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97 想定内

「そういえば、由南ゆなちゃんって祈実きさねさんと知り合いだったっけ?」


 そりゃ弟のしんくんがいたり、私が話しているから、知ってはいるんだろうけど、でも顔とか見たことなかったはずだよね?


「偶然会ったのよ」


「いやでも、顔とか知らなかったんじゃないの?」


 さすがに顔知らなかったら、会っていても気付かないし‥‥。


「会ったときは磨北まきたくんがいたのよ。 途中で別れちゃったけどね。 お姉さんの顔を知ったのはその時ね」


 そこから知り合ったはずなのに、ずっと友達みたいに見えていたのは、祈実きさねさんのコミュニケーション能力が高すぎるからなんですかね?


「へぇ、しんくんいたんだ。 あれ? でも今はいないね」


「そりゃ、女の子の家に無断で泊まろうとする男なんていないでしょ?」


 まぁ男の立場だとあり得ないね。

 無断っていうだけで、もうそれ不審者だけどね。


「それはそうか。 でも兄さんもいるし、別に森田もりたさんも泊まったことあるけど‥‥」


「まぁ奈留なるが泊めていいと思うなら別に問題はないんじゃない? 今度泊めても」


「全く問題ないね!」


 友達なら全く問題ないよね、逆に男の友達だとなんだか安心するし。


奈留なるを見てると本当に不安になるわね。 あまり知らない人とかにはそういうのはダメだからね」


「子供じゃないんだからわかるよそれぐらい~」


 知らない人を泊めたりするわけないじゃん、困ってるとかじゃない限りは。


「はぁ、本当に心配‥‥」


「そんなに!?」


 全然信用されてない!


 由南ゆなちゃんに心をズタズタにされた私は、こうして話している間にもなにか言い合っている兄さん達の方を向いた。


「バーカ、バーカ!」


「バカって言った方がバカなんです~。 バーカ!」


 子供か!

 なんで、この二人普段はちゃんとしてるのに、いきなりこうなってるんだ。

 二人相性悪かったのかな?

 完全に暴走してる‥‥。


 兄さん、一応由南(ゆな)ちゃんもいるんですからいつもみたいに猫被ってください!


「仲良いわね、お二人とも」


「全然そうは見えないけど!? 止めなくて大丈夫かな?」


「まぁそろそろ、止めてもいいかもね。 じゃあ電話しましょうか」


「え、誰に?」


 今の話の流れだとしんくんかな?




 ◇◆◇◆◇◆




「それで、俺?」


 呼び出されたのは広葉こうよう

 まぁ同じクラスだし、止め方知ってそうだけどね。

 て言うか、由南ゆなちゃん広葉こうようの連絡先知ってたんだね。


「そうです‥‥頑張って」


 丸投げ!? いやいや、さすがにそれは広葉こうよう可哀想じゃない?


「任せとけ!」


 いけるの!? スッゴい自信満々だけど‥‥。


「おい、陸。 そろそろ、やめ「うるせぇ、黙ってろ」‥‥」


 うわ、はっきり言われて広葉こうようちょっとへこんじゃった‥‥。

 あ、立ち直った。


磨北まきたさんも落ち着いて、な?」


「ここで引いたら、泊まることも、奈留なるちゃんを妹にすることもできなくなっちゃいます! 邪魔です!」


 やめてあげて! 広葉こうようのライフはもうゼロよ!

 あ、広葉こうよう力尽きた‥‥。


 あと妹にするって何ー!?


森田もりたさん! ねぇ、由南ゆなちゃん! 全然止められなかったけど!?」


「想定内よ」


「想定内なの!?」


 まさかの無駄な犠牲‥‥。

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