165 あたったの!?
そういえば、三人は何していたのかな?
二人が付き合う直前にも、三人で一緒にご飯食べたって言ってたし、三人でいても別に嫌って訳じゃないだろうけど。
「三人で何をしていらしたんですか?」
「いや、それがさ広葉が当てたんだよね」
ん? あてた?
「あてたってどういうことですか?」
「商店街のくじ引きで」
え!? また?
前も当てていたよね? 遊園地のチケット。
なんでそんなに当てられるの? 運が良すぎるのではないだろうか。
そもそもその商店街、そんな定期的に、くじ引きあるんだ。
「凄いですね、森田さん」
「そうでしょ! でも一番驚いたのは当たった本人である俺なんだけど!」
そりゃ二回も当たるなんて思わないよね。
確か、前の遊園地のチケットは二等だったと思うが、今回は何だったんだろう。
「今回は何等を当てたんですか?」
「それが、一等だったんだよ! 凄くない!?」
凄いな、それ!
でも商品によるよね。 二等の方が使い道があるとか、よくあるもんね。
「その景品は?」
「温泉宿、二泊三日の旅だよ~、しかも定員は十人なんだと」
え‥‥そんなに行けるの!?
普通二人とかじゃない? そういうのって。
あと、本当に商店街儲ける気ゼロでしょ!
前にも言ったように、商店街で使える商品券にしといた方が良いと思いますよ!
あと、広葉がよく商店街に行っているのにも、結構ビックリなんだけど。
いや、確かに色々あって楽しいけどね。
「なんでそんなに行けるんですか! というか、そんなに知り合いいます?」
「だから、誘いをかけたんだよね」
あ、だからさっきまで三人で話していたんですね。
「それっていつなの?」
「今月中なら、特に期間とかはないみたいだよ。 だけどまぁ長期休みのときにしたいよね。 ゆったりできるし。 まぁということで、奈留ちゃんはどう?」
まぁ、そうだよね。
もうすぐ、長期休みに入るし、良いかもしれないね。
「私は行けると思いますけど‥‥小乃羽ちゃんは行けるの?」
「色々あって、行けるかどうかわからないですけど、出来れば行きたいですね」
小乃羽ちゃんと行けたら楽しいだろうなぁ。
「まぁ、そういうことがあって奈留ちゃんが一緒に行きたい人がいたら誘っていいよ。 俺は陸と奈留ちゃんがいれば、特に気にしないからさ」
「え? 俺も行くの?」
え? 兄さん行かないの?
「陸行かないの!?」
「いや、奈留が行くのに行かないわけないじゃん」
「じゃあさっきの発言何なのさ!」
兄さん、絶対楽しんでるよ‥‥。
「ま、まぁ誘える人がいれば誘いますね」
近頃、知り合いも増えた私は、前のように誘える人が困ることはないのである!
友達がいるって素晴らしい!
あ、でも前の由南ちゃんみたいに断られる可能性もあるもんね。
日にちが決まったら、いろんな人に声をかけてみようかな。