零組
入学式が終わると零組の教室に俺たちは集められた。普通サイズの教室に10人しか居ない様は異様だ。机の間隔がやたら広く、スカスカである。プリントを後ろに回す時には立つことを強要されそうだ。
そもそもなんで十人しか零組に入れないのか。学期ごとのクラス入れ替わり制であり、成績順でクラスが決まっている我が校だが、だからといって一番上のクラスが標準の30名であってもモチベーションアップには関係がない。
モチベーションアップという曖昧な副目的ではなく、能力に合わせた指導という主目的に問題が出るのだ。10位台後半の人達が授業内容についていけなかったのである。確実についていける範囲が十位以内だったのでそのままナンバーズしか所属しないのが零組になったのだ。
ちなみに、ナンバーズはほとんどがそのままナンバーズらしい。
「おお、君たちが今年度のナンバーズか。NORS一人と、ハッカー一人、それ越えの異国の……おっと失礼別の部から来た少年一人だね。中々豊作そうだ」
NORS扱いされなかったのは癪だが、大いに適当な評価だ。NORSには大量破壊兵器という役割と抑止力としての役割が求められる。本来はNORSの面々は遠方に強力な魔術を放ち相手の軍を壊滅させたり、相手のそれを相殺するのが定石だ。
一方俺のハッキングは一度に複数の端末をハッキングすることも出来ないし、遠方からハッキングすることすらできない。白兵戦限定の能力なのだ。
それに日本部を異国というとはこの女教師、かなり歯に衣着せぬタイプだな。若いのに零組の担任をしていることからも只者ではないと推察できる。
「これだけ層が厚ければ日英交流戦も余裕そうだな」
俺たちでの代で、日英交流戦が行われるのか。通常は一年に一回イギリス部と日本部それぞれで学園交流戦が行われるのだが、8年に一度日本部とイギリス部を超えて交流戦が行われるのである。
白兵戦だから俺も活躍する場はありそうだ。
「今日のところは自己紹介をして解散にするか」
「1番から順に自己紹介しろ。魔術に関する情報を開示するかは個人に任せる」
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