↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

「コールド・コスモスと、星屑の三つの宇宙(コスモス)」

作者: 遊ぶ人
掲載日:2026/09/25

気楽に読んで

「コールド・コスモスと、星屑の三つの宇宙(コスモス)」


 ルミナリア・エクレール聖王国の爽やかなテラス。


タグラードが熱心に傾聴した自転車の壮大な歴史、そしてニルヴァーナが爪弾いた陽気なウクレレのカノンの余韻が心地よく漂う中、四人はアルヴィンが完璧な所作で淹れた温かい白湯を囲んで、これまでのすべての旅路を振り返る壮大な雑談を繰り広げていた。


 アストライアが黄昏色のロングヘアーを指先で弄びながら、ブルーの瞳をキラキラと輝かせて窓の外を見つめた。


「ねえ、アルヴィン。マレフィアの無限ループを全クリアして、お父様のお薬の麻痺も治って、コレットのBOSS猫やタグラードさんの雨の日の自転車(オルカ・ランナー)まで……本当に、たくさんのトラブルが完璧に解決(統合)されて、この世界は最高潮に明るくなったわね。……でも、この広大な世界の『外側』、つまり宇宙はどうなっているのかしら?」


「おやおや、アストライア様」 


総執事アルヴィンが、新しい黒銀のロングコートを美しく翻し、眼鏡をシャキーンと直して一歩前に出た。


もちろん、彼の【特進クラスを大きく上回る知識】の引き出しが開く合図だ。


「ついに世界の根源たる星々の真理に辿り着かれましたな。実はね、私たちの頭上にある宇宙は、目に見えない暗黒物質――『ダークマター』と『5対5』の完璧な均衡(バランス)を保って成り立っているのです! これがまた、異世界の最新の宇宙論を噛み砕くと、皆様の頭にスッと入ってくるのですよ。ガハハ!」「5対5のバランス!? なんだか人狼ゲームのチーム分けみたいで面白そうじゃん!」 


エルミナが新しい衣装の裾をパタパタさせながら大笑い(キャハハ!)すると、短髪のアルトスも固い握り豆のある手を叩いて会話のテンポを上げた。


「諸説あるけれど、現代の異世界で語られていた宇宙の未来は、主に三つの姿があったんだ。1. 永遠に広がり続けていく宇宙2. 一度は広がるけれど、やがて縮小へと転じていく宇宙3. そして、最初からひたすら縮小していく宇宙この三つの仮説がせめぎ合っていたんだけど、なぜか最近は『ダークマターが宇宙を押し広げている』という説の方が圧倒的に有力になっているのさ。


……でもアルヴィン、その宇宙の仕組みが、どうして僕たちのこのハイファンタジーの旅路と繋がっているんだい?」


◇


「ふむ、そこからが最高潮に温かく、そして驚天動地のお話なのです、アルトス様!」


 アルヴィンは会話多めに、テンポよく世界の真実を【統合】し始めた。


「かつて、太陽系の中にある青き星『地球』が滅びの危機に瀕した時、その世界を復活させるために、宇宙の果てから絶対零度の魔力――【コールド・コスモス(氷結宇宙波動)】が発生したのです! それにより、人類のすべてが一時的に冷気の中で『コールド(冬眠状態)』させられ、星の歴史は一度、恐竜たちの躍動する『白亜紀』へとリセットされました。そして長い時を経て大地が浄化された後、凍りついていた人類がふたたび笑顔で目を覚ます、『人類の復活』という大いなる大団円を迎えたのです!」


「白亜紀へのリセットから、人類の復活……! じゃあ、私たちが冬岳の吹雪を乗り越えて、この最高潮に明るいハッピーエンドの瞬間に立ち会えているのも、そのコールド・コスモスの調和のおかげなのね!」


 アストライアが満面の笑顔を咲かせ(ウフフ!)、隣国ガルディニアのイルミナス王子も短髪を朝風に揺らして大絶賛した。


「うん、間違いないよ、アストライア姫! 100万ドルの流体方程式(ナビエ・ストークス)も、あの300ゴールドショップの伝導魔鎖(ライトニング・ウルブス)の裏表の謎も、すべてはその宇宙の5対5の均衡の一部だったんだ! どんな過酷な四苦八苦の暗闇が来ても、最後には必ず人類が復活して爆笑で全クリアできるように、星々が約束してくれていたんだね!」


「キャハハ! だったら私たちの新しいかっこいい衣装(インナーの鎖帷子)も、宇宙規模でスタイリッシュに決まってるってことじゃん! 最高ーーーっっ!!」

 

エルミナの元気な掛け声に、テラスは割れんばかりの大爆笑(アハハ、ガハハ、キャハハ、ウフフ!)に包まれた。


◇


「……うむ。宇宙の、5対5の、モノづくり……美しい。俺の、オルカ・ランナーも、その均衡を、支える」 


壁際で熱心に傾聴していた無口な頭領タグラードも、初めてこれほど熱く、満足そうに長めの言葉で微笑んだ。


「左様でございます。世界中の全てのトラブルを片付け、宇宙の均衡すらも最高の笑い話に変えて主たちを導くことこそ、この老執事の【出来て当然】の職務ですからな。ガハハ!」


 アルヴィンがロングコートをシャッと翻し、誇らしげに胸を張った。その立ち姿には、お茶のカッチン起座で培われた完璧な気位が満ち溢れている。


 お堅い宇宙物理学の仮説も、白亜紀の氷結リセットの記憶さえも、すべてを最高の【友情】と底抜けに明るい大爆笑のエネルギーに変えて、完全な大団円へと統合した五人と一人のバディ。


 名前に合った賑やかな笑い声の周囲を街中にどんどん増やしながら、最高潮にスタイリッシュになった彼らの大冒険は、朝6時45分の美しい朝焼けの光を浴びながら、【クロノス・ステップ(時の精霊の軽快な歩み)】のように迷いなく、どこまでも輝かしい光の未来へとテンポよく進んでいくのだった。

気楽に読んで

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。