表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/780

138 あの頃の俺は

途中で視点が変わります。

「嘘、あの人が‥‥つぼみちゃん?」


 見たことあるなぁ、とは思っていたのだが、あれが、成長したつぼみちゃん。


 ‥‥‥‥成長しすぎて全然わからなかった!

 いや、確かに今思えば、つぼみちゃんに似てたんだとわかるが、あの可愛い感じのつぼみちゃんから、あんな大人な女性になるなんて誰が予想しただろうか‥‥。


「やっぱり、気づいてはいないと思っていたが‥‥お前鈍すぎないか? あいつの場合は姿変わってないぞ。 成長しただけだ」


「いや、あれは変わりすぎでしょ! しゃべり方とかも全然違うし」


「俺が出会ったときにはもうあれだったから特になんとも思わなかったが」


 そっか、前世では広葉こうようつぼみちゃんは私の知る限りでは知り合ってなかった。

 ということは、大学生になってから会ったってことか‥‥。


「でも、そうか‥‥つぼみちゃんが‥‥。 つぼみちゃんの名前を出されたら不可能なものでも出来そうな気がするけど」


「そうだな、あいつは凄いやつだよ」


 何だか、二人が今どんな関係なのか気になってきちゃったな。


「ねぇ、二人の出会った話とか、来た経緯の話を聞かせてよ」


「まぁ、その方が今の状況も理解できるか。 わかった‥‥。 りくが死んでから俺は───」


 こうして、広葉こうようは前世のことを話始めた。




 ◇◇◆◆◇◇◆◆




 りくが死んでから、俺は‥‥生きる意味を失っていた。

 りくのために就職をしようとしていたが、もう就職しても意味がないと思ったので、俺は大学に進学にすることにした。


 なんの目標もなく、ただただ勉強をする毎日。

 勉強が嫌いな俺だが、その時は空いた時間があればやっていた。

 勉強の手を止めてしまうと、りくのことを思い出してしまうから。

 何故助けられなかったんだ‥‥と。


 夜、思い出して、眠れないこともよくあり、その時間も勉強した。


 そのせいか、俺の成績はいつの間にか上がっていき、テストの順位で一位をとるほどになっていた。


 その後、先生から勧められた、大学に進学した。

 入ってから二年はただ適当に大学を過ごしていた。


 そんなことが三年目も続くんだろうと思っていると、ある日、大学内を歩いていると、とある出来事が起きた。


「ひーくん! ひーくんですよね!」


 全く知らない女からひーくんと呼ばれたことだ。

 その女の名前は蔭道かげみちつぼみ

 小学生の頃に俺と会ったことがあるらしい。

 こいつが俺の人生を大きく変えることになった。




 ◇◆◇◆◇◆




 つぼみに付きまとわれてから、三ヶ月。

 すっかりつぼみの存在にも慣れた。

 休日にも連絡をしてきたり、何だか彼女みたいだな‥‥‥‥いやいや、断じて違う!


 その日俺は、つぼみの家にお呼ばれすることになっていた。

 自分の部屋の発明を手伝ってほしいとかなんとか。

 絶対なにもできないだろうけどな。


 その頃にはつぼみの超人的な頭脳と感性を知っていたので、俺は手伝いは出来ないと断ったのだが、そのあとも、しつこく誘われ、仕方なく来ているというわけだ。


「ひーくん。 お待たせ、じゃあ早速いきましょうか」


「あぁ」



 その後、つぼみの家に初めて入ると、そこは女の子の部屋‥‥というわけではなく、殺風景な部屋だった。

 あと、よく見ると機械類がとにかく多い。


「なんか、家というより、研究施設だな」


 その後、つぼみに色んな発明品を見せられることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