12 夕食
トランプや色んな遊びで盛り上がった私達は、少し休憩することにした。
そのタイミングで、私は皆にあることを聞いた。
「皆、晩御飯どうする? もしよかったら食べていかない?」
出来れば、皆で食べてより一層、仲を深めたいものだが、都合が悪かったらいけないもんね。
「奈留ちゃん、俺はいいよ~」
広葉はいつもだから聞かなくてもわかるわ!
「私もいいよ。 どうせ親はまだ仕事だろうし、久々に奈留の料理食べていく」
由南ちゃんも共働きだっけ? それなら毎日来てもいいんだよ♪
だが広葉、貴様は駄目だ。
「私は‥‥すいません。 御姉様の手料理を食べたい気持ちはあるのですが、家でお母さんが晩御飯を作ってくれているので‥‥」
「そっか。 お母さんに悪いもんね」
もっと居てほしい気持ちもあるが、あまり遅いといけないもんね。
「じゃあ私そろそろ帰ります」
「それなら俺が送って行こっか? もう暗いし。 危ないからさ」
お、紳士だな広葉!
前世と変わらず優しいところは元親友として、とても嬉しくなる。
広葉が心のなかで、合法的に女の子の家がわかるぜグヘヘ、と思ってるんじゃないかなんて私は‥‥考えてないとも‥。
「でも、すぐ近くですし、悪いです」
へぇ、この近くなんだ。
「すぐ近くなら余計に行くよ! 奈留ちゃん、俺の飯は残しといてね」
あ、やっぱり戻ってくるんですか。
「わかりましたよ。 だから小乃羽ちゃんをしっかり家まで送り届けてくださいね」
「任せて! 合法的に‥‥‥‥何でもない! 行ってきます!」
てめぇ今何言おうとした!?
問いただす前に玄関の方に走っていった。
おい、肝心の小乃羽ちゃん置いていってどうする!
そして兄さんが隣で呆然としている小乃羽ちゃんに一言。
「変態を殺すのは‥‥‥‥犯罪じゃない」
「犯罪だよ!?」
何サラッと殺害させようとしてるの!
親友だよね!? ね!?
「じ、じゃあ今日はありがとうございました。 また呼んでいただけると嬉しいです」
「また来てね小乃羽ちゃん」
「また学校で、福林さん」
「また何時でも来ていいからね。 あと帰り道、隣の男には気を付けるんだよ」
知らない人に気を付けろだよ!
兄さんどんだけ親友を信頼してないの!?
「し、失礼します」
小乃羽ちゃんは少し慌てた様子で去っていった。
しかし、兄さんほどひどくは言わないが、本当に広葉でいいか、心配になってくるな。
戻ってきたら確認しないとな。
じゃあそろそろ、晩御飯作りますか!
「じゃあ私はご飯作ってくるよ」
そう言って私はキッチンの方に向かう。
これでリビングは二人きりに‥‥。
なんか計画とは少し違うが、私やり遂げました!