表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ねこみみゆうしゃ大和ちゃん】ようこそ!リオンキングダムへ  作者: にゃんもるベンゼン
こうくうぼかんのにちじょう
96/186

けっちゃく!やまとちゃんのかち!!

 かすめはしたが、所詮はフォトンシールドにだけで。

 見れば、ソードは、見切っていて。

 こちらに、戦闘機動を見せつけるように。

 曲芸飛行の限りを見せていた。

 一見、必死そうに思えるが。

 「!」

 何か、直感のようなものを感じることに。

 それは決して、必死のそれではないと思えて。

 むしろ、楽しんでいる。

 これは、戦場の楽しみ?!

 相手は、こうであっても、なお、余裕を絶やさないか!驚かされる。

 いいや、だからか。

 いつも通信で耳にしてた。

 戦場だからこそ、楽しみであると言わんばかりの、口調。

 これは、相手を燃え上がらせる。

 戦闘機動はより鋭敏となり。

 百戦錬磨たる技術の粋を、やがてこちらへ見せつけてきた。

 「!!」

 ウィングビットの砲撃さえ、かいくぐられていくか。

 見ていて、やや冷や汗が出てくる。

 「!」

 それが、感覚を研ぎ澄ましたか、閃きか、予感がよぎる。 

 相手が、来る!

 その予感に俺は、素早く機体を倒して、逸らすなら。

 眼前にやはり、ソードの機体が迫ってきていた。

 「!」

 また、その危険を察知したその時に、ふと頭にイメージがよぎるなら。

 その動きに合わせるように、ウィングビットが動く。

 その時に、閃光が走り、相手を撃ち抜く。

 《?!のわぁ?!》

 ソードの悲鳴が聞こえて。 

 しかし、機体はまだ、この空にある。 

 爆散は、していない。

 かすり傷?

