98 どうしてこうなった
力尽きた広葉を回収した、私は広葉をソファーに寝かせる。
「安らかにお眠りください。 森田さん、いい人でした。 そう、本当にいい人止まりの人で‥‥」
「いや、奈留ちゃん、別に俺死んでる訳じゃ‥‥あといい人止まりってそれ確実に誉めてない‥‥」
そして私は再び、由南ちゃんに話しかける。
「森田さん‥‥ダメだったね」
「そうね、とても残念よ」
さっき、想定内って言った人とは思えない発言だね!
「二人の言い争いも止まってないね」
「広葉さん、何にもしなかったからね。 でも少しは期待してたのよ。 蕾さんの昔の話を聞く限りは格好いいから。 しかし、今ではとても雑魚ね。 まるでRPGに出てくる初めてのボスのよう‥‥」
またなんともいえない例えを‥‥。
まぁ確かに、初めの敵はレベル高いと一撃で倒せるとかあるけど!
でも一応、期待はあったんだね。
「実際、頼りになるときはなるんだよ?」
前世では広葉には大変にお世話になった、そう前世では。
「まぁ今は広葉さんより、お兄さん達の方ね」
「そうだね。 もう、私が止めにいった方が‥‥」
「ダメよそんなの、面白くな‥‥奈留が危ないじゃない!」
あぁ、由南ちゃん楽しんでらっしゃるんだね。
「じゃあどうするの?」
「そろそろもう一人の助っ人が来るはずよ」
それってもしかして‥‥。
◇◆◇◆◇◆
私の予想は当たり、玄関には信くんがいた。
ちゃんと信くんも呼んでたんだね。
「遅くなっちゃってごめんね」
「大丈夫よ、そのお陰で、広葉さんが死んだわ」
そのお陰って何!?
あと広葉死んでないから!
「死んだの!?」
「いや、へこんでるだけだよ。 でもごめんね、いきなり呼んじゃって」
「あぁ、それに関しては大丈夫。 僕もここに寄るつもりだったから」
まさかの無断宿泊!?
「ど、どうして?」
「きさねぇの荷物を届けにね」
え? 荷物? 祈実さん鞄持ってなかったっけ?
「祈実さん、鞄持ってたよ?」
「あぁ、あれお菓子とパーティーゲームとかしか入ってないんだよね、まぁ泊まりにいくというよりは皆で遊びたかったんじゃないかな?」
まさかのゲームとお菓子だけとは‥‥。
まぁ遊ぶってことは楽しいし、賛成だね。
「私も祈実さんに頼まれて、急遽、すぐ来れそうな人を集めたのよ」
あーそういえば、家には今、人が集まってるね。
だから、広葉も呼んだんだね。
六人なら色々遊べそうだけど。
「でも、兄さんが‥‥」
「じゃあ早速だけど、磨北くん、面白い止め方期待してるわ」
「そんな変なプレッシャーかけないでよ!」
由南ちゃん、本当に今の状況楽しんでるね。
いや、でもさすがに信くん一人は厳しいよね。
広葉はなんとなく任せとけって感じだったから一人でいかせたけど、今回は私も止めにはいることにしよう。
◇◆◇◆◇◆
結果としては、兄さんを私が、祈実さんを信くんが落ち着かせたわけだが、その結果、何故かゲームで決着をつけることとなった。
どうしてこうなった、と思わなくもないが、平和的に解決するならそれがいいだろう。
由南ちゃんは少し不満そうだったが。
でもなんのゲームするんだろう?




