いや、嘘やん
6日に構成変更の為この話は6部→2部になりました。
今日はいよいよ合格発表の日だ。緊張するな。流石にあんなに簡単と言ったり圧倒的な試合をしておいて、合格をしているかどうかの心配をしているわけではない。一位を取れているかの心配をしているのだ。普通の生徒だけだったらともかく、アイツが居るから主席合格が取れているかはわからない。
今までNORS家の癖にとバカにされたこともあった。それでも臥薪嘗胆の思いで研究し続けハッキング魔術を作り出した。俺の欠点《干渉》を変える最強の魔術を。俺はこの努力と自分の能力の結晶でNORS家を超えるッ!
金髪のアイツもやはり俺がライバルだと思っているらしい。こちらに敵意を込めて視線を向けてくる。俺も同じように負けないぞと念を送るように視線を送ると掲示版に向かう。紅葉が舞う中俺はしっかり石畳を踏みしめ、カツン、カツンと一歩ずつ一歩ずつ歩みを進めた。
そして俺は掲示板の前に立つと深呼吸をする。スゥー。確か、一番上の方にトップ10位までは名前が示されているはずだ。よし!
『
1位 ハンゾー・ハットリ 301点
2位 ジャック・サイコ 299点
2位 シャーロット・オウル 299点
4位 アダム・ウィルソン 276点
5位 アテナ・ケリー 264点
・
・
』
いや、嘘やん。この試験は学術200点、実技100点の300点満点であったはずだ。実際それを示唆するように俺たちは299点でそれ以外の生徒もそれより下。いや、でも何かのミスで満点が301点になっていた可能性はあるな。そう仮定すると俺はアイツと仲良く二点落としたということになるのか……
今の流れは完全にアイツに勝利して俺が一位を取る流れだっただろ!アイツと同じ点数な上にハンゾーとかいう意味不明な奴に一位かっさらわれるってどいうことだよ。ハットリってことはニンジャ一族の一門か?許さねぇ。絶対一位を奪還する。
気付けば横でも唖然としている女がいた。アイツである。シャールもこの結果に唖然としているようだ。NORSというのは2位と4位の差でわかるように一般の優秀な魔術師とは一線を画す存在だ。
シャールもまさか日本部から来たニンジャ一族が満点一位を取るなんて想像していなかったに違いない。
「ジャック、誰このハンゾーって人」
「俺も全然知らないがニンジャ一族だろう。主席を取るのは俺かお前だと思ってたぜ」
「私もよ。おっとと」
ハンゾーについて話そうと思ったら急にシャールがよろけはじめた。どうやら寄ってくる際に足が引っかかってしまったらしい。どんなタイミングで転んでるんだよ。
「いや、そこで転ぶところじゃねぇだろ!」
「いや~ごめん。転びやすい体質なのよね」
「なにその体質……」
俺たちがそんなことを話していると、妹たちもこちらへ歩み寄ってきた。
首都魔術学院試験満点は難易度的にはセンター全教科満点を取るようなものです。
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