表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/780

179 温泉でゆったり‥‥?

 温泉に入ると緊張して話せないかと思ったが、湯気が濃くて、ぼやっとしか見えないので、固まるほど緊張はしなかった。

 湯気さん、良い仕事してるね♪


 すると、祈実きさねさんがこっちに近づいてきた。

 湯気で少し反応が遅れたか‥‥。

 湯気さん、そこはもうちょっと加減を‥‥。


「ヒニャ!?」


 祈実きさねさんが、いきなり肌に触れてきたので、ビックリして変な声出しちゃった。


奈留なるちゃん、肌すべすべだね~」


「あ、ありがとうございます。 でも、祈実きさねさんもすべすべだと思いますよ」


 まぁ、触れるわけがないので、触らないが。


「思いますよ、じゃないよ~。 確かめてみて?」


 ギャー! むりむりむりですー!

 湯気さーん! 湯気さーん助けてー!


祈実きさねさん、それくらいにしとかないと、奈留なるが早々に温泉から出ちゃいますよ」


「恥ずかしがり屋さんなんだね、奈留なるちゃんは」


 そう言って、二人は微笑ましい顔で私をみてくる。

 恥ずかしがり屋というか、別に見られるのは恥ずかしくはないんですよ? 見るのだけですからね?


「もう、お二人とも勘弁してくださいよ」


 先程のことで慣れたのか、まだ目を合わせるのは無理だが、何となく二人がいる方向には体を向けることができるようになった。


 はぁ、タオル巻いているとはいえ、体のラインとかは見えてるんだもんなぁ。

 う、罪悪感が凄い‥‥。


「楽しそうっすね! 私も混ぜてっす~!」


 あれ? この声って‥‥つぼみちゃん!?


「あれ!? つぼみちゃん、何か用事があって遅れるんじゃ‥‥」


 遅れてくるとは聞いていたけど‥‥こんなに早いの!?


「フッフッフッ、こんな楽しそうなイベントに一日遅れで行くなんて勿体ないと思って、一日かかるところを、一時間て終わらしたっす!」


 大丈夫なのそれ‥‥つぼみちゃんのことだから、大丈夫なんだろうけど。

 色々な人に迷惑をかけていないといいけど‥‥。


 というか、いきなりの登場に驚いて、見えていなかったが、つぼみちゃん、タオル巻いてない‥‥!?

 いや、別にする決まりは全くないんだけれども、私の身が持たないんですけど!


 湯気さん、隠してー!

 いや、全然見えてます‥‥湯気さん仕事してー!


 それより、長く浸かりすぎたからか、少しのぼせたかも‥‥。


「わ、私、ちょっと暑くて、のぼせたっぽいので、先に上がらせていただきますね」


 この暑さは、つぼみちゃんを見たからとかそういうのじゃないと思いたいな‥‥。


「えー奈留なるちゃん、出ちゃうんっすか? でものぼせたのなら仕方ないっすよね。 明日は、一緒に洗いっこするっすよ!」


「で、出来ればご遠慮いただきたいですが‥‥。 じゃあ由南ゆなちゃんたちもまた後で」


「わかったわ」


 なんだろう‥‥温泉でゆったりするつもりだったのに、何だか全然ゆったりできなかった‥‥。

 やっぱり、誰もいない時間帯に入りなおそうかな。




 ◇◆◇◆◇◆




 一方その頃、兄さんと広葉こうようはこんな話をしていたらしい。


「なぁ、りく‥‥」


「どうした、広葉こうよう


「なんで女の子たちと旅行に来てるのに、部屋もそうだが、今この温泉に浸かってる時も、俺の横にいるのはお前なんだ? おかしくない?」


「そりゃ、まぁ‥‥‥‥日頃の行いじゃね?」


「またそれ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