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赤鼻のトナカイ

作者: 幌雨

ミニスカ!!?ミニスカなの!?


※'21/6/4 読みやすくなるように改稿しました。

 おはようございます。中井です。

 夏頃、宝くじでそこそこの額が手に入りました。

 とりあえず勢いでバイトを辞めて実家を飛び出し、実家よりもさらにクソ田舎、殆ど人が住んでいない場所にただ広いだけの家を買って庭で野菜を育てたりする日々です。


 早いもので、それから半年が経ちました。


 雪でどうにも土いじりができなくなってしまったので、俺は離れの脇に煉瓦を積んでピザ釜を作っていた。

 初めての作業はなかなかに大変で、ようやく1メートルくらい煉瓦を積めたところ。今の所、ピザ釜というよりは地面から生えた煙突のようだ。


 だからだろうか。


 今年も残すところ一週間となったある朝、その作りかけのピザ釜に入ってバンザイ状態で身動き出来なくなっている赤い服の女性を見たとき、「ああ、そういえば今日はクリスマスだったな」なんて思ったのだった。


「あの、何を、されているんですか? その……そんな所で」


 恐る恐る声をかけると、びくり、と顔を上げて彼女は俺の目を見た。その顔は寒さと恥ずかしさで真っ赤だった。美人をイジメてるみたいな感じで何というか少しだけ興奮する。少しだけだ。


「何をされているのですか?」


 返事がないのでもう一度聞いてみる。

 ややあって、女性は観念したように口を開いた。


「あの、私その、サンタクロースをやらせていただいている者なのですが」


「……はあ」


 彼女の服装はバイト時代俺も着たことがある例のアレだ。俺にとってクリスマスから年末にかけては大事な大事なかき入れ時だった。それ以外の何かであった事はない。察しろ。


「私、最近この辺りの担当になったのですが、この辺りって子供が全然居ないでしょう?」


「子供どころかまず人間が居ませんよね」


「そうなんですよ!それに最近の家って全然煙突がないんですよ!」


「はあ……?」


 力説されたが、要領を得ない回答に困惑する俺だった。

 

「で、どうして君はそんなところに?」


 正直彼女が何を言っているのか分からないので聞き返してみると、羞恥で顔を真っ赤にした彼女は観念したように口を開いた。


「……こちらの煙突を発見して居ても立ってもいられなくなって飛び込んだら挟まって動けなくなってしまいました!!」


 うん、わからない。


「なぜ、そんなことを……」


「そ、そりゃ、サンタとしての習性ですよ!私ずーっとどこにも入れなくて相当溜まってたんです!」


 溜まってたんですか。大変ですね。


「こんな立派な煉瓦の煙突、近頃なかなか見ないですよ!」

「ピザ釜ですけどね」



「……は?」



「それ、煙突じゃないです。作りかけのピザ釜です」


 俺の言葉に明らかにショックを受けた様子の彼女は、先程までの真っ赤な顔から打って変わって蒼白になってしまった。


「ピザ釜の、煙突?」


 涙目で確認。しかし残念ながらそれが真実だ。残念ながら。


「いえ、ピザ釜です。もう少し積んだら、上に蓋をして完成です」

「え、煙突は!?」

「まあ、つけますけど」

「ですよね!!」


 何故嬉しそうなんだ。煙突ジャンキーか。


「つけますけど、せいぜい握り拳くらいの大きさですよ」


「そんな!!それじゃ入れないじゃないですか!!」

「いや、入るなよ」


 思わずチョップでつっこみを入れてしまった。いたっ!と小さくかわいい声を上げた。もう一回やりたい。


「だ、騙しましたね!!?善良な顔して!」

「誤解です」


「五回もですか!あ、もしかして私が急にこの辺りの担当になったのはあなたがこの罠で先代を捕獲したからですか!?」

「おまえは何を言っているんだ」


「罪もないサンタを捕まえてどうしようって言うんですか!お、脅しても無駄ですよ!プレゼントはあげませんから!いい子にしかあげないんですからね!」


 どうしよう。言葉は通じているのにコミュニケーションがとれている気がしない。


「とりあえず――」


 俺は興奮する彼女を手で遮って。


「取り敢えずそこから出ましょう。両手をあげてください。引き抜きますから。あ、セクハラだとか言わないでくださいよ?」

「よろしくお願いします」


 僕の言葉に、彼女はすんなりと両手をあげたのだった。






 思いの外ぴったりとピザ釜に挟まっていた彼女を引き抜くのには相当苦労した。

 これ抜けなかったら折角ここまで積んだ煉瓦を崩さなきゃダメなのかなあ、なんて考えたりもしたが、どうにか引き抜くことができて本当によかった。


「落ち着きましたか?」

「はい、すいません。お茶まで出していただいて」


 俺たちはいま居間にいた。純和風の六畳間。サンタ服姿ではやや浮く。家だけはデカいので洋風の客間もあるにはあるが、とても誰かを入れられるような状態ではなかった。広いだけのボロ屋敷だけどこの部屋だけは念のため優先的に綺麗にしてある。不審者とはいえ女の子を通せるのはここだけだ。