 にしては、結構な悲鳴だった気もする。

 《相手へのダメージを確認。シールド発生装置にダメージ。フォトンシールド消失を確認。通常兵器でのダメージが期待できます。》

 「!」

 盾が言うには、今の攻撃により、フォトンシールドが消滅した模様。

 ならばと俺は、向き直すために、旋回して、相手を見据える。

 ソードの機体は、確かにダメージがあるようで。

 現に、所々から、黒い煙が見て取れた。

 「……。」

 普通なら、引き返しそうなものだが。

 《へへっ!!この程度!!かすり傷だ!》

 「!」

 ソードはまだ、やる気だ。元気よく、言ってきた。

 攻撃を受ければ、一たまりもない状態であってもなお、引き下がらない。

 いいや、攻撃を受ければ一たまりもないからこそ、本気になる。

 手負いとなった今その瞬間、ソードは残された力全てを振りだそうとして。

 「!!」

 スピードが上がり、機動も恐ろしく鋭敏となる。

 ……悲しいかな。

 最早、目で追えない。

 ただただ、空しいほど風切り音を響かせるだけで。

 「!!」

 だけではない。

 ただただ、震えるほどアラート音を鳴らせてきて。

 より、攻撃は激しさを増す。

 こちらは、ロックオンアラートを剥がしたく、急旋回や、急上昇を繰り返す。

 けれど、剥がれやしない。

 相手は、こちらの飛行に合わせて、しっかりと照準を付けているか。

 ……悔しいや。

 故に、いや、だからこそプロフェッショナルなのだ、俺では、できっこない。

 いつかは、俺が根負けして、やられてしまうだろう。

 今、そうやって俺を消耗させるつもりでもあるのだ。

 「!」

 いや待てよと閃きが走る。 

 今相手は、そうして狙って、消耗させるつもりでいるなら。

 逆にこれを利用しない手はない。

 この機体で、ミサイルを使用しようにも、機銃を使用しようにも。

 前を向かなければならないが、ウィングビットだけは例外だ。

 多方面、多方向の攻撃。

 つまりは、上手くすれば後ろにも。

 今はまだ、相手が素早過ぎるが、合わせているならと。

 俺は、旋回しつつも、スロットルに手を伸ばして。

 少しずつ、速度を下げていく。

 アラートに不安があるものの、旋回しつつしていて。

 「!ここだっ!」

 そうして、ふとした瞬間に、何かを捉えた。

 叫んだ時に、放っていたウィングビットは、雲間から姿を現して。

 その先端に光を迸らせる。

 煌めいたなら。

 レーザーが照射された。

 《うわっとぉ!!!》

 「?!えー?!」

 ……隙を突いたはずだが、何とソードは、そのレーザーを、かすったが。

 見事避けて見せた。

 せっかくの策を見破られて、俺は軽くショックを受けてしまう。

 「お!」

 ただ、朗報もある。

 その隙を突いた結果が功を奏したか、ロックオンアラートが消える。

 レーダーから、ソードの姿も消えるが。

 そうであっても、俺は一安心に、軽く溜息をついた。

 これならば、体勢を立て直せると機体を戻す。

 「?!」

 が、それを見越してか、あるいは、相手もまた体勢を立て直してか。

 またまたロックオンアラートが鳴り響いてくる。

 後方に、高速で接近して来ていた。

 追いつかれまいと、かつ、ロックオンをさせまいとして。

 またまた俺も、機動を始める。

 「?!ぐぇぇ……。」

 不幸なことには、結構きつい。

 呻き声を上げてしまった。

 《ここでアドバイスを進言します。》

 「!!」

 幸いは、盾が見ていてこちらにアドバイスをしてくれることで。

 「……お、教えて?」

 頷いては、促す。

 《急制動を掛けて、操縦桿を引き、その場で縦方向に一回転する方法です。曲芸飛行などではよく使われることですが、相手が完全にこちらを捉えたその時に使うのがベストです。》

 「?え、ええと?あー……。」

 そのアドバイスとは。

 つまりは、宙返りしろと?それも、高度を一切変えず?

