げきついしちゃったぁ!
《貴様!行動を乱すな!》
《だってよ!つーことは、ここら辺にウィザードがいるってことだよな?どこだか、探したくなるじゃんかよ!!海か?!陸か?!それとも……。》
その動きは咎められるものの。
言われた本人は気にも留めない、むしろ、興奮して、余計探し回ることになる。
《空かっ!!!!!!うぅうううううう!!!興奮する!》
《はぁぁぁ……。》
ソードは、自分から空かと言うならば、さらに興奮を増して。
ガントさんは、呆れ果ててしまう。
《空ってことは、俺と同じ空を、実際に飛んでいるってことだよな?!うぅ、最高!!俺の相棒が、空を飛んでるー!!》
興奮の果てにソードは、隊列を乱してまでも、接近、探して回る。
《実機じゃないはずだ!!1機は予備だし。ということは、退屈な海の掃除用ドローンか!!》
「……えぇ……?!」
興奮し、頭に血が上っていると思われていても。
ソードはやけに冷静に分析しているようで。
思考しては、解を導き出している。
がむしゃらで、まとまっていないように見えて。
それでいて的を得ているのはすごいと思ってしまうが、ついでに、困惑も感じる。
《レーダーに6つ。……3つは向こうで散り散り。3つはこちらで、並んでいる……。どれだ~……。どれだ~……?》
冷静に、獲物を探して回る。その様子は、まるでハンターだ。
戦闘機乗りの性だろうか?よく分からないや。
「!」
やがて、レーダー上で乱れている一点は、速度を上げて、接近してくる。
どうやら、レーダーで分からないなら、直接接近するまでだということか。
「……いや~な予感。」
その、増速して接近する様子に、俺は嫌な予感がしてならない。
現に、よりにもよって、ソードの言う、固まっている3つの方。
つまり、俺がいる、所目掛けているのだから。
《速度の速い飛翔体接近中。迎撃しますか?》
「いや、味方だから却下。」
そうであっても、冷静な盾は、迎撃行動を具申するが、俺は却下する。
そうであっても、味方なのだ、ダメだよ。
《見つけたぁ!ウィザード!!!沢山、スフィアを侍らせやがって!!》
「げっ!バレた?!」
ここまで接近するなら、確かに分かってしまうか。
何せ、盾によるスフィアのリモートコントロールをしているのだ。
スフィアが、俺の機体の周りにあってもおかしくはない。
それが、ウィザードたる様に見えてしまう。
そうであっても、俺はつい口走り、軽く慌ててしまう。
《はぁぁ。頭に血が上ってやがる。ようし。ウィズ。》
「?は、はい?」
呆れ果てるガントさんは、策があるのか、俺に対して呼び掛けてくる。
つい返事をしてしまうが、だが、俺の名前ではない。
誉れ高き、例の名称。
《そうだ。貴様は空でなかなかな魔法を見せているようだからな。それを見て貴様にTACネームをやろう。ああ、ニックネームみたいなもんだ。そんなに気にすることもない。ウィザードだから、〝ウィズ〟だ。》
「え、は、はい……。」
どうやら、先ほど俺に言った名称は、ソードやガントさんみたく。
あだ名のようなものみたいだ。なお、戸惑いに生返事を返してしまう。
《〝ウィズ〟。突っ込んでくるバカを、お得意の魔法で撃墜するなり、攻撃するなりして構わん。一度墜として、頭を冷やさせないとな。》
「えぇ~?!」
それから言われることは、攻撃許可だ。
俺は困惑してしまうが。
傍ら、応じるようにか、冗談か知らないが。
ロックオンマーカーが動き、音を立ててソードの機体に合わせようとしてくる。
「えぇ~?!」
困惑は余計に強まった。
《あぁ?!ちょ?!が、ガント?!何でロックオンがぁ?!》
《さぁな。あと、俺は知らん。しているのは貴様が突っ込みそうな、海のお掃除任務中ドローンからじゃないか?》
《なぁにぃぃぃ!!ウィザードがぁ?!》
「……ええと。え~……。」
ロックオンをされて、困惑はソードに伝染したか、色々と聞いてくる。
ずばりなことを、ガントさんは返してきたが、俺は、何とも言えない。
実際やっているのは盾であり、俺ではないのだが……。どう言えばいいか。
《お~!いいぜ!!そのまま撃墜してしまっても!こっちには、腕の立つ救助隊員がいるからな!安心して墜ちていいぜ?》
《ははははっ!見せてもらうぜ!》
「!」
困惑している中、また新たな機影が後ろから接近する。
喧しいヘリコプターのエンジン音を響かせて来ることから。
あの、マキナの残骸を牽引しようとしていた、ヘリだ。
通信からも、聞き覚えがあることから、やっぱりである。
《ぬぁにぃぃおぉおぉおお!!墜とされてたまるか!!!!後、そのふざけた口、二度と利けなくしてやるぅぅ!!》
「……。」
なお、ヘリの隊員さんたちの一言に、火に油を注いだか、興奮の勢いは増す。
ソードは興奮して、挙句、喧嘩まで売ってしまう。
《警告!ロックオン。》
「?!」
さらには、元凶?である俺に対してまで、火器管制を起動したようで。
機体内に、昨日も聞いたアラート音が鳴り響く。
「くぅ!」
俺は、機体を倒して、思いっきり旋回する。
レーダーをかいくぐったようで、アラート音が遠退くのを耳にした。
《くっそぉぉぉ!ちょろまかと!!!大体、大きさが違うし。こいつは、不利かぁ!!》
《フォトンシールドを展開。機体の完全防護に勤めます。》
「!……あ、あ~と。ええと……。うん……。」
ソードは悪態をついているが。
