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115 推理しよう

 兄弟が‥‥いない? え? そんなおかしい‥‥。

 いや、だって、今世にしんくんという弟がいるし。

 そんな人ひとり、いたり、いなかったりなんてあるの?


 そりゃ確かに前世と今世は大きく違うところはあるが、そのほとんどは私が絡んだから、という理由が大きい。

 私という、本来いるはずのない人間がいたら、色々変わるのは仕方がない。


 でも私はしんくんと小さい頃から一緒にいたわけでなく、出会ったのは最近だ。

 それで、どうこうなるなんてあり得ないはずだ。


 しかし、今の話を信じるなら、前世にはしんくんがいないということになる。

 ‥‥もしかして、違和感ってこれのことなのかも!

 昔に兄弟はいないって聞いていたのに、実はいたっていうのをあの本で、思い出しかけていたっていうことか。


 初めはただ知ってるかもという気持ちだったが、徐々にそれとは違う違和感が出だしていたし、そうなのかもしれない。


 いや、今はそんなことより、何故こんなに私と関係ないところで、前世と今世の違いがうまれているの?


 まさか、私以外にも転生している人がいる‥‥とか?

 ‥‥まさか、あり得ないよね。


 でも‥‥もしそうなら‥‥。




 ◇◆◇◆◇◆




「見つけ出して、前世のお話したいよね♪」


 今まで謎めいた人もいたが、情報がなかったので、探せなかったが、今回の場合は決定的な情報があるので、全力で探させていただきます!


 私の持論では、前世と違うところがあればそれは、半分くらいは転生した人が関係しているのではないかということ。

 ソースは私!‥‥あれ、早くも暗雲が‥‥。


 つまりしんくんや、その回りが変わったっていうことだから、その近くに転生者は存在している、ということだ。


 今回のことで、もしかしたら、転生者かもしれないと踏んでいるのは、祈実きさねさんか、会ったとこないけど磨北まきた家の両親。


 なかなかいい推理じゃないかな?


 祈実きさねさんの性格が少し違うというのもあるし、近くにいる人なら祈実きさねさんが一番可能性もありそうだし。

 まぁその場合、なんでしんくんが今世には存在して、前世にはいないか、というのは謎なのだが‥‥。


 あとは両親はまぁ‥‥うん、あるかなぁと。


 実際、それ以外もあるかもしれないので、一応、その他の人もきちんと怪しいところがないか見ておかないと。

 私の知らない人だった場合は‥‥気合いで探すしかないね!


 そもそも、転生者がいなくて、私の勘違いだということ‥‥すごくありそう‥‥。


 まぁその時はその時だよね。

 でも、もし本当に転生者がいたなら、出来れば優しい人がいいなぁ。

 あ、もしかしたら何か知ってるかもしれないし、明日、しんくんに聞いてみようかな。



「よし、絶対見つけてみせるからね!」


 謎の転生者さん!




 ◇◆◇◆◇◆




「くしゅっ!」


「あれ? しんくん風邪?」


「いや‥‥たぶん大丈夫」

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