99 一度やってみましょう
何故か六人でゲームをすることになったわけだが、そういえば前にもこんなことがあったな。
あのときは小乃羽ちゃんもいて、ワイワイと、トランプゲームをしていたが、今回の場合は勝負するき満々だからなぁ。
完全に空気が重い。
「奈留が言ったから、やめたが、ゲームで俺が勝ったら帰ってくれ! 今日は! 帰ってくれ」
なんだか今日は、ってところを強調してるけど、今日何かあったっけ?
「私も、信くんが止めたから一時的にやめただけで、私にも譲れないものがあるんだから!」
いや、別に勝負しなくても、全然泊まっていいんですけどね。
あと何故こんなに祈実さんは泊まりたがっているのかちょっとよくわからない。
「じゃあゲームはどうしましょう?」
「今日のために色々持ってきたんだ~」
さっきまで兄さんと睨みあっていたのとは打って変わって、笑顔の祈実さんは持っていた荷物から色々なものを出してきた。
うわ~どれもやってみたい!
あんまりこういう皆で遊ぶパーティーゲームとかってやったことなかったんだよなぁ。
「これいいんじゃない? ジェンガ」
面白いって聞いたことある! やったことはないけど!
「あとは、人狼に黒髭危機一髪とか?」
またしても、聞いたとこはある! けど、やったことはない!
でもいっぱいでてきたなぁ。
でも、対戦となると中々難しいね。
「はいはい、俺、このツイスターゲームがやりたいです!」
「他には~?」
「スルーはやめて!?」
この前の王様ゲームといい、広葉は的確についてくるなぁ。
いやまぁ、面白そうだけどね、ツイスターゲーム。
「これは何?」
由南ちゃんが手にしたのは‥‥紙?
「あ、それ表面に、自作ですごろくを作ったんだ~」
へぇ、手作り!
私も昔、適当に作ったような気がするなぁ。
「それやってみようよ!」
面白そうだし、やってみたい!
「でもその手作りのすごろく大丈夫なんだろうな。 まぁ正直すごろくなんて、白紙に円と線さえ書けば誰でもできるけどな」
「大丈夫、きちんとパソコンのソフトで描いてきたから!」
まさかの手作りは手作りでも、そっち!?
何ストレーターとか何とかショップとかそういうソフトですかね!
「うわ~本当に本格的だぁ。 奈留ちゃん、表面見てみてよ」
「うわ、すごい!」
絵とか写真とか色々あって、売られているものみたい。
いや、売られているものより豪華だね!
「きさねぇ、一生懸命作ってたのってこれだったんだ」
「えへへ、皆でやろうと思って頑張ったんだよ」
正直、頑張りすぎなくらいだよ。
「じゃあ一度やってみるか」
お、兄さんもこれで、いいみたいだね。
まぁルールとかあまりなく遊べて楽しいもんね。
◇◆◇◆◇◆
簡単で楽しいゲーム、すごろく。
サイコロを振って、出た升を進むゲームである。
まぁ常識人が作れば、升目に書いてあることは、良いことが多目で書かれている。
そう、常識人が作っていれば‥‥。
「あ、スタートに戻る、だ‥‥」
「はぁ、私も~」
「二回休みね」
「うわ~俺、十二升戻るって書いてあるよ~」
うん、悪い升が多すぎる!
兄さんと祈実さんは六升目にあるスタートに戻る、という升に何故か延々に引っかかり、由南ちゃんは休む升に当たることが多く、広葉は戻されたり休んだり、色々している。
なんで、作った本人である祈実さんが、兄さんとスタート付近で争っているんですか!
「ここを抜ければ、私の勝ち!」
「いや、ここは俺が先に抜けるんだ!」
そこ抜けても、ゴールまだ先ですからね!
しかしながら、何故か私と信くんは、幸運に恵まれ、どんどん進み、何故か関係のない私達が一位争いで白熱したバトルを繰り広げていた。
まだゴールは先だけど‥‥。
いや、これ兄さん達が終わる頃には泊まる、泊まらない関係なしに明日の朝迎える可能性も出てきたけど!?