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147 あの頃の俺は(10)

初めは、森田広葉くん視点ですが、途中から視点が奈留ちゃんに戻ります。

「そこで、一つ思い付いたんですが、物忘レン君改を使ってみませんか?」


 え、なんでいきなり、そんな発明品が?


「物忘れとかしてないぞ?」


「そっちの機能じゃなくてですね‥‥他人に上書きする方の機能ですよ」


「いや、そっちでもよくわからないんだが?」


 他人に変わったところで‥‥。


「ひーくん、よく考えてみてください。 今回の場合、私たちに何かしらの制限がかかっていると思っていいでしょう。 ということは別人、つまりその時間にいる人に変われば、その世界の人間になり、過去を変えることができるんじゃないかということです」


「そんな都合の良いこと、起こるか?」


「正直これはやってみないことには、わかりません‥‥。 でも、可能性を潰していかないと、いつまで経っても先に進めません」


「あぁ、そうだな。 ようやく、ここまで来たんだ。 なんだってやってやるさ」




 ◇◇◆◆◇◇◆◆




「そのつぼみの考えは大正解で、その方法で過去を変えられること知った俺は、この世界で相性がよかった、夏雪なつゆき詩唖しあ先生になってるわけだが‥‥ってりくどうした!?」


 広葉こうようの話は、私にとっては衝撃なことばかりで、私はまた、涙で視界が歪んでいた。


「そんなに大変なことをしていたの、知らなくて‥‥ごめんね、広葉こうよう‥‥」


「おい、泣くなって。 別に俺はお前を泣かせるためにこんな話をしてるんじゃないぞ。 それに今の俺の願いは、もっとお前に笑顔でいてもらうことだ。 だから笑ってくれ、りく


「‥‥うん、ありがと、広葉こうよう


「あぁ、それでいい。 そういう言われたことも素直に聞くこともりくの良いところだ」


 見た目は詩唖しあ先生だけど、このやさしさは昔からの広葉こうようのままだとわかって、嬉しくなる。

 今も昔も助けられてばっかりなんだね。


「じゃあ今までの話を簡略していうと、タイムマシンを使って過去を変化させたってことでいいんだよね?」


 変わったことにより、私が今こうして生きているんだろう。


「正確には変化させようとした、が正しいな」


「させようとした? でも広葉こうよう、私はこうして生きているのって広葉こうようが変えてくれたからなんだよね?」


「いや、そうじゃない。 何回かタイムマシンを使っていたら、とある時間の世界から、過去が突然変わっていったんだ。 その一つにお前が妹になってたりな」


 へ? 広葉こうようがこうしたんじゃないの?


「さっきの話を聞いて、てっきり、広葉こうようが私をこうしたんだと思ってたんだけど‥‥」


「出来れば俺がお前を救ってやりたかったところだが、俺がここに来たときにはこうなっていた。 それで、俺達はその原因を知るために、初めて変化に気づいた、この時間の世界に滞在してるって訳だ」


「じゃあ、別に原因があるってことか‥‥。 広葉こうようはもうわかってるの?」


「いや、まだわからん。 つぼみが言うには他の誰かが変えたのかもなんてあり得なさそうなことを言ってたがな。 まぁ、ただ偶然で変わっただけかもしれないしな」


 広葉こうようの他にも、変えられる人がいるなら、それはなんだか怖いな‥‥。

 それと、結局私が転生した原因はわからないってことなのか。

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