「赤羽です」


 無言。十秒ほどたって、それが彼女の名前だと気づいた。名乗られたからには、こちらも名乗らないわけにはいかない。


「中井です」



 改めて彼女を観察してみる。

 今は僕の正面に正座して、所在なさげに視線をうろうろさせていた。顔はまあ、最初に見たときにも思ったけど整っている方。歳は、女子大生くらいか?僕よりはちょっとだけ年下に見える。

 

「このたびはご迷惑をおかけしまして…」

 

 サンタ服の赤羽さんは僕の視線に気が付くと、そういって深々と頭を下げた。


「本当にね」


 思わず小さく噴き出してしまう。

 おっと、少しイヤミだっただろうか。どうせ何の予定もない身、この程度の迷惑なら実際なんという事もない、なんて思えるのはきっとこの子が可愛いからだな。それは認めざるを得ない。

 もしこれが脂ぎったオヤジだったら、俺は声をかけることもせず国家権力に縋っていただろう。


「なんだってピザ釜に入ろうと思ったの?」


 俺の問いに小さく「煙突…」と一応の抵抗を見せたが、返ってきたのは外で聞いたのと同じ答えだった。


「や、そういうのはいいから」

「本当なのに!」


 頭のかわいそうな娘なのかな。


「まあいいや。それ飲んだら帰ってよ?」

「すいません、いただきます」

 

 そう言ってお茶に口をつける。もうすっかり冷めて湯気も出ていないが飲み頃ではあるだろう。

 

 しかし……見た目はかわいい娘だから下心がむくむくと立ち上がってこないではないが、それ以上にヤバいセンサーが反応してそんな気分になれなかった。俺がヘタレなのは否定しないが。


 あまりに観察するような目を向け続けたせいか、湯飲みから口を離した彼女は意を決したように口を開く。


「あの、外でソリ見ませんでしたか?」


 サンタでソリとはまた随分気合いの入ったコスプレだな。


「見てないなぁ」

「そうですか……まったく、能登ちゃんてばどこに行っちゃったんだろう…」


 顎に手を当てて考えるポーズを取ってはいるがあれはこっちの言葉を誘導しているのに違いない。能登ちゃんとやらを一緒に探して欲しいのだ。その証拠にさっきからちらちらとこっちを見ている。


 やれやれ。


 どうせやることなくてヒマだしな。


「その能登ちゃんてのを一緒に探せばいいのか?」

「良いんですか!?」


 食い気味で返ってきた。言うまで帰らないつもりだっただろう、お前。





 と言うわけで、俺たちは「能登ちゃん」を探すことになった。ソリを引いているらしいから、きっとトナカイの格好でもしているだろう。きっとすぐに見つかるさ。


 外に出て辺りを見渡してみる。

 雪が積もってはいるが俺達の足跡とタイヤ痕ばっかりでソリらしき形跡は見当たらない。


 敷地から出て少し行ったあたりで、俺たちはようやくそれっぽいものを見つけた。象の足跡みたいなくぼみと、その両脇に一本線。能登ちゃんてのは着ぐるみでも着てんのか。気合い入ってるな。足跡は山の方へと続いている。


「外でタイミングを見計らっていると最近は警察さんがすぐ来ちゃうんですよね」

「こんなご時世ですから、素朴なプレゼントをお願いする子ってすごいかわいく見えるんですよねー」

「よかれと思って手作りの木のおもちゃを用意してもあんまりウケませんね、最近は。みんなプラスチックのほうがいいんですよ、プラスチックの方が」

「子供が寝静まった頃をねらって家に行くとですね、その、両親さん達が盛り上がっちゃってたりする事があるんですよね、クリスマスですから」


 その足跡を追って歩いていく道すがら、彼女は売れない芸人が考えたサンタクロースあるあるみたいなネタを披露し続けた。たまに笑えるのもあったが、大半はくだらない。一応付き合いで笑ったらとてもかわいい笑顔が返ってきたで悪くなかった。キャバクラかな?


