131 二日目の朝
職業体験二日目の朝、今日は何だか何時もより眠たく、起きるのが大変だった。
初めての仕事だったから、自分が思った以上に疲れているのかも‥‥でも楽しいし問題ないよね。
今日もいつも通り兄さんを起こし、二人で朝食をとっていた。
「そういえば、昨日ちゃんと学校には行ったんだよね?」
「当然だ。 俺も子供じゃないんだ、奈留の迷惑になることはしない」
子供じゃないって、昨日は子供そのものだったんですけど‥‥。
まぁ、兄さんも成長しているのか、昨日とは顔つきが違うね。
「じゃあ体験場所のカフェには来てないんだよね?」
「あぁ、行ってない」
それなら今日来るとかじゃないよね? やめてね?
「ならいいや。 あ、兄さん聞いてよ。 そのカフェの制服がシンプルだけど凄くよかったんだよね」
「エプロンタイプだったな、とても奈留に似合っていた‥‥」
「え?」
「え?」
あれ? ちょっとおかしいな。
私、一言もエプロンタイプ何て言ってないし、しかも実際見たような言い方‥‥。
「兄さん‥‥やっぱり来たんじゃないですか!」
「いや、行ってない! 本当に行ってないから!」
えぇ、でも‥‥。
「じゃあどういうことか説明してください」
「えっと、あの‥‥その‥‥。 最近のカメラって高性能だよな♪」
「遠くから撮ってたの!?」
あなたはスナイパーですか!
というか、いつ撮る時間があった!?
詳しく話を聞くとお昼休みに学校を抜け出して、張り込んでいたみたいです‥‥。
いやまぁ確かに店には来てないけどさ。
「ど、どうしても写真におさめたかったんだ‥‥」
だから、学校行事のお父さんか何かか、兄さん。
「そんな、こそこそするくらいなら堂々と撮りにきてください。 恥ずかしいので一枚が限度ですけど‥‥」
もし、そんなので怪しまれたりとかしたら、元も子もありませんからね。
「え? いいの? よし、わかった。 最高の一枚を俺は撮るぞ!」
「昨日も撮ったんでしょ!」
と、相変わらずの兄さんと何時もの朝を過ごしていました。
◇◆◇◆◇◆
二日目の体験、昨日と同じく蓮佳さんは寝ているらしく、私は接客に勤しんでいた。
「夕闇、何か疲れてるのか?」
「マスター‥‥。 いえ、朝、意味もなく疲れただけで、今は特に何ともないですよ」
えぇ、兄さんとのこととなると体力を奪われますからね。
「少し休憩して良いぞ、客も来てないしな」
「はい、今のうちに頑張って休憩しときます!」
「いや、休憩は頑張らなくていいから。 何か飲むか?」
え? 入れてくれるんですか!
飲みたい! ‥‥遠慮したら逆にマスターに悪いしね。
「はい! 凄く飲みたいです!」
「あはは、そうはっきり言われると嬉しくなるな。 すぐ入れる」
そういって、マスターは私にマキアートを入れてくれました。
飲むのが勿体なくなりますね。
あ、蓮佳さん起きてきた。




