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今回すごく短いです
「逆に問うが…」
日向は、太明に背を向けたまま、尋ねる。
「私が、狐狸妖怪の類ではないかと、疑いは持たなかったのですか?」
今の今、考えていたことを見抜いたかのようなその問い。
まるで、切り取られたかのように周囲から浮き出て見えた、その姿…。
ほんのわずかな笑みで、ようやく初めて「人」に見えた…。
しかし、太明は、低く笑い
「そうですね。…思わなかった」
と一言、答えた。
しかし、それはあまりに、きっぱりとした口調であり、それが日向を驚かせたらしい。
手を止め、また、視線を、ひた、と太明へ合わせた。
そして、一言。
「そうですか…」
とだけ答えた。
……やはり、妙なやつだ。
太明は、再度、そう思い、一人頷いた。