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127 初めてのお仕事

「えっと、私は何をすれば‥‥」


 作業に戻ろうとするマスターさんを引き止め、何をすれば良いのか聞く。

 でも、こういうのって中学生があまり出来ることってないような気がするけど。

 そもそも、どうして職業体験を許可したのかな?

 機会があれば聞いてみよっと。


「まずは、制服に着替えてきてくれ。 更衣室はあそこの扉だから、そこの一番右のロッカーを使ってくれ」


「は、はい、わかりました!」


 そうだよね、流石にこの服装のままじゃダメだよね。

 着替えに時間をかけちゃいけないし、急いで着替えないと。


 私は更衣室に行き、ロッカーを開くと二着の違う服があった。


 え、えっと‥‥どっちを着ればいいのかな?

 ま、まぁ、普通に考えたらこっちだよね。

 前来たときもバイトらしき人もこの服装だったし。


「よし、頑張らないとね!」


 私は気合いを入れ直した。




 ◇◆◇◆◇◆




「着替えてきました!」


 制服に着替えてきた私は、一目散にマスターのところに行く。

 制服はエプロンタイプのもので、まぁよくある制服だね。


「ん? あ‥‥あぁ。 じゃあまずは皿洗いをしてくれ。 朝早く来る常連客の皿はまだ洗ってないからな」


 本当にバイトみたいだな。

 いや、前世でもやったことがないのでわからないが。


「はい、わかりました!」


 洗い物ならいつもやってるし、余裕だね。


 洗い場まで行くと結構な量の食器が置いてあった。

 前世で広葉から聞いた話では、こういうバイトのところってよく洗浄機があるって言ってたけど、ここにはないみたいだ。

 個人でやっているからかな?


 まぁなくても特に問題ないので、テキパキ洗っていこう!

 布巾もあるし、ちゃんと拭いてっと。

 あー洗い物って何だか落ち着くなぁ。




 ◇◆◇◆◇◆




「え、もう終わったのか!?」


「は、はい‥‥すみません」


 いつもやっている作業に、無意識に手が動いちゃいましたね。

 途中なんか楽しくなっちゃって、鼻歌歌っちゃうぐらいでしたから。


「いや、別に謝ることじゃないが、でもここまで早く終わるとは思ってなかったな。 家でもやってるのか?」


「そうですね、家事は好きですから」


 まぁ、一人でやるのも好きだけど、誰かと一緒にやる方がもっと好きなんだけどね。


「しかし、まだかかると思っていたから、特にすることはないな。 まぁ、蓮佳れんかがくるまでゆっくりしていてくれ」


 蓮佳れんかさんとは一体‥‥。


「あの、蓮佳れんかさんって誰ですか?」


「俺の妻だな」


 へぇ‥‥え? 夫婦でお店やってるんだ!


「あ、二人でやられてるんですか?」


 夫婦でお店をやる。

 なんかロマンチックでいいなぁ。


「いや、バイトも何人かいるがな。 それに蓮佳れんかはパティシエで、接客はしないから」


 あ、あの美味しかったケーキって、その蓮佳れんかさんが作ってるってことか!


「奥さんがパティシエだったんですね‥‥。 で、今その蓮佳れんかさんは‥‥?」


「あぁ、早朝に仕込みとか何かしていたみたいでな。 今は店の奥で寝てるんだ」


 大変なんだなぁ。

 ‥‥ん? ということは蓮佳れんかさんが起きるまで、私のやることは無しですか!?

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