「この足跡を追っていけば普通に能登ちゃんと会えると思うんだが」

「ですかねぇ」


 そうは言っても女の子をひとりで放り出すのは忍びない。そもそも人の居ないこの辺りで不審者に会うこともないだろうが、その代わり熊とか出るかもしれないからな。あ、今は冬眠してるのか?って、そういえばこいつが不審者だったな。


 などと思っていると、足跡は予想通り山の中へと入っていった。


「うーん……能登ちゃんはお前を置いてどこに行くつもりなんだ?」


 足跡を追って山に入る。これはついてきて正解だった。

 冬山は怖い。間違ってもこんなサンタコスの女子大生(?)を放置していいような場所じゃない。

 俺だってまだ田舎暮らし半年、冬は初体験の身だが危ないことぐらいは理解できる。

 

 山道の道幅はソリがギリギリ通れるくらい。しかも雪に埋まっている。片側は崖っぽくなっているので、俺たちは縦に並んで慎重に進む。もちろん俺が前。


「誰か助けを呼んできて、ってお願いしたから、昔の知り合いを呼びに行ったのかも」

「その知り合いってのは猟師かなにかなのか?」


「?」


「なぜそこで首を傾げる」

「え、話してませんでしたっけ?能登ちゃんは…」


 そこまで言いかけて、しかし続きはいつまでたっても聞こえてこない。振り返ると、後についていたはずの彼女の姿はなかった。


「……マジか」


 少し戻ると、斜面の雪が乱れているところがあった。足を滑らせてここを滑り降りていったのだろう。

 

「マジかぁ……」


 追いかけないとヤバいよな。遭難するかもしれないし。

 俺は意を決して、彼女を追って斜面を降りた。



 斜面の途中で彼女が被っていたサンタ帽を拾った。手で持っていると邪魔なので、自分のニット帽の上からそれを被る。かなり暖かい。


「ったく、どこまで落ちていったんだよ」


 そんなに高くは登っていなかったはずなのだが、どうやらこの辺は谷になっているらしく、かなりの距離を滑り降りて行ったようだ。

 積雪はあるが雪が降っていなくてよかった。彼女が目立つ真っ赤な服を着ているのもポイントが高い。一面の白の中から彼女を見落とすことはないだろう。たぶん。


 そしてそれはその通りだった。谷を下りきった木のそばで倒れているサンタクロースを見つけた。気を失っているようだ。木に激突して止まったのかもしれない。


「いたいた。おーい、生きてるか?」


 俺は彼女を抱きかかえて声をかける。時折うーんと声を上げるから死んではいないようだが、目を覚ます様子もない。

 

 ……どうしよう。このままここに置いていくわけには行かない。とはいえ彼女を抱えて今きた坂道を登っていくのは厳しい。かといってこのあたりの地理に詳しいわけでもないので別のルートでは帰れる保証はない。


 困ったな。



 どうすればいいのか迷っていると、ぬっ、と俺たちの上に影が差した。


 振り返るとそこに熊が立っていた。


 あれ?ちょっとまって?なんで熊?冬眠は?


 助けを求めて辺りを見渡しても当然誰も居なかった。幸い熊は警戒しているのか動かないが、いつ襲ってくるかも判らない。

 正直俺は死を覚悟した。視界の端に、それを見つけるまでは。


 俺が見つけたもの。それは、ソリだった。ということは、あれだ。これは、あれだ。


「もしかして能登ちゃん?」


「んあ、なんやワレ、ワイのこと知っとるんか」


 猟師のイメージ通りの野太い声が帰ってきてほっと一安心。もしこれでこの熊が能登ちゃんじゃなかったら、爪でばさーっといってたとこですよ。そしてきっと本物の能登ちゃんもこいつにやられてますよ。


「あ、ああ、彼女、赤羽、さんと一緒にあなたを探しに来たんだ、です」


 しかし能登ちゃん、かなり気合いの入った熊の着ぐるみを着ている。もう本当にリアルに熊にしか見えない。動画サイトで見たおっさん臭い熊の方がまだ人間に見える。


「なんや、結局お嬢人間に見つかってしもたんか。やっぱりワイがぶちかまして煙突ぶっ壊すべきやったな」


「ちょ、やめてくださいよ、アソコまで積むの苦労したんですから」



 なにしろ能登ちゃん、いや、能登さんはデカい。自然と丁寧語になると言うもの。これでも精一杯の抗議だった。


「わーっとるわーっとる。せやからお嬢もワイに手伝い探せ言うたんやからな」


 能登さんは言いながら、ソリの上の荷物を着ぐるみの手で器用に端に寄せていた。空いたスペースに毛布を広げる。着ぐるみのあの腕で良くやるわ。


「ワレちょっとお嬢をここに乗せてくれへんか」

「あ、ああ、オッケーです」


 断る理由はない。

 気を失ったままの彼女をソリに乗せ(ちょっとダメっぽいところに触ってしまったが不可抗力だ)、それを引きずってとりあえず家まで戻った。


 能登さんは見た目通りのハイパワーだった。着ぐるみなのにソリを引いたまま器用に山を登った。さすがは猟師だ。いや、猟師ってのは完全に俺のイメージだけど。


「あがってください」

「いや、遠慮しとくわ。ワイ、こんなんやし」


 能登さんは着ぐるみの身体を広げて言う。


「あ、すいません。もっと早く気がつけばよかった。それ、ひとりでは脱げないんですね?手伝いますよ?」

「?」


 何故そこで首を傾げるんですか?


