184 眠れないね‥‥
夜、私達三人は仲良く川の字で、ぐっすり寝て‥‥いない!
いや、寝られないよ! 両端の二人はぐっすりだけと!
今、何時だろう‥‥布団に入ってから結構時間がたったような気がするが‥‥。
「奈留ちゃん‥‥ちゅき‥‥‥‥」
蕾ちゃん抱きつかないでー!
あと、なんでそんなに心地よさそうな顔なのー!
「奈留‥‥どうして‥‥」
由南ちゃんは何だか寂しいような声を出していた。
悲しい夢でも見ているのかな‥‥?
何だかそんな由南ちゃんを見ていると自然に手が由南ちゃんの頭を撫でていた。
何時ものしっかりした由南ちゃんとのギャップが、こういう行動をさせたのかもしれないね‥‥。
「安心して寝ていいからね」
そう言うと、由南ちゃんは少しだけ、笑顔になったような気がした。
由南ちゃんだけだと、何だか不平等な感じがしたのでなんとなく蕾ちゃんの頭も撫でる。
二人とも髪がサラサラだぁ‥‥。
いやいや、こんなことしていたら眠れないよ!
なんか、色々考えちゃうし!
それに二人とも私の名前呼ぶから、どんな夢を見ているのか、とても気になる。
夢の中でも、出来れば友達がいいかな‥‥。
それより、このままじゃ、いつまでたっても眠れないし、丁度いい機会だから、深夜の温泉というのに行こうかな。
もう一度静かなときに入ってみたかったし。
それには、まず両端にいる二人に気づかれることなく、部屋をでなければ‥‥。
私は二人の手を腕から、そっとほどくため、触ったが、中々出来ないし、何だか自分から手を繋いでいるみたいで恥ずかしい‥‥。
ようやく、布団から出たときは、腕をほどきはじめてから一時間後のことだった。
◇◆◇◆◇◆
「人の気配とかしないなぁ」
温泉に入るため、準備をしてから、一番始めに入った温泉に向かっていた。
脱衣室の目の前まで来たときに、張り紙を見つけた。
「深夜帯は水着装着? 祈実さんが言ってたのってこれのことか‥‥。 でもなんで、水着?」
一応持ってきてはいるが、一人だろうにそんなのいるのか?
「まぁ、義務なら仕方がないよね。 着替えよっと」
そうして私はそのもう一つ隣に書いてある張り紙を見ることなく脱衣室に入っていった。
◇◆◇◆◇◆
水着、着てみたはいいものの、温泉に水着ってあまり着ないし、何だか違和感が凄いな‥‥。
これは一番目に入ったときには水着じゃなくてよかったかもしれないな‥‥。
でも、温泉に一人なんて豪華だなぁ。
まぁ、こんな時間に誰か来るはずもないんだし、ここから少しの間は、ここの温泉は私の貸しきりだ~!
しかし、いくらテンションが上がって貸しきりだったとしても、別に温泉で泳いだりとかはしないからね。
そんなこんなで、温泉に一人で浸かるため、温泉の方に歩いていった。