表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
185/780

182 いたずら

 部屋に戻ってみると、広葉こうようがようやく復活していた。

 宣言通り、顔に落書きをされていたけども‥‥。


「プッ」


 あ、由南ゆなちゃん笑いこらえてる。

 ま、まぁ変だけどね。

 兄さんがやるって言ってたから兄さんがやったんだろうな‥‥。


「なんか俺の顔を見て笑われたような‥‥」


「気にするな、広葉こうよう。 お前の顔はいつも通りイケてるぜ♪」


「なんだよ、りく‥‥‥‥まぁ、そりゃ俺はいつもイケてるからな」


「クッ、何でもない」


 兄さんも笑いこらえるのに必死だね。


 でもつぼみちゃんがいたのに落書きされるってどういうことだろう。

 つぼみちゃんなら止めそうな気がするけど‥‥。


 私はつぼみちゃんに近づき、小さな声で耳打ちした。


つぼみちゃん、あれいいの?」


「まぁ、ひーくんはからかわれたりとか、結構好きな人なので私が邪魔するのはちょっと‥‥」


 いや、広葉こうようたぶんそんな人じゃないと思うけど‥‥。


「まぁ、つぼみちゃんがそれでいいならいいけど」


「それにあれだけされても気付かない、ひーくん。 可愛い‥‥」


 そうですか‥‥。


「でもたぶんあれだといつまでたっても気付かないと思うよ?」


「そうですね。 そろそろ言います」


 そう言って、つぼみちゃんは広葉こうように話してあげたみたいで、広葉こうようは急いで鏡で自分の顔を見た。


りく、お前ってやつは‥‥」


「あぁ、きちんと水性ペンで書いといたぜ♪」


「そこに優しさいらないから! 初めから優しさだして!」


 ま、まぁ兄さんのことだから油性の可能性も捨てきれなかったけど、そこはよかった。


「お前を運んだり大変だったんだから、そのくらいの楽しみはあっていいだろう」


「そこにいつては感謝してるけど‥‥というか、おでこに書いてある、この意味のわからない文字は何?」


「それも俺の優しさだ。 いわゆるゲームでよくある復活の呪文ってやつだな」


「いや、それで復活するわけじゃないから! それと、本当にそういうところに優しさいらないんだよ!」


 おでこに書いても別に復活はしないからね。


「それで、広葉こうよう。 晩御飯のことについて聞きたいんだが‥‥」


りく? え、あ、もう落書きの話は終わり?」


 何だろう、広葉こうようちょっと残念そう‥‥やっぱりからかわれたりするのが好きな人なのか!

 いや、ただスルーされたからだろうな‥‥。


「まぁ、腹へったからな。 広葉こうよう顔洗ってこい。 そして晩御飯のことを話してくれ」


「まぁ、言われなくても洗うけどさ。 あ、晩御飯はバイキング形式なはずだよ」


 なんか旅館っぽくないな、それ。


「てっきり御膳みたいなのかと思ってたよ」


「まぁ、二日目の夜は御膳を用意してもらおうと思ってるよ。 毎回同じより良いと思って、できるだけ違う感じにしてもらったんだ」



 その後、バイキングだったのだが、旅館というよりは、どこかのホテルみたいな晩御飯だった。

 まぁ、美味しかったし、良かったけどね。

 バイキングの中にはお造りのようなものもあり、それがとくに美味しかった。

 これは明日の御膳の方にも期待が膨らむね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