ちょうせんじょう!
「……。」
俺もまた、こっくりと頷いて。
「……おいしい。」
そう告げる。
「……ほんと。今朝もそうだけど、お昼も相当ね。これは、私でも難しいかもしれないわ。後でレシピ聞いてみようかしら?」
マフィンもマフィンで賛同。
後で、詳しく聞いてみたいと思っているようだ。
「あらま!おいしい!……料理上手だねー!」
「うおっ?!こ、こんなの、レストランでしか食ったことない!!」
「……す、すっごーい……。」
他の、エルザおばさんや、レオおじさん、シンもそれぞれ感想を言って。
その食卓に、舌鼓を打っていた。
なお、言葉が思いつかないほどの美味しさがため。
その先に言葉を交わせず、ひたすら口に含んでいった。
食べ終えたなら、余韻残る中、皆と何を話そうかと考えていたなら。
「よぅし!!ウィズ!!!!!!勝負だぁ!」
「?!」
突然、向こうから声が掛かってくる。
何事だと顔を上げて探すなら。
「……うぁ。」
誰が言ったかすぐに分かってしまい。
やっぱりなと色々交じりの、変な声を上げてしまった。
ソードだ。
もう食事を終えて、出入り口に仁王立ちして。
俺に何やら挑戦状を叩きつけるごとく、指さしてきたのだ。
勝負好きでない俺としては、言われたことについたじろいでしまうものの。
「逃げようたって、そうはいかねーぜ!何せ海の上だかんな!!へへっ!」
「……ぬぅ。」
何だか、説得力のある言い様に、妙に納得してしまう自分がいる。
逃げるなよと言いたいらしく。ニヤリと笑う顔が、嫌に目立つ。
まあ、これもレクリエーションの一環かと自分に言い聞かせるなら。
受けて立つと決めたわけではないが、話だけは聞いてみようと思った。
「……あ、まあ、遊びの一環でなら……。」
ワンクッション置くような感じで、俺は言う。
「にひっ!決まったな!!じゃあ、勝負はもちろん、戦闘機での勝負だ!」
「?!」
話が決まったとして、ソードが言ってくることには。
得意分野での勝負、そう戦闘機での戦闘のようだ。
いきなりなそれに、ついぎょっとしてしまう。
だって、相手は現役のパイロットだよ?
まさかとも考えてしまう。
実機でやるんじゃないだろうな?なら、余計に気が引ける。
見た目も小さな、この航空母艦、搭載機も少なく。
実際に動かせる機体は多くあるまい。
それを、ほとんど初心者の俺が扱っていいものか?
「おいおい!ぎょっとすんなよ!別に実際に空に上がってさ、機体でやり合うなんてするわけねーだろ!……ものすごく怒られるし。まあ、おいといて、いつものあれさ、シミュレーターだ!」
「!」
別に、実機でやるわけじゃないと、付け加えて。
そう、扱うのは、いつものシミュレーター。
使い慣れてもいるだろうと、見抜いてもいるか、言ってきた。
「……。」
まあ、確かにそれなら、心配する必要もないか。
「……ええと、その、……ゲームなら……ね。」
俺としては、レクリエーションの一環として、ならばと頷くことにする。
「へへっ!決まりだな!!!うっし!!午後から楽しみ!腕を慣らしておくかねぇ!!」
話がまとまったとして、ソードは、ガッツポーズよろしく。
気合を入れるなら腕を回したり、手を鳴らしたりしながら、通路へ帰っていく。
「……。」
何だか、間違ったかな?つい、その背中に思ってしまう。
一方で。
「うはははっ!勝負するってよ!!!流石、ウィズ!伊達に英雄の名声を欲しいままにしてねーな!」
「マジか!!!よっし!!賭けしようぜ!どっちに賭ける?」
「おいおい!やめとけよ。……ウィズが勝ったら、あいつ泣くぜ?」
「たまにはいいだろうよ?ほら、世の中こんな人間もいるってことで。」
「……。」
ギャラリーのように集まっていた皆さんは、次々と言っている。
ただでさえ盛り上がりの様相だが。
ソードの仕掛けた勝負に、俺が乗ったとみなされて、なお盛り上がる。
「あ!言い忘れていた!」
「?」
なお、その内の一人が、何か思いだしたように口を開く。
「ソード!シミュレーター使うんだったら、後でお前も、掃海とか手伝え!」
「あ?!げ……。」
「!」
言い忘れたこととは、シミュレーター使うのなら。
今朝俺がやったようなことを手伝えということ。
耳にしたソードは、遠くからばつの悪そうな声を返してきた。
「あ!それいーな!よしっ!次は休憩時間だ!へへへっ!ラッキー!」
「ソード!掃海がんばれよ!」
「ぬぐぐぐぐぐ……。」
皮切りに、か。
各々、言いたいことをソードに言っていった。
ソードは、使うからには致し方ない様子で、歯軋り混じり。
何とも言えないといった声を遠くから返してきていた。
足音からして、遠くに去るなら。
「へへっ!ウィズ!頑張れよ!」
「!」
話題は俺に戻り、肩を叩かれては、応援される。
「俺からも!あ、ちなみにウィズに賭けてる!」
「俺も俺も!!」
「……皆さん。……あはは。」
エールが送られてきた。
どう返そうか困り、最初に苦笑を返すが。
「……ありがとうございます。」
応援してくる気持ちを、ふいにしたくなく、続けてお礼に頭を下げた。
「大和ちゃん!がんばれー!」
つられて、アビーも声援を送って。
「……ありがとう。うん、頑張るよ。」
アビーがそう言うならとして、俺もまた、お礼一つ、頷いて応じる。
食事を食べ切り、食器を戻すなら俺は、真っ先にソードが待つ場所まで行く。
