当に薄くなったのか、離れたところにいた人が一瞬にして、はっきり見えた。
「え‥‥‥‥信くん!?」
な、何故ここに!?
◇◆◇◆◇◆
な、なんでこんな状況に!
いや、そもそも男の人と一緒に入っていることが‥‥なんで?
ま、まさか、私‥‥気付かずに男風呂の方に入っちゃったんじゃ!?
「ね、ねぇ、信くん。 もしかして私、男性の時間なのに入っちゃってる?」
「え? 奈留さん、張り紙見てないの? いや、でも水着着てるしな‥‥」
あ、もしかしてもう一枚の方の紙か!
そっちはいいかと思って、読んでないよ‥‥。
「そ、そちらには何とかかれていたんですか?」
「今の時間、混浴だってさ」
へぇ、こんよく、ね‥‥‥‥えぇ!! 混浴!?
だ、だから水着着けて下さいって書いてあったのか!
でも、そういうことなら、まだよかったよ。
男性の時間に入っていたなんてことになったら、完全に犯罪者じゃん!
「そ、そっか。 ならよかった」
「え!? よかったの? てっきり出るって言うのかと思ったんだけど‥‥」
まぁ、普通ならそうかもしれないが、特に問題ないだろう。
「人が多かったらそうしてたかもだけど、プレオープンでこの時間だから来る人なんていないだろうし、水着だからそんなに恥ずかしくはないし‥‥まぁそれに一緒にいるのが信くんだから‥‥かな?」
男の友人だから、信じられるし。
もし今、由南ちゃんとかがいたら、速攻で上がろうとしていたかもしれない。
「そ、そうなんだ‥‥」
「はっ! そういえば信くん一人で入りたかったんだよね! ごめんね、すぐ出る!」
危ない、空気読めないところだった~!
信くんも誰とも入りたくなかったから、この時間にしたんだろうし‥‥。
「いや、奈留さん、僕は大丈夫だから、奈留さんさえ良ければ、もう少し一緒にいない? まだ入ってきたばかりなんだし」
「でも‥‥」
「一人で入るのは、やってみたかったってだけで、さっきまでで、叶えることが出来たからさ」
そ、それならお言葉に甘えて‥‥。