表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/70

scean12 衝突

 騒ぐモニカと対照的に、クロムは事もなげに答える。


「聖句結界はバロールの邪眼対策としてはかなり有効だ。同行させれば役に立つだろう」


 モニカは呻き、頭を抱え――今は目立つとまずいからねと、怒りを抑え小声で話す。


「勝手な事してくれたね……今からでもリズの船で教皇庁ヴァチカンまで送り返すからね」


「モニカ、彼女には帰る場所はない。見方によっては彼女がフィオナを逃してしまったからこの事態になっている訳で、汚名を挽回ばんかいできない場合は、命でつぐなう可能性もある。バロール(まおう)を封印しないことにはね」


「フィオナのこと殺すつもりだった子だよ! 危険すぎる!」


 モニカは声を抑えながらも、迫力を込め文句を言った。

 ターヤは肩をすくめて言った。


「あら心外だわ。あれは元々は地元の住人が始めたことよ。私は()()()をしただけだもの」


「黙れ、ターヤ」


 ターヤに対し、クロムがすごむ。拳にかなり力が入る。全くひるむ様子が見えぬターヤをにらみ、拳をひらく。


「いずれにせよ手放せない駒だ。いざとなればリズとヴァイスもいる。もしフィオナが危険な目にうようなら、その時点でこの女は始末するさ」


「駒? 始末? いつの間にそんな事言うように……随分と悪党になっちゃったみたいだね!」


 モニカはぐっと、クロムのえりつかんで顔を近づけ、睨む。彼女の顔は怒っていたが、声にはどこかうれいの色も含まれている。


「どうしたのさ……フィオナのことショックで目がくもっちゃった?」


 まゆの一つも動かさないで、クロムは暗い眼をして語る。


「至って視界は良好だ、モニカ。そっちこそ甘い考えじゃないか? ヴァルプルギス( まじょ )禁戒ゲッシュでは血を流すことを嫌うんだろうが、それじゃあフィオナを救えやしないよ」


禁戒ゲッシュなんか関係ない! 人の道を話してるの!」


 彼らが語る禁戒ゲッシュとはある種類の魔術の儀礼である。ちかいを立ててそれを厳しく守り通せば、強い神秘の加護を得られる。逆に破れば破滅を招く。モニカを含む『ヴァルプルギスの魔女』と呼ばれる者は、不殺の誓いを立てて厳守している。

 二人の声が大きくなった。ヴァイスが慌て、間に割って入って止める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