片や、盾は、冷静に防御用のシステムを起動したようだ。
現に、機体を包み込むように、スフィアを展開して、光の膜を形成させている。
攻撃用じゃないが、勝手であることもあり。
躊躇いに曖昧な返事でしか応じれない。
《?!ああ?!くそぅ!!ジャマーか。ロックオンが利かねぇ!》
「……!」
勝手ながらだが、効果があり。
どうも、ソードの機体に何らかの干渉が与えられたようだ。
ソードはますます悪態をつく。
《スフィア攻撃モードに移行。ロックオン開始。》
その状態を隙と見てか、盾は容赦なく行動を起こす。
ロックオンマーカーが再開し、音を立てながら動いていく。
すれ違って後ろに行ってもなお、マーカーが外れることはない。
代わりに、モニターの隅の、レーダー上でも追尾しているらしく。
マーカーはそこでも動いていて、挙句、ロックオンを完了する。
短い間隔で、アラートみたいな音を鳴らしていて。
「……。」
反転して、相手の方を向くなら。
「!」
いくつかのスフィアが、戦闘機に負けず劣らずの速度で飛翔、纏わりついていて。
《うぇえ?!振り切れない?!》
「!」
かつ、ソードからの通信は、悲鳴にも似た感じであり。
助長するように、向こうの機体のアラート音も混じっていた。
「!!」
その瞬間に、本気で相手を撃墜しかねないと感じてしまう。
俺は、止めようとつい手を伸ばして。
そのスフィアをコントロールしようとしたが。
閃光が走った。
「!!ぐっ!!」
その閃光に目がくらんで、もあるが、見たくなくつい目を瞑ってしまう。
しかし……。
「……あれ?」
そこから、いわゆる爆散するような音はない。
なぜだろうかと、目を開けて、確認するなら。
ソードの機体は、爆散することはなく、空を飛んでいて。
代わりに、モニター上に、相手の機体の情報を提示する。
「……何だ?」
《撃墜判定を与えました。》
「えぇ……。」
何事かと見るに、盾が言うことには、相手に撃墜判定を与えたとして。
また、モニター上にある、戦闘機に。
まるで攻撃を与えたように、所々に赤い表示をした。
見るに、主翼や胴体を撃ち抜いたと表示していて。
どうやら、本気で撃墜する気はなかった様子。
《うぞぉおん?!俺撃墜された?!》
《そのようだな。貴様は戦場なら、そのまま海へ真っ逆さまだ。場合によって命を落としていただろうな。》
《ぐぬぬぬ……。》
相手にも表示が行き渡り。
撃墜判定と表示されているようだ、ソードは落胆に愕然とする。
冷静に分析をしていたガントさんは、呆れながらもどうなったかを言い。
耳にしてソードは、悔しそうにしていた。
《はははぁ!!ソードがやられちまったってよ?》
《こりゃあ、帰ったらいい笑いものだな!!》
《あ、しまった。録画してねぇ。……まいっか。》
「!」
ギャラリーがてら、同じく掃海に従事していた人たちが戻ってきては。
冷やかし半分、言ってきた。
《ぬぐぐぐぐ……。》
撃墜判定は、まぐれだろうと何だろうと結果であり。
何も言い返せない様子でソードは歯痒く、悔しそうな声しか出せないでいた。
《何事かと見たなら、確かに、魔法使いだ。ふふふ。昨日といい、今日といい大変いいものを見させてもらったよ。》
《はわわ……。》
「!」
また、別方向から2機が接近するなら、言ってくる。
シールドさんと、ウィッチさんだ。
そうなると、ソラネコのメンバーが、合流することになる。
《管制官。よろしければ私にも記録を見せてくれ。楽しみだ。》
《はっ!了解しました。後程。》
シールドさんも、気になってか通信して。
ガントさんと同様、記録を見たく、願い出ていた。
管制官の人は、了解する。
《さあ。我々は帰艦するぞ。後で、報告もしよう。》
《はっ!只今。》
《へ~い。……ぶつぶつ……。》
《りょ、了解!》
シールドさんは、管制官の言葉を聞き届け。
今度は、他の3人にも通信を入れるなら、帰艦命令をした。
合流して、帰艦するのは予定通りだろう、臆することなく全員は、了解して。
先ほどの乱れとは打って変わって、きちんと整列していく。
……なお、その整列とは裏腹に、ソードは悔しさ残しているようだったが。
整列して、きちんと母艦へと帰っていく。
それを俺は、見届けた。
「……ええと、さて、どうしよう……か……?」
急に騒がしさも失せるものだから、手持ち無沙汰になり。
ついぽつりと呟いてしまう。
《お!お待たせ!》
「!」
と、いいタイミングか、ビリーさんから通信が入る。
向こうの要件は、終わったようで、ならば、何か要件がこちらにできたか。
《いやぁ。なかなか自由にしていたようだね!はははっ!》
「!」
席を外していながらも、どうやら、こちらの様子はモニターしていたようで。
まるで、いいものを見せてもらったと、言わんばかりの口調で言ってきた。
「……もしかして、ご覧になられたんですか?」
《ああ!ばっちり。いやはや、ガントからTACネーム貰った挙句、恥じない活躍まで見せるとは。それも、現役で、この艦一の暴れ馬に撃墜判定を与えるなんてさ!見られる光景じゃねーぜ!はははっ!傑作だよ、ここ最近での!》
口調から気になり、聞くとその通りだ。
ソードから一本取ったことに、どうも盛り上がっている様子。
《……っととと。つい要件を忘れるところだった。》
「!」
だが、その盛り上がりをわざわざ通信でするわけでもない。要件は別にある。
言い換えてきた。




