11 ゲーム
「なにして遊ぼうか?」
兄が皆に問いかける。
そうだな~現時点で、五人で遊べるものなぁ~。
「兄さん。 家に大人数でやれるものあったっけ?」
「はっはっは、何いってるんですか皆さん。 ここは王様ゲ「トランプしようか!」‥‥」
広葉、今回はそういう展開は求めてないんだよ!
小乃羽ちゃん帰っちゃうだろうが!
でも悪くない。 機会があればしよう。
あと、すぐ広葉の考えを感づき、即効で言葉を被せる。
兄さんマジパネェっす。
「でも、お兄さん。 トランプなんてないですけど?」
「たぶん何処かにあったはずだから、ちょっと探してくるよ。 その間にトランプで何するか考えておいて」
そういうと兄はリビングを出ていった。
「トランプなんて久しぶりです!」
「私もよ。 あまりやることなんてないもの」
そうだよなぁ。 大人数でやると楽しいけど、そこまで人が集まらないでやるトランプは何だか、一、二回で飽きちゃうもんね。
「何しよっか?」
「俺はひとつあることを思い付いた。 トランプでも王様ゲームってしようと思えばでき「何しよっか?」‥‥」
だからお前の欲望叶えるために、集まってる訳じゃないんだよ!
でもいい発想だ! またしような。
「皆がルールわかっているゲームの方がやっぱり楽しく出来るんじゃないですか?」
「じゃあ何を知ってるか一回皆で出しあいましょうか」
◆◇◆◇◆◇
色々出たなぁ。
ババ抜き、ジジ抜き、大貧民‥‥大富豪と一緒だよね?
あとはダウトに神経衰弱、七並べにポーカー。
ブラックジャック‥‥私、ルール知らないなぁ。
「じゃあこの中で知らないものってある?」
「私はポーカーがよくわからないです‥‥」
「俺は七並べがどんなだったか全く覚えてない!」
「私はジジ抜きが嫌いよ」
由南ちゃん!? 別に今、嫌いとか聞いてるんじゃないんだよ!
「私はブラックジャックが分からない」
「じゃあ初めは大富豪にしましょうか」
まぁみんなわかってるみたいだし、五人いて丁度いいしね!
「決まったかい?」
いつの間にか後ろに兄さんが立っていた。
「え!? 兄さん! 驚かせないでよ!」
ほんとビックリした!
なんですかその気配遮断スキル。 ‥‥ストーカースキルですか!?
「はは、奈留の驚いた表情もほんと可愛いなぁ」
小声で喋ってるから、気付かれてないものの、由南ちゃん達の前で素を出さないでもらいたい!
「‥‥もう! そういうのいいから! 次やったら、もう朝起こしてあげないんだから」
「ごめんね、奈留。 もうしないから」
「絶対だからね!」
はぁ~。 どうせなら私にもあの猫かぶり状態で接してほしいものだ。
「じゃあ大富豪に決まったことだしやりますか」
「そうですね、森田さん。結構、時間使っちゃいましたもんね。 じゃあ、兄さんも早く座って!」
全員が座ると、広葉は一人一枚トランプを配り、大きな声でいった。
「行くよ! せーの、大富豪だーれだ!」
「「だから王様ゲームは、やらねぇんだよ!」」
こいつ本当にぶれないわ。