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第6話 教えてくれ

 セバスチャンの部屋を探す為、城内をしばらく彷徨いたがよく考えると、どれも似た扉だしセバスチャンの部屋分からんわいう事に気付いた。


 俺は扉に手をかけ1室づつ、部屋を開け誰の部屋かを確認して行くことにした。


 「失礼しまーす」


 開ける際にギギギと扉の音がしたので、一瞬ビクついたが起きている様子もないのでそのまま内部へと侵入する。


 俺はベッドで寝ている人を発見した。

 顔が隠れていたので毛布をゆっくりと剥ごうとした瞬間手を掴まれた。


 「キャーーーーー!」

 

 しまった、女性の部屋だったか。

 俺はその後、女性にフルボッコにされ正座で部屋に座っている。


 騒ぎを聞きつけたセバスチャンが部屋へと押しかけて来たので俺はセバスチャンに泣く泣くすがりついた。


 「おぉ心の友よぉ、来てくれてよかった」


 それを見ていた部屋の女性は若干引いていた。

 セバスチャンはどうしたのかと俺に訪ねてきた。


 「一体どうしたんですか?君は王女の部屋にいたはずじゃ……はっ!王女だけでは飽き足らないと」

 「違うよ、セバスチャンを探してたんだ」

 

 セバスチャンはその言葉に身を震わせて自分の肌を守るようなポーズを取った。


 「おい、やめれ。セバスチャンに聞きたい事があるんだけど去年の闘技の映像とかって見れないの?」

 「ありますよ。そういう事でしたらどうぞ私の部屋に、お茶くらいでしたら用意も出来ますので」


 あんのかよ、駄目元で聞いたんだがよかった。俺は情報収集する為、セバスチャンの部屋へ移動した。

 セバスチャンの部屋は3つ先の部屋であった。

 あと2回成功していれば、こんな事にはならずに済んだのに何たる失態。


 セバスチャンの後に続いて入ると、さすが執事と思えるような気品溢れる部屋の飾りがされていた。


 「おぉ、さすが執事って感じ」

 「いえ、私は執事ではなくあなたと同じ召喚された勇者です」

 「はあああぁぁぁ?」


 セバスチャンは咳払いをして言直す。


 「私も勇者なのです」

 「まじですか、じゃあ俺の聞きたい事は分かるか?」

 「はい、私は王女以外は全て美味しくいただきました」

 「誰もそんな情報聞いてねーし!聞きたくもない情報ありがとよ!俺が聞きたいのはお前は何のスキル授ってんのかって事とどこの国から来たかって事だよ!」


 俺は怒鳴りながら言葉を荒げた。


 「あぁそっちですか、私はイギリスから来てます。スキルはチャームスキルです。王女は何故かチャームできませんでしたが他の人はね」


 「ねっ。じゃねーよ、アホか。それじゃ勝てるもんも勝てんわ。して、どうやってその身体能力は手に入れた?」

 「これは努力の賜物です。しかし、勇者のスキルには遠く及びません。まずはこの映像をどうぞ」


 セバスチャンはそう言うとテーブルに大きな水晶を起き、その上に円盤を置くと映像が壁に映し出された。


 ったく、こいつそもそも得体の知れないとかって俺を追い出そうとしてたじゃねーか。何か思い出したら腹が立ってきた。

 

 まぁいい。今は試合に集中……


 「無理だ!俺がスキルを発動する余裕がない。セバスチャン瞬殺じゃねーかよ!相手の動き見えたのか?」

 「いいえ、全く。何をされたのかさえ……スローで再生してようやく理解しました」


 俺はその言葉に絶望した。


 

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