「脱ぐって何をや?」


「なに、ってその熊の着ぐるみ以外何があるんですか」


 そこで、能登さんは何かに思い当たったようだ。


「なんや、お嬢の帽子被っとったから色々聞いてんねやと思っとったわ。悪いな兄ちゃん。これ、脱がれへんねや」


「脱げない、って。だから手伝いますよ?」


いうと、能登さんの熊の顔がニヤリ、と笑った。すごいな、最近の着ぐるみは。


「兄ちゃんちょっとその帽子脱いでみ?」


「……はあ」


 言われたままに帽子を脱ぐ。


「グルル」


 能登さんが熊みたいな声で唸った。


「やだなあ、能登さん、なにフザケてるんですか」

「グルル」


 熊のものまねが上手い。


 能登さんがジェスチャーで帽子を被れと言っているようだったので、もう一度帽子をかぶってみる。


「と言うわけや」

「はあ?」


 正直わからない。何が「と言うわけ」なのか。

 

 

 丁度その時、玄関先の気配に気づいたのか、いつも寝てばかりの同居人が珍しく表れた。


「おっ、中井ちゃんその帽子どったの?イカしてるう!」



  !!!!!?



 耳を疑ったね。俺の同居人はこんなことを言う奴じゃない。

 いや、だってそもそも、人間じゃないし。

 犬だし。

 さすがに初めての一人暮らし、寂しくないように保健所で処分されそうになっていたのを連れてきたのだ。


 能登さんを見る。

 能登さんは再びにやり、と笑った。その口からリアルな牙がのぞく。リアルすぎる着ぐるみだ。能登さんは着ぐるみだ。能登さんは着ぐるみだ。


「ワイ、熊やで」


 ひゃあああああ!!!


 今まで出したことのないような、変な声が出た。





 驚くべき事に。

 自称サンタの赤羽さんはサンタだった。


 その彼女、サンタの赤羽さんと彼女がパートナーとして山で見つけてきたソリ牽引役の能登さんが並んで玄関先に立っている。向かい合うように俺、と飼い犬のクロス。

 赤羽さんはあの後和室に寝かせていたが、三十分ほどで目を覚ました。目立った怪我も後遺症も無さそうで何よりだ。

 

 

「それでは中井さん、お世話になりました」


 赤羽さんが深々と頭を垂れた。


 ちらり、と能登さんをみる。何か言っているような気もするが、帽子を返してしまったのでぐるる、と唸っているようにしか聞こえない。それを聞いてクスリと赤羽さんは笑った。

 

 何の話をしているんだろう。ひょっとして秘密を知った俺を始末しておくか?とか?それに笑顔で答えるサンタ、怖すぎる。

 

「大丈夫ですよ。能登ちゃんは人を襲ったりしませんから」

「ぐるる」


 俺の不安を察したのか、能登さん優しげなうなり声をあげた。いやこれは、安心していいのか?


「でも何で熊なんだ。普通サンタの相方はトナカイだろ?トカナイは日本にいないかも知れないけど、鹿で良いじゃないか」


「ソリを牽くんですから、パワーがあった方がいいでしょう?」


 赤羽サンタが御者台に座って、その前に轡で繋がれた熊の能登さん。絵面がシュール。たしかにパワーはありそうだ。


 「それでは、さようなら!」


 赤羽さんがハンドベルを鳴らし、シャランと軽い音が響く。と、ふわり、とソリが宙に浮いた。マジか。


「できれば今日あったこと、誰にも話さないで頂けるとうれしいです」


「話したところで誰も信じないだろうけどね」


「そうですね」

二人して苦笑いだ。心なしか能登さんも笑っている気がする。


「またおいで。来年は君が入れるくらいの煙突を作っておくから」


「良いですけど、プレゼントはあげませんよ?中井さんは子供じゃないんですから」


「…いいよ。プレゼントが欲しい訳じゃない」


じゃあ何だ、て話だが。


「考えておきます」


 最後にまた笑って、彼女の乗せたソリはハンドベルの音を響かせながら空に消えていった。



 夢でも見ていたんだろうか。

 本当のことはなにもわからない。

 隣の同居人に聞いても今はいつも通りハッハッと浅い息をするだけだ。

 俺は彼女が消えていった空をしばらく見送ってから、飼い犬と一緒に家に戻る。



 ――しかし、だ。


「あんな風に飛んでいくんならやっぱりパワーとか要らねえんじゃねえの?」


 俺の独り言に、クロスがワン、と小さく吠えて返した。





登場人物の中では能登ちゃんが好きです。ご意見ご感想評価誤字報告お待ちしておりまーす。

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