すふぃあでおはなえがいたよっ!
《……ぬぬぬ……。海面に上がっときゃよかった。》
《まほう!まほう!!……見たかった……。》
《《はぁぁ……。》》
「!」
だが、予想外に、サカマタさんたちは、残念な様子を見せて。
挙句、溜息をつく始末。
意外さに、つい、目を丸くしてしまった。
《何だ何だ~?イルカどもがやけに悲しそうだな~!》
元気付けに、俺と同じように。
今現在偵察をしてる隊員さんが、期待させるようなことを言ってくる。
《何だと~!あたいらだって、溜息ぐらいつくわ!……極々、それも、もっと極々極々稀に、だけど……さ。》
《ははははっ!なら夜あたり、嵐かもな!》
が、喧嘩を売られたと思われ、怒るサカマタさんは、反発する。
しかし、そうであっても余程珍しいことのようだ。
聞いていた隊員さんは、今日は嵐になるかもなと、言う。
《あ~ん?!あたいらを疫病神扱いすんのかぁ?!こっそりあんたの寝室に爆薬仕掛けっぞ!!!》
《んなことは一言も言ってねぇ!言葉の文だ!!……鋭い時は鋭いくせに、なぜこの時はこうも鈍いんだ、こいつら……。》
やっぱり反発してくる。
サカマタさんは、ついには威嚇までしてきて。
やられた方は、それは誤解だと弁明しているが、傍らで、文句も付けていた。
《何か言ったか?!》
その小さな声さえも、聞き取られて。
サカマタさんは、余計に威嚇交じりに言ってくる。
《あー!何でもない。何でもない。……それよりも、機嫌直しとして、だ。》
そも、言われた隊員さんは、元気付けのために通信をしてきたのであり。
隊員さんは、この場を冷却するように言ってくる。
《おぅ!あたいらの気が紛れるものなら何でもいいぜ?》
それがいかなるものか、期待によって、一応怒りを収めてくれたが。
くすぶりはあるようだ、口調にはまだ、とげとげしさがある。
《ウィザードの活躍は、一応録画してあるんだよ。後で、見せてやるから。》
元気付けの源は、俺の活躍の記録であり。
録画していて、それを見せると言った。
《《?!》》
不意に、やたらと元気のいいサカマタさんたちが、押し黙る。
期待以上のことを耳にして、驚愕のそれと見受けられた。
《《うぃ……っ!!》》
「!」
一斉に口が動いた瞬間に、俺は通信のスイッチを切る。
サカマタさんたちは、隊員さんの言葉を反芻して。
飲み込んだなら、一斉に歓声を上げたようだ。
両手を上げ、喜ぶ様子を見せている。
中には、お礼を言っている様子もある。
「……。」
見ていて、騒音と感じるほどの歓声は済んだと思うや。
俺は通信をオンラインにした。
「!」
丁度そのタイミングで、俺の機体に向かって、手を振っているのを目にする。
嬉しさのあまり、俺の機体を探し出して、やっていたのだろう。
まあ、手を振り返すぐらいは、やってもいいと、手を振ったが。
「あ……。」
肝心なことに気付き、顔を赤くする。
そもそも、俺は戦闘機に乗って、そこにいるわけじゃない。
遠隔操作で、この機体を操っているわけで。
つまりは、その場にはいないし、手を振っているのを見せられない。
「……。」
応じるためには、どうすればいいかと手を止めて、一旦思考する。
「!そうだ……。」
すぐに思い付くことには、スフィアを使えばいいとして。
スフィアを使って、何か、合図のようなことをすれば、いいんだと。
それが、彼ら彼女らへの応答になれるなら。
「ねぇ。」
俺は、盾に聞いた。
「今展開しているスフィアを使って、何か、こう、できないかな?あ、攻撃とかじゃないよ、ほら、ええと……。合図みたいなもの……。」
と。
一応釘を刺しているが。
攻撃方法で応じるのは、ちょっとと思っていて、それ以外を求める。
《では、フォトンシールドを上空に展開して、応じることにします。》
「!……うん。よろしく!」
回答はあり、フォトンシールドを使って、何かするようだ。