 そう言っているのだろうが、俺はあいまいな返事しかできない。

 《クルビットと呼ばれる手法です。推力偏向能力がないと、難しいことですが幸い、この機体は、画期的な推力偏向を行えますので、可能です。》

 「あ……うん。分かった。ありがとう。」 

 追加で説明もある。

 この機動についての説明である。

 何となくしか、理解できないために、終始曖昧な返事しかできないが。

 そうであっても、せっかく言ってくれたんだ。

 お礼は述べておく。 

 《タイミングは、私が行います。合わせて、スロットル、操縦桿の操作をお願いします。》

 「!……う、うん。」 

 なお、続けて言ってくれることには。

 タイミングの指示は盾が行ってくれるみたいで。

 俺は、返答に頷きを返した。

 さて、そうであるならば、そのタイミングがいつか分からないが。

 その前にやられまいとして、俺はひたすら相手の攻撃をかわすよう努める 

 アラート音は相変わらずだが。

 機銃攻撃も、かわす。

 「?!うげっ!」 

 やがて、機体を振り回して、攻撃されまいとしていた矢先に。

 真っ直ぐ相手に背を向ける形になってしまった。 

 ほとんど刹那のような感じだが。

 そうであっても、唯一の隙、手練れのパイロットなら、見逃すはずはない。 

 今だ!そういう感じで、アラート音がけたたましくなった。

 ロックオンが完全に完了して、今この瞬間に、撃ち込めるということ。

 こうなった時点で、勝敗が決する。

 つまりは、俺が墜とされる。

 《今です。》

 「!!」

 今がそのタイミングと、盾は言う。

 合わせて俺は、スロットルをブレーキに回し、操縦桿を引き上げる。

 「?!うぉあぁ?!」

 すると、機体は急激に上昇。

 勢いに、掛かる圧力に、つい叫んでしまう。

 そうであっても、意識はあり。視線を動かして、高度計へ。

 高度計は、一旦は上昇を示すが、やがて下降。

 また、元の高度に戻り、水平になるなら。

 「!」

 そう、目の前を丁度ソードが通り抜けて。

 これが、そう。

 そう、宙返りだ。盾がいう、〝クルビット〟。

 結果俺は、ソードをやり過ごして、ソードの後方に回ることができたのだ。

 同時に、こちらのロックオンマーカーが動きだす。

 一定間隔の音を立てて、次第に相手に合わせていく。

 合わさった時に、けたたましい音を立てて、撃ち込めるようになった。

 「?!」

 が、相手はその瞬間に機動を見せる。

 宙返りしては、反転して、こちらに向き合う形となった。

 挙句同時に、こちらのロックオンアラートも鳴る。

 こう、互いに向き合う形となって、ロックオンを鳴らすとはまるで。

 一騎打ちの様相に思えた。

 互いが互い、向き合って。

 互いが互い、同じ音を鳴らす。

 「!」

 ふと、鼓動が高鳴る。

 緊張に、だ。

 どこの、どのタイミングで。

 どこで、撃つ?自らの、問いかけについ、緊張してしまった。

 《撃てよ!!臆病者!!!!》

 「!」 

 それはつまり、臆病と捉えられて。

 ソードも同じように、アラートを鳴らされながらもなお、気丈にあって。

 俺に対し、煽るような言葉を掛けてきた。

 ……撃たなければ、相手が撃ってくる。

 《撃てぇええええええええ!!!!!》

 叫ぶような声で、ソードはやがて言ってきた。

 俺は。

 その瞬間に操縦桿にある、発射ボタンを押す。

 機体より、ミサイルが2基射出され、眼前より軌跡を見せていった。

 《ウィズ。FOX2。FOX2。》

 「?!」

 盾は、合わせて変な言葉を呟いたが。

 「!」

 気に掛けるよりも先に、よりけたたましい音が鳴り響き。

 そっちの方を気にしてしまう。

 どうやら、俺が射出したと同じタイミングで。

 ソードもまた、ミサイルを撃ち放っていたのだ。 

 それは、俺に対して直撃するコースである。 

 しまったと思う。

 やがて、互いに炸裂音がして。衝撃もある。もしかしたら、俺もまた。

 炸裂の瞬間に俺は、目を瞑ってしまってどうなったか分からないが。

 「……?」

 派手な炸裂音が過ぎ去るなら、不思議なことに、高度が下がる間隔がない。

 なぜだろうと思ってしまう。 

 まあ、戦場なら一瞬だろうから、分からないかもしれないけれど。

 攻撃を受けてしまい、墜ちるなら。

 感覚がありそうなものだと初心者ながら考えてしまった。

 目を見開くなら。

 「?!」

 その、機体の横をソードの戦闘機が、煙を上げながら後方に通り過ぎていく。

 また、前方には、別の何かが、煙を上げて、墜ちていく。

 よく見ると、そちらはウィングビット。

 「……?」

 一体何が?思って首を傾げていたら。

 「!」

 モニターしていたであろう盾が。

 コックピットに録画した動画を再生して見せることには。

 ミサイルが互いに直撃する最中だが。

 ソードが放ったミサイルは、何と危機を察知した瞬間に。

 多分俺が無意識に動かしたウィングビットに直撃していたようだ。

 そのため、俺は無事だったのだ。

 じゃあ、ソードは?

 振り返ると。

 ソードの機体は、煙を上げて落ち、やがて、火を上げて。

 《くそぅ……。魔術師……め!くや……ザッ!》

 乱れながらの通信があった後、爆散する。

 「……。」

 その爆散の音は、広く響き渡り。

 遠くからまるで、木霊さえ聞こえてきそう。そうして、静かになる。

 先ほどの、戦役が嘘のよう。ただただ、風の音がするだけ。

 静かなそれに、俺はぼんやりとしか思っていない。

 《状況終了。敵影なし。我々の勝利です。お疲れさまでした。》 

 「!」

 静かになった傍ら、盾が言ってくる。俺に対して、労いの言葉も添えて。

 「……。」

 ただ静かに俺は、お礼がてら頷くだけで。

 「!」

 また、作戦が終了するなら。

 コックピットは暗転して、こちらもまた、一旦だが、静かになっていく。

 ああ空や海原の音も、消えて。

 入れ替わりとばかり、機械の無機質な音が響いてくる。

 空気が入る音が続くなら、今度はモーター音、カプセルが開いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