第7話 やれる事をやろう
スロー再生で追う事ができるスピード。
そんなん俺がスキル使う前に終わってまうわ!
俺はセバスチャンに短期で身体能力をあげたいと相談すると思わぬ返答が来た。
「ありますよ、使い魔を従わせるのです。私のようにほら」
セバスチャンはそう言うと、俺に自分の使い魔を召喚して見せた。
「出でよ、我の元へサキュバス、リリス」
おぉ、白い靄の中からショートヘアーのキュートな女の子が出てきた。
コスプレか?こんな幼女にコスプレさせるとか引くわー。
「ちょっと変なこと考えてませんか?彼女は魔物ですよ」
「ふーん、でこれで強くなると?」
「そうです、見ていてください。リリス契約解除して下さい」
リリスはパタパタと、小さな羽を羽ばたかせ、セバスチャンから少し距離を取り、壁際に移動した。
すると、セバスチャンがテーブルの方へと、移動し腕相撲のポーズを取る。
俺は何をしようとしたのか理解し、セバスチャンの手を取り同じ態勢を取った。
「では行きますよ、レディゴー!」
俺とセバスチャンは同時に腕に力を込める。力は五分と五分だ。鍛錬が足りない俺は体力で負けた。
「ま…負けた」
「リリス、契約をお願いします。ではもう一度腕相撲を」
セバスチャンは、もうひと勝負提案するので、俺はもう一度セバスチャンの手を取り、今度は負けんぞと気合いを入れ直す。
「では行きますよ、レディゴー!」
ガッ!
勝負は一瞬だった。俺はなす術なくテーブルに手をつけられていた。
そして、俺は決意する。
「俺も使い魔と契約しゅる」
「キモっ!」
何と俺はセバスチャンの使い魔、リリスにそんな事を言われてしまった。