表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

3章

あまり深く寝てはいなかったようでまだ5時限目まで5分ある。やはりあれだな。昨日見たフジテレビ毎週木曜24:50からの番組が詰まらなかったから気づいたら寝落ちしてたのが影響してるんだな。フジテレビ毎週木曜24:50からの番組がアニメということはあえて言わないでおこう。普段は面白いんだがな。どれぐらい面白いかと言うと、深夜に一人でテレビの前でニヤニヤしてる気持ち悪い人間をつくれるぐらい面白い。

まあ声に出して笑い迷惑をまき散らす低能よりは何倍もましだと思う。


そう言えば夢を見ていたような気がするがなんの夢だっただろうか。

周りの喧騒が妨害してうまく思い出せない。騒ぐことによって自分の頭の悪さをアピールするのは自由だが、こちらが迷惑を被るので本当にやめて欲しい。俺が我慢強くなかったらとっくにあの低能どもを殺害してたことだろう。低能どもは俺に感謝して自発的に奴隷にでもになって欲しい。肉体労働とか向いてそうだし。鞭で殴るぐらいやってもばちは当たらなそうだし。

一向に夢の内容が思い出せない。多分今の俺にはどうでもいいことなんだろう。

夢と言うのは自分に有益だったり、強く意識しているものが出たとき以外はほとんど忘れてしまうものらしい。

夢に関しての考察はここで終わり。

もうそろそろ授業が始まる。次の時間は日本史である。

先人の生き方を聞くのはわりと好きだ。自分の生きたい世界を作り、動かし、そして完全実力主義。まあ日本史の時間は寝てるのが多いから静かだからという理由がなくもない。

日本史の教師は白髪交じりの中年男性だ。


何と言うか覇気やオーラは微塵も見られず、それどころかけだるげに授業をしている。

寧ろこなしてる。それもしかたない。何しろクラスの半分以上、正確に言えば八分の五が寝ているからだ。しかし悪循環である。中年教師は教え方が正直下手だ。文系の俺が以前この教師に教わって赤点を取ったのだから間違いない。話しかける練習とかして、なけなしの勇気を振り絞って聞きに行ったのにな、、、。

そのため生徒達から好かれておらず、授業は乱れ、授業内容も進歩しない。

まさに負のスパイラル。只今負の螺旋階段から転がり落ちてる真っ最中だ。

さっき寝てなければ俺も寝てたであろう。いや、もう俺も寝たい。低能と同じ行為をするのには気が進まないが、俺は別に授業が嫌いな訳ではない。そこが低能とは違う。やはり俺は低能とは一味違う。ではなぜ寝るのか?絶望的に詰まらないのだ。基本一人でどれだけでも時間を潰すことができる俺が言うのだから間違いない。

潰せる時間は有益だと俺は思う。潰した時間でも学べることがあるからだ。

俺は本の誤字脱字を発見したことがある。生涯の自慢である。

なけなしの勇気振り絞って出版社に電話したら、もう改訂版でてたんだけどさ。死にたい。


することもないので外を眺める。右肘を机にあてがい、右手を立てそのまま頬を預ける。お得意の頬杖である。ほんとそろそろ痣になりそう。

最近聞いたが遠いところをぼーっと眺めるのは近視予防にいいらしい。自主的にそれをやってた俺はかなり目に優しい人間と言える。

なんだ俺優しいところあるじゃん!見直したよ!


頬杖をし続け早5分。まだ5分しか経ってないのかよ。

体重かけ過ぎて奥歯が痛くなってくる。あぁ折れないか心配だ。歯医者の定期検診行くか。

しかし医者と看護師が話しかけてくるのが気に食わない。と言うかやめて頂きたい。

歯のライフポイント回復しにきてるのに心と頭のライフポイント削られるから。

話しかけられるだけでライフポイント減るとかどこの雑魚キャラだよ。ほんとだよ。

無言と静寂こそ正義だと思いました。まあゲームの主人公とか喋らないしな。


カツカツ とチョークが黒板にあたる音のみが教室内に響く。


、、、 カツカツ とチョークが黒板にあたる音のみが教室内に響く。



、、、、、、、、、 カツカツ と、、


あの教師とうとう説明も放棄したか。ここまで来ると潔いな。見習おう。そして俺は静かに瞼を閉じた。


チャイムの音で目覚めた。意外と目覚めがよく自分でも驚いた。なにか下らない論理でも打ち立てて暇を潰そうかと考えたが、脳がうまく働かなかった。しかし周りが静かなため頭は至ってクリアだ。頭がクリアって言うとなんか薬キめてるみたいだな。

