181 見て回ろう
私達はまた、広葉たちの部屋である百合の間に来ていた‥‥。
蕾ちゃんも増え、七人になったわけだけども、残念ながら一人が完全にダウンしている。
あれ? 広葉合わせても六人だ‥‥あれ? 祈実さんいないな。
お手洗いとかかな?
「まさか広葉が死ぬとはな‥‥」
「いや、兄さん。 死んでませんからね?」
のぼせたっていうの兄さん一番よく知ってるでしょ。
兄さん、結構面白がってましたし。
「ひーくん、また会えたのに‥‥‥‥まさか、こんな‥‥」
「いや、蕾ちゃん、死んでないから。 のぼせて寝てるだけだから」
蕾ちゃん、兄さんに騙されてない?
口調もいつもと違うし、回りの声聞こえてないみたいだし、本気の涙流しちゃってるから、多分、蕾ちゃん相当パニックになっているんだろうな‥‥‥のぼせただけだけど‥‥。
まぁ、倒れたってこと自体が心配なんだろう。
のぼせただけだけど。
でも、広葉のぼせやすいとかって聞いたことはないけどな‥‥。
‥‥蕾ちゃん来たから、とかじゃないよね!? ね!
うん、多分違うよね。
「まぁ、のぼせた広葉はあとで、顔に落書きをしておくとして、各自一旦自由にしようか。 晩御飯時にまた集合で」
さらっと広葉にいたずらはやめてあげて!
まぁ、予定とか考えてた広葉、寝ちゃってるもんね。
「落書き以外は了解、じゃあ、ちょっと色々と見て回ろうかな」
「私も行くわ、暇だし。 磨北くんと蕾ちゃんはどうするの?」
「え? じゃあ暇だし、ついていっていいかな?」
「うん、大歓迎だよ♪」
人数は多い方が楽しいからね。
うん、友達って素晴らしい。
「私はひーくん見てるっすよ。 寝てる顔なんて中々見れないので、今ちょっと嬉しいんっすよ」
中々会ってないみたいだもんね。
幸せな時間なら邪魔しちゃ悪いし。
「じゃあまたあとでね」
「後で、またご一緒するっす!」
「うん」
◇◆◇◆◇◆
こうして、私達三人は部屋から出て、色んな所を回ることになった。
卓球台や、ダーツ等があり、他にはゲームやカラオケなどもあった。
カラオケは前世でも数えるほどしか行ったことがないけれど、なんだか歌うって恥ずかしいし、行くのって勇気いるし‥‥。
まぁ、今のメンバーとなら楽しく歌えそうだけどね。
一通り見終わったあとは私達はお土産屋さんに来ていた。
今、買うわけではないが、こういうところって見ているだけで楽しいからね。
「やっぱりお菓子みたいなやつが多いね」
名産品なのか結構大量にある。
「まぁ、お菓子って気軽に渡せるから、良いよね」
「うんうん、気軽に渡せてしかも美味しい、お土産としてはバッチリだね」
ほんとですよね‥‥って祈実さん、どこから出てきたんです!?
「あれ、きさねぇ。 手に持ってるそれって‥‥」
「さっきまでお土産見てたんだ♪」
祈実さん、初日にお土産買って大丈夫なのか!?
ま、まぁ本人楽しそうだし、大丈夫かな‥‥?
「きさねぇ、荷物になるからお土産は最後って‥‥」
「うん、大丈夫。 今、買ったのは、すぐ食べる用だから」
「そ、それなら問題はないか‥‥」
まぁ、荷物的には問題はないかもしれないが、もうすぐ晩御飯なので、あまり食べない方が良いんじゃないだろうか。
「奈留ちゃんたちも、どうぞ♪」
「ありがとうございます」
晩御飯前なのがあれだが、美味しそうなのは美味しそうなので、嬉しい。
「あ、ありがとうございます」
由南ちゃん、なんか少し複雑そうな顔をしたね
そういえば、甘いもの駄目だったね。
「また後で食べてね。 じゃあ、部屋に戻りますか」
そう言って私達は一旦部屋に戻ることにした。