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#000「一日を丁寧大切に」

アラン「あぁ、キレイな朝焼けだ。ハーブたちも喜んでる。……今日は果たして、どんな一日になるだろうなぁ」

  *

コユキ「ヒャッ」

リツコ「どうしたの、小雪ちゃん。あらあら。怪我は無い?」

アラン「どうしたんだい? あぁ、カップが」

コユキ「ごめんなさい、淀川さん」

リツコ「待って、小雪ちゃん。触っちゃ駄目。あたしが塵取りと箒を持ってくるから」

アラン「頼んだよ、阿笠くん。――指を切ったりしてないかい、宮部くん?」

コユキ「大丈夫です。あの、淀川さん」

アラン「謝る必要は無い。故意に割った訳では無いのは、一目瞭然だからね」

コユキ「でも、お店に迷惑を掛けてしまって申し訳ないです」

リツコ「誰だって失敗するものよ。そうして、だんだんと学んで成長していくの」

アラン「そう。それにカップなら、また買い直せば良い。――お客さんだ」

リツコ「ここの後片付けは、あたしに任せて」

コユキ「あっ、はい。お願いします。――いらっしゃいませ」

  *

ケイゴ「お邪魔しまぁす」

アラン「邪魔するなら帰れ」

ケイゴ「それじゃあ、お暇して。いやいや。常連を追い返さないでくださいよ、マスター」

アラン「仕事は、どうした?」

ケイゴ「息抜きですよ。リフレッシュ・タイム」

アラン「まったく。学生時代から変わらないな、西野くんは」

リツコ「亜嵐さん。お頼まれの物、買って来ました。――あら、桂梧くん」

ケイゴ「こんちは、マドンナさん」

リツコ「桂梧くん。この前、また小雪ちゃんに出任せを吹き込んだでしょう?」

ケイゴ「バイトくんに? そんなこと、あったかなぁ?」

リツコ「とぼけないの。あの子は他人を信じやすいんだから、からかわないであげてちょうだい」

アラン「僕からも、お願いするよ。――はい、いつもの」

ケイゴ「へいへい。二人して、そんな般若みたいな顔しないでくださいな。――いただきます」

  *

アラン「ただいま」

コユキ「お帰りなさいませ。あら? 手ぶらなんですね」

アラン「あぁ。どれも、いまひとつだったんでね」

コユキ「お眼鏡に適うカップが無かったんですか。すみません」

アラン「宮部くんは、何も悪くない。僕は余計な装飾の無い、白い陶器が好みなのだが、どうも今は、そういう物は流行と違うらしい。まぁ、気長に探すさ」

コユキ「明日は見つかると良いですね」

アラン「あぁ、そうだね」

  *

アラン「朝に失った悲しみが、夕方には消えてるくらいのモノが、その人にとって身分相応であるというが、その通りだな。……明日も、いい一日になれば良いけどなぁ」

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