157 久しぶりの
日曜日、私は詩唖先生、もとい前世の親友の広葉の家に来ていた。
遊ばないか? と誘われたので、二つ返事で了承した。
すぐさま了承した理由は前世でも沢山、広葉の家で遊んだが、今世でも、こんなにすぐに誘ってくれるとは思ってなかったので、嬉しかったという理由が大きい。
今は二人とも姿は違うが、今の私の気持ちは高校生の頃の気分である。
中学生なのに高校生の頃とは、また変な感じはするが‥‥。
でも、なにするのかなぁ。
テレビゲーム? それとも違うこと?
どんなことでも楽しそうだなぁ。
ワクワクしながら、私は扉の前まで行く。
チャイムを鳴らすとそこには‥‥花さんが。
「ッチ、セールスは断ってるって‥‥‥‥なんだあなたか。 何しに来たの?」
そういえば、二人一緒に住んでるんでしたね。
さっきまですっかり忘れてました。
「いえ、広葉に遊ぼうって誘われたので‥‥」
あの夜から初めて会うので、何だか気まずい‥‥。
でも、こう見ると蕾ちゃんの面影があるなぁ。
いや、同一人物なんだから当たり前だけど、やっぱり成長しすぎて、一緒だって広葉に聞かされてなければ、まだわからなかっただろうな。
それに性格とかも考えるとやっぱり違う人って思えてくる。
蕾ちゃんはいつも元気って感じだけど、花さんは何だか冷たい感じがするから。
「そう、ひーくんが‥‥‥‥。 上がって。 広葉さんならこの前の部屋にいるから」
「あ、はい。 お邪魔します」
あっさり入れてもらえたことに、私は少し驚いた。
何だか私のことはあんまり好きじゃないのかなぁと、思っていたので、少し嫌がったりするかと思ったのだが。
廊下を歩き、部屋に入ると、そこには昔と変わらずゲームをしている広葉が。
「お、やっぱり陸だったか。 すまないな、今、手が離せなくてな」
そんな理由で、と言いたいところだが、途中で止められないのは何となく知っているので、文句を言うつもりはない。
「いいよ、全然。 それより、まだそのゲームやってるんだ、懐かしいな」
そのゲーム、高校の時によくやってたな。
「まぁ、ここではこれが最新なんだがな」
「あ、そういえばそうだったね。 何だか前世とごちゃごちゃになっちゃって」
「まぁ、それは俺もあるな。 好きだったゲームが発売されてないとか、結構違和感があったからな」
私も未来の出来事を言ったりして、たまに間違えた、と思うことが結構あったからな。
ゲームとか漫画とかもその一つだ。
「私もやっていい?」
「あぁ、久々にやるか」
私はもうひとつのコントローラーに手を伸ばす。
ゲームって、家で兄さんたちとは、たまにやってるけどやっぱり少し鈍ってるかな。
でも‥‥‥‥。
「今は手加減は必要ないからね」
「あぁ、わかった」
そういって私達は、ゲームを始めた。
昔の思い出を取り戻すように。昔の続きを始めるように‥‥。




