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122 私と貴方の秘密

 え‥‥あの、えっと‥‥。


「何で知ってるの!?」


「やっぱりそうなんだ。 それは、僕も同じだからだよ」


 聞きたかったことをしんくんの方から言ってくれた!

 やっぱり、彼が転生者!


「ほんとに?」


「うん、ちゃんと前世の記憶もあるしね」


 正直、心の準備がまだ出来てなかったので、私は放心状態だった。

 自分から聞くのと、いきなり言われるのだと、やっぱり差がね‥‥。


「でも、どうしてわかったの?」


「いきなり転生のことなんて聞いてくるから、自分もそうだし、もしかしたらって思ったんだ。 間違ってたら恥ずかしかっただろうけど」


 そう、私も、もし間違っていたらって思うと、なかなか聞き出せなかったんだよね。


「それだけで‥‥すごい‥‥」


「そ、そうかな? でも、奈留なるさんも気づいてたんじゃないの? 言おうとしていたのも、そのことでしょ?」


 た、確かにそうかなぁ、とは思っていたけど‥‥。

 というか。


「聞こうとしていたことわかってたの!?」


「うん、この前の流れで‥‥かな?」


 しんくん、凄い!

 探偵になれちゃうぐらいの推理力だよ!


「でも、ビックリしちゃった。 しんくんの方から言うんだもん。 でもどうして自分のことも言おうと思ったの?」


「嘘をつき続けるっていうのは、少し心が痛いからね。 それに奈留なるちゃんは言っても大丈夫な人だと思ってるから」


 そ、そこまで信頼されているとは‥‥。


「な、何だか嬉しいな♪」


 はじめの頃から思うと、ずいぶんと仲良くなれたもんね。

 もう、友達を超えて、親友ぐらい、いってしまいそうだよ!


「それで、奈留なるさんはどうする? 転生者とわかって、態度が変わったりとか‥‥」


「それはないよ! 私が仲良くなったのは今のしんくんだもん。 前世は関係ない!」


 一緒にいると楽しいし、これが変わっちゃうと何だか悲しい。

 前世の話がしてみたかっただけで、今の関係が変わるのなら私は前世のことなんて知りたくはない。


「じゃあさ、これは僕から提案なんだけど‥‥」


「何?」


「まだ、自分の前世のことは曖昧にしない?」


 曖昧とはどういうことだろう。


「え? でももう前世を覚えてるって言っちゃってるけど‥‥」


「それはいいんだよ。 だから、名前とかそういうの。 今いきなり言われても、二人とも困惑すると思うしさ。 徐々に言っていけばいいと思うんだ」


 あぁ、それはいいかもしれない。

 今日はしんくんが転生者だったっていうだけで、困惑しかけていたし。

 それ以上は、パニックを起こしそうだ。


「いいと思う、私は賛成!」


 それに、もし私が元男だって言ったら、たぶんしんくんもビックリするだろうしね。


 ‥‥いや、まてよ。

 男だったくせに女になりきってるやつって軽蔑されたりしないよね!?

 あぁ、急に不安が‥‥。


「うん、決まりだね。 あ、奈留なるさんは他に聞きたいとことかあった?」


「ううん、ほとんどわかったし、大丈夫!」


 祈実きさねさんの近くにいたのかとかはまた後々聞いていけばいいよね。


「じゃあ僕は図書室に戻るよ。 さっきまで読んでいた本、面白かったから続きを読むから。 奈留なるさんも来るかな?」


「うん、行く! その本の話も聞きたいし!」


 やっぱりしんくんとは、この関係が楽しくて好きだなぁと改めて実感した。

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