零組2
滑り込みセーフ
番号順すなわち入学成績順なので、主席の服部がまず立ち上がって自己紹介を始めた。
「俺は服部半蔵!苗字は服部で名前が半蔵だから、わかりやすく直すと半蔵服部かな。」
先ほどの暗さが嘘のように陽気な感じで服部はそう話し始める。だが、残念なことに普通の学校と違ってこの陽気な感じは明らかに異質で浮いている。1組あたりだったらそういったバランスが良い人間がそろっているのかもしれないが、そういう人間はいな……
「おーーー!!!珍しいーー日本部から来た人?!」
っていたわ。5番目の子だ。黒髪?珍しいな。蒼目をしているし日本人とのハーフだろうか。黒髪のショートカットはその元気さを強調させるのに一役買っている。
「そうそう!さっきも先生が言ってた通り、日本部から来たんだよな。友達0だからよろしく!!」
「私ティナだからよろよろ~~」
「質問タイムを設けるから、とりあえずは質問せずに自己紹介を聞いてくれ……」
親指を突き立てて心を交わす二人を見て、ため息をつきながら先生はそう言った。0組は殺伐とすると聴いていたのだが、弛緩した空気が流れているのを見るとてもそうとは思えなかった。
まるで普通の学校に通っているようだ。
「みんなもよろしくだぜ!で、得意魔術だが、忍術だ。忍術も色々種類があるが得意な忍術はある種ない!忍術が得意だがMSTも勿論使える。よろしく~」
得意魔術の所でぴりついたが、忍術ときたか……流石にそれくらいはわかる。というのも、日本由来の魔術体系は3つしかないからだ。祈祷魔術、呪符魔術、忍術である。
祈祷魔術は我が部の儀式魔術と同じでMST式に吸収されたし、呪符魔術だったら式神や呪符を持っていないのがおかしい。それに、服部半蔵というのは有名なニンジャの名前である。忍術が使えなかったら名前詐欺だろう。
まあ、得意な魔術がないというのもわかる話ではある。白兵戦において最強なのは実践レベルの魔術を全て使えることだからな。特化して砲台としての役割と果すべき我々とは違うわけだ。
そんなことを考えていたが、そういえば次は名前順で俺だったことを思い出し、自己紹介を始めようとした。
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