妹の意外な欠点
研究室から妹のMSTを取ると、妹の部屋に渡しに行く。
「お~い!できたぞー」
「マジで!?仕事早すぎ!!ありがと」
「そうだ!お礼してあげる!!いつもお世話になってるしね」
妹はどうやら本当に恩義を感じているらしく、そんなことを言ってくる。俺としては練習のつもりで軽くやってたから、特にお礼とか要らないけどしてもらえるのは嬉しい。なんか不安があるが。
「じゃあ部屋に入って~」
「失礼」
「え、おならしないでよ」
「んなわけねぇだろぶっ殺すぞ」
ふざけたことを言う妹にげんこつをしながら、勧めのままにベッドに横たわる。確かに俺は男だが、さすがにマジでおならしたみたいに扱われたら怒るわ。その上ボケが斜め上すぎる。
「仰向けになってよ」
「お~マッサージしてくれるのか!地味にうれしい奴だわそれ」
「じゃあ、いっくよ~~」
そういいながらゴリゴリとマッサージをしてくる妹。痛い。めっちゃ痛い。え、こんなにマッサージ下手なことある?手操作でMCTを起動して……って研究室に置いてきちまったよおい!
「どう?気持ちいでしょ~~」
「いっ、気持ちいい、気持ちいよ。どんどんっ体がほどかれるようだ……」
嘘である。いてぇよボケ!と怒鳴りたかったが、お礼としてしてもらっているのに言うのがはばかられたのだ。どこにそんな俺の体をゴリゴリする力があるんだよ。
もう限界無理!
「もう良いよ!!!満足!!!!」
「どんだけ満足したのお兄ちゃん!?好評みたいだからまたやってあげるね」
めっちゃ満足したとかじゃないんだよバカ妹!人の様子から読み取れないのかよ。でも、こんなにうれしそうにしているのに水を差すのは憚られるな……
「いや、当分はいいかな!すごーい満足したし」
「マッサージって本来なら何時間でもやられていいものじゃない?別に、またなんかのお礼にやってあげるよ!」
「あ、ありがとう……」
まるで自分でマッサージ店が開けるかのような自信をみせる妹。ポジティブなのかバカなのか。ちょっとバカだとは思っていたけど、なんで気づかないんだよ!気遣いだよ気遣い。マッサージ師になるどころか、これで人を殺せるレベル。壊滅的。
ルンルンで部屋に戻っていく妹を見ながら俺は部屋に戻ることにした。節々が痛い。
構成を変更して、次の話「いや、嘘やん」を二話に回します。その話公開後一週間ほどで変える予定なのでよろしくお願いします
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