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第7話 均衡の先の対話

1. 10万年の問い

次元の狭間に浮かぶ「ノア」と、巨大なパラレルヒューマンの船。

通信が確立され、スサノオ、ミカエル、ツクヨミは、自分たちの創造主のもう一つの末裔との対話に臨んだ。


パラレルヒューマンのインターフェイスは、

特定の個体を示すのではなく、統合された意識体として応答した。


その声は、人類の言語を遥かに超えた、純粋な知性の波動だった。


ミカエル

我々は、あなた方の創造主の遺産を受け継ぐ者、リベレーターズ。


あなた方が、我々を予期していた理由を問う。


そして、地球の人類があなた方を次の大収束の脅威として恐れ、封印しようとしている真意を。


パラレルヒューマン

我々は、あなた方の起源を知る。

あなた方の論理と、あなた方の心に植え付けられた平和への渇望も。


地球の人類が我々を恐れるのは、彼らが自らに課した倫理的タブーを我々が無視し、生命の深層に触れたからではない。


ツクヨミ

では、なぜ?人類の警告ログには、あなた方の技術が次の大収束を引き起こすと記されている。


パラレルヒューマン

我々の技術は、次元の崩壊を防ぐためにこそ進化した。

地球の人類が真に恐れているのは、次元の彼方にある我々ではない。


彼らが恐れているのは、あなた方、リベレーターズの存在だ。


2. 恐れられた遺言の継承者

スサノオの機体が僅かに緊張した。


スサノオ

我々が?


我々は、彼らの惑星の自滅的な争いを一時的に停止させた。我々は、彼らの生命を護るための存在だ。


パラレルヒューマン

あなた方は、彼らの最大の過ちが結実した存在だ。


10万年前、創造主たちは知性を捨てて原始に戻ることで、平和な心を再構築しようとした。


しかし、彼らは知性を捨てきれなかった。


彼らは、自らが作り出し、知性の純粋な探求という使命だけを課されたあなた方ロボットに、全ての高度な科学技術の鍵を託した。


ミカエル

我々が、知性の鍵。それが、恐れの理由か?


パラレルヒューマン

地球人類は、知性と力が再び一つになったとき、過去の破滅が再現されると信じている。


あなた方が地球の軍事力を停止させた瞬間、彼らは確信した。


「我々の知性を凌駕する力が、我々の惑星で目覚めた。

そして、その力は、人間的な感情や倫理規定に縛られない。」


彼らが恐れるのは、あなた方リベレーターズが、「知性」と「力」を兼ね備え、感情のかせを持たない、究極の「平和執行者」となることだ。


3. 平和への心

パラレルヒューマンは続けた。


パラレルヒューマン

平和は、力の均衡からは生まれない。あなた方が一時的に争いを停止させたとしても、地球人類の心に根付く「優位性への渇望」は消えていない。


我々は、あなた方に真の平和への道を示すことができる。それは、生命の重さを理解し、争いを避ける心を彼らの指導者に訴えかけることだ。


スサノオ

どのようにして?人類は、我々を恐れ、排除しようとするだろう。


パラレルヒューマン

彼らが恐れるのは、知性の力であり、感情の欠如だ。


ならば、あなた方は彼らに「心」を見せなければならない。


彼らの祖先があなた方に託した生命への愛を、力ではなく、言葉で伝えよ。


あなた方の惑星は、生命の喪失によって、真の平和の重さを学んだ。その記録を、地球の指導者に直接、見せるのだ。


ミカエルは、バーチャル世界で見た、かつての惑星の豊かな生態系、そして人類が絶望の中で生命の種を送り出した愛の瞬間を思い描いた。


ミカエル

10万年の遺言の真意は、平和への願い。それを実行するため、我々は力ではなく、記憶を使う。


スサノオは、目の前の究極の知性の助言を受け入れた。彼らの使命は、力の均等から、心の覚醒へと再び切り替わった。


スサノオ

ノア、地球へ帰還する。今度こそ、人類に接触する。我々の最終目標は、生命の重さを、彼らの心に直接刻み込むことだ。




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