「本でも読むか、、、。」

俺は机の中から数冊の本を取り出す。表紙を開く。思わず口元が綻ぶ。天使のような微笑みを零す。この時のために生きてきたと思える瞬間だ。


あー、まったくブリキさんの絵は最高だぜ。肌の質感とか、もう。

周りのJK(笑)とは比べものにもならない。 ビュヒヒッ。

思わずなんか変な笑い声が出てしまった。

こんな時のためにやっぱマスクは最高だな。口元隠してノイズカットとか最高。

あ、最近のは風邪とか予防できるらしいですね。すごいすごい。


そんなこんなでゆったりと本編を読み進める。内容は王道の学園ラブコメ。男と女が乳繰り合うものである。

男と女が時間を重ねるにつれ、互いに、ゆっくりと、想いを重ねる。重ねあう。

これを第三者目線から読み進める俺はさながら神になった気分である。

おっ、挿絵だ。やっぱ神はブリキさんだな。5円玉とか献上したいわ。自販機で使えないし。



そして、俺は異変に気付く。 

教室があまりにも閑散としすぎている。

ためらいつつも首をあげ、周りを見回す。

まあ、察しはついていたが、誰もいなかった。


当然だよな。今体育の時間だもの!

半分自棄になって心の中で叫ぶ。現実で叫ぶとのどが痛くなるし、屑供を彷彿とさせるのでやらない。なんで低能君たちはあんなに叫ぶのだろうか。叫ぶことに存在意義でも抱いてるのだろうか。

はっ、とんだクレイジーバンドマンだぜ。金切声でもあげてろよ。ついでに頭も振ればその低能な元凶の脳味噌がいい具合にシェイクされてエキサイトアンドフライできるぜ。

因みに俺は深夜に中の人たちの声をヘッドフォン越しに聞いただけでエキサイトして興奮できるけどね。低能よりはよっぽどスマートだと自負している。


閑話休題。

はて、どうしたものか。心臓が高鳴る。これがきっと恋だ。多分違う。

我ながら焦ってるようだ。情けない。

ここは勇気を出して決断しよう。一歩の躊躇が命取りとなりかねん。

うむ、、。うーん。  、、、 、、。  よしっ!


俺はいそいそと鞄を取り出す。教科書類を鞄に詰め、筆箱を入れ、最後にお気に入りの本をそっと添える。そしてスッっと肩に鞄をかける。

これは断じて脱走ではない。崇高な任務、俺に課せられた謂わばミッションのようなものである。俺のミッションはポッシブルって信じてます。


極力、音をたてないように教室後部のドアを開ける。誰もいないとわかっていても教室前方には行き辛い。 忘れたい、深くにしまっておきたい記憶が、蘇る。あの視線。

俺は忘れない。

上履きを脱ぎ、中腰で滑るように移動する。気分はさながらスリラー。背徳感と相まってなかなかの心拍数の上昇率だ。今優しくされたら吊り橋効果で惚れちまうぜっ、、。


とそんなことを考えてると第一関門イベント発生。生徒相談の教師が部屋から出てくる。

小刻みなステップでトイレの壁の陰に隠れる。コツコツとヒールの音が廊下に響く。共鳴したかのように俺の心臓も音が響く。

暫く一人でドキドキしているとヒールの音が消えた。

ふぅ、うまく巻いたぜ。


なんかかくれんぼみたいで童心をくすぐられるな。

次の関門がなにか、意外と楽しみだ。ポケットのカッターを握ってひんやりとした感覚で気を落ち着かせる。普段からからまれた時用として持っているのだ。使ったことはないが。


その後特に何もなく、校舎外に脱出できた。うん。


ま、わかってたけどね!?サバゲーっぽいし楽しそうなんて、思ってないんだからねっ!そこんとこ勘違いしないでよねっ!


ツンデレ台詞言ってもたのしくねえな。やめよう。

国道にそって一人歩く。1台、また1台と走り去っていく車が少し羨ましい。信号待ちの列を抜かしてエンジンを吹かしてる奴は転倒すればいい。ヘルメットつけてないから頭吹き飛びそうだし。まああの金髪のボッサボッサの髪が守ってくれるといいけどな。


現在時刻3時17分。このまま帰れば相棒の再放送に間に合うな。

頭の緩そうなDQNとかが犯人で捕まりそうなら絶対見よう。

水谷さん頑張って!


程無くして帰宅。現在時刻3時26分。家には誰もいない。深く俺はため息をつく。

ほんとは誰もいないのだからいくら騒いでもいいはずなのだが、いつもの癖である。

俺は自室に入ると、ほぼ倒れるようにしてベッドに身を投げた。

やはり低能に囲まれて生活するのは疲労が蓄積する。微妙な苛立ちと名状し難い感情を押し殺し俺は意識を遠のかせる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