駆け足で疾走をするとして。
「あ、気を付けなさいよ。」
「!マフィン!ありがとう。」
駆け出す間際に、マフィンが気を付けてと言ってくれる。
俺は、一旦足を止め振り返り、頷いては、手を振ってまた駆け出した。
そうして、シミュレーションルームまで駆け付けたなら。
「!」
扉の前で、こちらを向き、仁王立ちするソードがいた。
その様相は、自信の表れであり、百戦錬磨の屈強さを見せ付けて……。
……いたと締め括れば格好はよかったと思うが。
いかんせん、アビーと同い年の風は、その威圧も随分薄れてしまう。
ただ、それは油断させるための罠とも捉えられる。
こうであっても、ソードは戦場を駆け抜けたパイロット。
決して侮ってはいけない。
つい、身構えてしまう。
「へへっ!」
俺のその様子に、ニヤリと口角を上げてくる。
「よく逃げずにここまで来たな!へへへっ!生きて帰りたければ、この俺を倒してみせろっ!」
「!!」
自信があるのか、やたらと強い口上を述べてきた。
相手に、余計威圧するような様子には、余計に身構えてしまう。
だからで、俺はそっと、拳を握り、いつでも戦える姿勢を見せる。
だが、両手の内、片方は開き気味で腰の方へやる。
レーセにいつでも手に掛けられるような姿勢。
それは俺の臨戦態勢。
「……たんま。」
「?」
が、待ったが掛かる。先ほどの威圧をソードは解き、手で制止。
俺に構えを解くよう要求も付け加えそう。
なぜとつい首を傾げて。
「それ、接近戦。白兵戦。やめて……。俺そっち方面てんでダメだから。」
「……。」
どうやら、これでは俺に敵わないと思っているらしく。
だから待ったを掛けたようだ。
俺はこくりと頷いて、構えを解く。
「……まさかと思うけど、本気?それとも、冗談?」
「……。」
俺が構えを解くと、訝し気に俺を見て、聞いてきた。
構えたのは、本気かそれとも、単なる冗談か。
勝負の内容は言うまでもなく。
この部屋の中にあるシミュレーターで、なのだから。
これは……。
「……どっちだろうね……。わっかんないや。」
「……。」
ちょっとだけ、笑みを浮かべて、とぼけて見せることにした。
ソードは、眉をピクリと跳ねさせて。
ニヤリとまた、笑む。
それは、自信の表れも含むが、火が付いたか、燃えているようにも見える。
「……!」
嫌な予感がした。
どうやら、ソードの勝負魂に火が付き。
挙句、油まで注いで、燃え上がらせてしまったのかもしれない。
頭が導き出す答えは、本気にさせてしまったのかもしれない。
「おもしれー!やっぱウィザードって奴は、最高だな!!!」
不敵な笑み伴っては、ソードは言ってくる。
その口調は、勝負に燃えるそれであり。
予感が的中しそうだ。
「そうでないと、面白くない!いいぜー!そうでないとな!」
称賛まで付け加えてくる。
不敵な笑みそのままに、ならば、勝負を始めようとして。
ソードはくるりと後ろを向くなら。
扉はそのタイミングで開き、勝負の場へと誘ってくる。
「……。」
俺は、ごくりと唾を飲み込み、追従した。
闘技場のような様相はない。
無機質な機械が並ぶだけのそこだが。
心持が変わるだけでも、感じることは変わってしまうものだ。
今俺は、本当に闘技場にいるかのような気持ちになる。
見慣れたカプセル状の機械でさえ、戦うための鉾と盾に思えてならない。
2基のカプセルが開くなら、戦士を招き入れるように。
それぞれ別に、カプセルに搭乗していく。
「!」
見れば、あの時使ったヘルメットが置いてあり。
取り、重さに苦心しながらも被る。
席に着くなら、背負っているバックパックを前にやり。
あの時と同じように、シートベルトを間に通して、固定した。
バイザーを下ろして、操縦桿とスロットルに手を置くなら。
空間を遮断するように、カプセルが閉じていく。
一旦明るくなるが、そこは格納庫のような場所。
「……?」
なお、出撃前に、兵装を選択しているみたいで。
《へへっ!ギッタギタのボコボコにしてやる!何でもいーぜ!!!》
「!」
通信から、ソードが言ってきて。
何でもいいと言ってくれた。
……相当な自信があるようだ。
なら、何をしようと。
項目をめくっているが。
「……あ~……。」
時間が掛かりそうだ。
項目にあるのは、爆弾や、ミサイル。
それも、対艦や対地、あるいは、対空と選べる様子。
両主翼に無理矢理取り付ける形で、追加でロケットランチャーなどもある。
色々あって、何を取り付けるか迷ってしまう。
《兵装としてお薦めは、ウィングビットを多数搭載することです。両主翼下のパイロンに増設することによって、より広範囲に、多方向からの攻撃を可能にします。》
「!」
盾は喋り、説明をすることには。
お薦めとして、ウィングビットを、両主翼に沢山取り付けることを薦めて。
そうなると、通常搭載されるウィングビットよりも。
さらに多くの数を搭載する形となる。
《ただし、レーダー反射面積増大により、発見確率は上昇いたします。完全殲滅を目的とした、ビーストモードですので、ご留意ください。なお、相手の技量を見るに、通常の空対空ミサイルでは、勝率はありませんが、これでしたら、勝率はぐんと上がるでしょう。》
さらには、説明。
勝率予測までして、薦めてくるも、但し書きはあるようで。
発見されるようにはなると。




