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175 私たちが泊まる場所は

 由南ゆなちゃんと楽しくお話ししたり、祈実きさねさんとしんくんの姉弟だから知っていることを聞いたり、暴走する広葉こうようと兄さんをしずめたりと、何だか乗っている時間が一瞬に感じてしまうほど、バスの中だけで楽しかった。


 これは今回の旅行は最高に楽しいだろうなぁ。


 そしてバスが止まり、私達は今回の旅行先に着いたわけだけど‥‥。


「えっと‥‥本当にここ?」


「おう、ここが俺達が二泊する場所だよ♪」


 広葉こうよう以外の全員が驚いた。

 私も驚きながら、兄さんを見ると、兄さんも口をポカーンと開けていた。


「なぁ、奈留なる。 ここって‥‥」


「うん‥‥ここは‥‥」


 私達はこの場所を見たことがあった。

 ここは‥‥。


「「テレビでやってたところだ‥‥」」


 うん、この前、こんなところだったらいいねって言っていたところだ。

 いや、まさかそこだとは思わないじゃん、もう驚きだよね。


「でも、ここって来月オープンって言ってなかったっけ?」


 来月だから、私たちの時はまだ空いてないね、なんて話していたのを何となく覚えている。


「そういえば、そう言ってたな。 どういうことだ、広葉こうよう


「あれ? 二人ともここ知ってたんだ? そう、ここは来月オープン。 でも俺達は前倒しで泊まれるだよ。 まぁプレオープンってやつだね」


 プレオープンって、オープン前の試験的なやつで、身内を招待とかそういうやつだよね?

 ま、マジですか‥‥思っていたイメージと大分違う‥‥。


 イメージしていたのは、言い方は悪いがボロボロの旅館を想像していたので。

 こんな綺麗なところだとは思っていなかった‥‥っていうか、なんで商店街の人、チケット持ってたの!?

 あと、クジの商品にして本当に良かったのか?


「ぷ、プレオープンって、そもそも身内とかそういう人を呼ぶものなんじゃないの? 何だか肩身が狭いというかなんというか」


「大丈夫だって。 俺、ここのオーナーと知り合いだから♪」


 ‥‥え?

 広葉こうよう今なんていった!?


森田もりたさん、今、知り合いって‥‥‥‥何で!?」


「いや、商店街の会長さんと、たまに将棋指したりして、遊んでるんだけど、ここのオーナーってその会長さんの息子なんだよね」


 あぁ、なるほど‥‥‥‥えぇ!? 凄い!


「お前にそんな人脈があるとは思わなかったぞ」


 兄さんも知らないんだ‥‥あ、そりゃそうだよね、前世でも私知らないし。


「あ、じゃあ商店街によく行くのって、将棋を指しに行ってたんですか?」


「まぁ、そうだね。 でも将棋とかもよくするけど、昔から買い物はそこでしていたから、商店街に仲の良い人多いんだよ。 あ、でもクジは正真正銘、俺の運が良かったからだけどね」


 広葉こうようって、年上とかにめちゃくちゃ好かれそうだもんね。


 でも、そういうことか。

 ここのオーナーが商店街の会長の息子だから、プレオープンのチケットを貰って、それをクジにしたのか‥‥‥‥いや、駄目でしょ、それ!


「じゃあそれって、会長さんのチケットなんじゃ‥‥」


「いや、ちゃんと息子に許可もらったらしいし、そのあと俺が当たったから友達と行くって、直で電話したら、楽しみにしてるって言われたぞ」


 じ、じゃあ大丈夫なの‥‥かな?


「というか、息子さんとも仲の良いんですね」


「兄貴分みたいな、そんな感じだな。 でも遊んだのは本当に小さい頃だけどな」


 へぇ、そうなんだ。

 なんか、前世でも今世でも近くにいるのに新な発見があるとは思わなかったな。

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