前世
誰しもが思ったことがあるのではないだろうか。
もしも異世界へと転生出来たらと。
そして異世界転生する際に最強のスキルを手に入れ、女の子達に囲まれたハーレム暮らしがしてみたいと。
または最強の武器を持って転生し、いきなりの無双を繰り広げたり。
しかし、もしも異世界に行けても何も無いまま転生してしまったらどうなるのでしょうか、、、
*
はぁ、はぁ、はぁ、
タッタッタッと全力で路地裏を走る1人の青年と
「おい!このクソガキ待ちやがれェ!!」
ダッダッダッとその青年を追いかける黒づくめの男達がいた。
「はぁ、、、はぁ、、、なんで、こんなことになったんだっけ、、、」
酔っていたせいであまり記憶がない、、、
うぅー、、、「ドン!!」
思い出そうと必死に考えていると目の前の壁にぶつかった。
「イテテテテ、、、」
は!?
そうだ!確か俺がいつも行くキャバクラで始まった。
だいぶ前に大学の先輩にオススメと言われ最近よく行くようになったキャバクラがある。
俺は初めてそこに入って一目惚れした女性がいて、いつもそこに行くたびその子を指名していたんだ。
そして今日バイトで失敗してどえらい怒られかなりムシャクシャしてた俺はそれを忘れようといつもより大量の酒を頼んでは飲んでいたら次第に気分が良くなっていったんだ、そして気分が良くなった勢いでその子に告ったんだ、そして何故かオーケーされさらに気分が良くなった俺はその子をお持ち帰りした、、、
いや、する途中に突然黒づくめの男達に囲まれ現在に至る、、、
そして今現在の状況は最悪なことになっている、なんと逃げ場がもう無いのだ。
「クソガキがァ!うろちょろ逃げやがって、だがもう逃げ場はねぇぜ」
そう言って黒づくめの男達が近づいてくる、そして青年は必死に逃げ場を探しているが、もはや袋の鼠だった。
「ヒィ!!お、お助け、、、グボォ!?」
虚しくも腹にパンチを入れられ一瞬で気絶させられた。
その後青年は黒づくめの男達によって運ばれって行った。
それから数時間後
うぅー、あれからどうなったんだ、、、
ジワリジワリと殴られたところが痛んでいた。
だがそれ以前に体が動かない、そして首から下が冷んやりと冷たい。
まさか!俺、死んだ!?
青年がパッと目を開けると目の前にさっきの追いかけてきた黒づくめの男達がいた。
「ヒィ!?」
な、なんで!?
あ、俺まだ死んで無い、、、
「よぉ、目が覚めたかクソガキ。てめぇよくもお頭のお嬢に手を出したなァ?あぁ?てめぇみたいな軟弱な野郎がお嬢に合うわけがねぇ!なのにお嬢もてめぇに気があるみてぇだ、だが俺は、いや俺達含めお頭も否定している!よって!てめぇには消えてもらう!」
やばい、、、逃げなきゃ!!
そう思って体を動かそうとするがビクともしない。
体を見るとなんと青年はドラム缶に入りコンクリートづけになっていた。
よく昔のヤクザ映画である状態だ。
「い、命だけは!!」
必死に命乞いをするものの、、、
「いいや、その命が目的だ、あばよ」
そう言ってドラム缶を蹴り押した。
そのすぐその後ろには海があった。
そして大きい水しぶきをあげ青年はドラム缶ごと沈んでいった。
あぁ、、、これが俺の最後か、、、人生まだまだこれからだっていう時期なのに、チクショウ!!こんなかっこ悪い最後だなんて、どうせならもっとかっこよく死にたかった。
冷たい、、、
暗い、、、
苦しい、、、
さ、、み、し、、、い、、、
そして彼、青年は意識を失った。