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149 感謝という気持ち

「電話してないの!?」


「あぁ、というか、俺、あいつの電話番号とかしらない」


 てっきり広葉こうようだと思ってたんだけど‥‥え? 電話かけたの誰!?

 つぼみさん‥‥でも、ないよね。 だってかける理由無いもんね‥‥。


 え? 心霊的な何かじゃないですよね!

 ‥‥いや、これってさっき言ってたこの世界を変えた誰かのことなんじゃ?


「一緒だと思っていたけど、まさかしんくんとは証拠を掴んだ人が違うとはね」


「何かあったのか?」


 あれ? 広葉こうようはこの事を知らないようだ。

 そういうことは知っているものだと思ったが。


「いや、まぁ‥‥何でもないよ」


 まぁ、特に危険なこともなかったみたいだし、大丈夫だろう。


「それならいいんだが。 というか、もうこんなに遅い時間だな。 長く話しすぎたかな。 ごめんなりく


 話し込んでいて忘れていたが、そういえば話始めたときから、もう真っ暗だったこと忘れてた!

 ‥‥‥‥兄さん晩御飯食べてるかなぁ、少し心配。


「ううん、色々聞けてなんだか、スッキリしたこともあったし、良かったよ。 また来ても良いかな?」


「学校でも会えるがな、あぁ、また来い。 という事でここで、解散と言いたいところだが、暗いし、今日は、送ってく」


 なんか親友に送られるって恥ずかしいな、と思ったが、まだ少し話したいことだってあるし、思い出話もしたい。

 私は特になにも言わず、広葉こうようが住んでいる、マンションを出た。




 そのあと私は、帰り道の少しの間だったが、広葉こうようとバカな話をたくさんした。

 その時、私はなんだか、前世の高校の頃戻ったような、そんな気分になっていた。


「ありがとね、広葉こうよう


「なんだ急に?」


「あはは、もう一回言いたかっただけだよ。 ‥‥大切な親友にね」


 私は感謝してもしたりない。

 あなたはきっと、自分が世界を変えることができなかったからって悔しがっているのかもしれないけど。

 でも、私を蘇られてくれたのが、あなたじゃなくても‥‥‥‥私に生きたいって思える気持ちをくれたのは、きっとあなただよ、広葉こうよう


 だから‥‥‥‥”ありがとう”




 ◇◆◇◆◇◆




「遅かったな、奈留なる


 家に帰ると、兄さんが玄関で仁王立ちの状態で待っていた。

 あ、これは‥‥もしかしなくても怒ってる?


「ごめん、兄さん。 知り合いといたら遅くなって」


「その知り合いは女か? それとも‥‥男か?」


 いや、兄さん、そこは普通何してたんだって聞くところだと‥‥。

 相手方の性別を先に聞くのはかなり珍しいと思う。

 しかも、男か? の声が少し低くなったのを私は聞き逃さなかったよ。


「女の人だよ」


 中身は男の人だが、姿は女の人です。

 うん、嘘は言ってない。


「‥‥そうか、それならいいんだ。 お帰り、奈留なる


「ただいま兄さん」


 何だか今日は凄く長い一日だったような気がするよ。

 あと、何だか疲れているのか少し眠い‥‥。

 いやいや、帰ってからもやることはあるし、頑張らないと!


「早速だが奈留なる。 腹減った」


「あれ!? 兄さん食べてないの? てっきりなにか自分で作ってるものだと‥‥」


「いや、やっぱり一人でご飯は寂しいだろ?」


「うん、そうだね。 今から作るよ」


 こうして私は晩御飯を作って、兄さんと二人で仲良く食べた。

 この後、色々あり、寝たときにはかなり遅くなっていたからか、無意識のうちにベッドに倒れこみ、そのまま私は深い眠りについた。

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