どのようにするかは、想像できないが、きっと平和的なことだ。
盾に任せることにした。
応答のために、盾がしたことは、スフィアを動かして。
「?」
不思議なことに。
サカマタさんたちの直上にスフィアを、正五角形を描くように配置する。
《フォトンシールド、オービタルレンジ。展開。》
「!!」
盾が、号令を掛けるなら、光の膜が展開する。
普通に展開するそれではない。
五角形の頂点にそれぞれ、円形に展開していく。
さながら、花開くような展開の仕方。
そして、それぞれが、それぞれ、円を描いて展開するなら。
つまり、共和連邦のシンボルマークだ。
あの、円を花を描くように配置した、図形。
それをこの盾は、スフィアを用いて。
的確に配置し展開することによって、空に描いたのだ。
この、共和連邦のシンボルマークを描くことにより、俺からの応答にした。
なお、その様子に、頼んだ張本人たる俺は、呆然と見とれてしまう。
「!」
《ウィザードが応えた!!!》
《《うぃぃいいいいいいいいいいい!!!》》
「?!あがが……。耳が……。」
見とれていたサカマタさんたちは。
描かれた共和連邦のマークに、俺の意図を汲み取り、さらに喜び、歓声を上げる。
反応が遅れて、俺はダイレクトに彼ら彼女らの歓声を聞き。
その騒音にも近いそれに、耳が壊れそうになってしまう。
《《ウィザード!ウィザード!ウィザード!!!》》
挙句に、サカマタさんたちは、誉れ高き名前を連呼していた。
「……はぁぁ……。」
聞いていて、何だか根負けしたような気分になり、つい溜息をつく。
《モテモテね。》
「……何と返せばいいのやら……。」
マフィンからは、一言、皮肉気味に言われてしまう。
俺は、何とも言えず、聞き入れるしかない。
《でもでも!大和ちゃんすっごーい!》
「……ありがとう。」
素直な意見を、アビーはしてくれた。
言葉数は少ないが、お得意のセリフに、全てが詰まっているようで。
俺は、素直にお礼を言った。
「!」
その言ったことに気付くなら。
「……。」
そっと、俺は体の前に置いている、盾の入っているバックパックを開き。
直に中にある盾に触れて、撫でる。
忘れる前に、しなくてはいけないことは。
この任務における、最大の功労者であるこの盾にすることだ。
「ありがとう。」
俺は、お礼を言った。
《そのコマンドは存在しません。他に要件はありますか?》
「……いや、何でもないよ。このままで。ちゃんとスフィアを遠隔で操作し続けて、ね。」
然れども、盾は無機質だ。
コンピューターのようなもので。
感情とか、そういうのを感知することは、しないようだ。
盾がこれについて言うことには、命令の授受でしかない。
求められるのも、まさしくそれでしかない。
俺は、無機質なそれに、寂しさを感じはするが。
そうであっても、大切な相棒のような物に、礼は尽くさないと、として撫でる。
《了解しました。監視行動、並びに、スフィアのリモートコントロールを続行いたします。》
「……。」
最後の命令だけは忠実に守るようだ。
監視ついでに、スフィアの遠隔操作を受け付け続ける。
「!」
と、そのやり取りの最中に、レーダーに影がまた、4つほど出現する。
場所は一か所ではなく、2か所、それぞれ2つずつで。
母艦を挟むように、だ。
なお、識別信号から、味方であると伺える。
「……これは?……誰だ?」
俺は、覗き込んで言うことには。
一体誰だということで。
《分析中。》
盾は、先のやり取りなんて、気にもい止めずに、分析を開始する。
《速度、並びに、レーダー反射率より算出。巡航速度状態の戦闘機であると思われます。》
「!」
分析結果を告げてきた。
「……ん?とすると。」
言われる結果に、何となく気付きそうになる。
戦闘機といい、4つの影といい。
つまりは。
《当機所属の航空母艦と同にする、戦闘機飛行隊〝ソラネコ〟です。》
「……やっぱり。」
冷静に盾が分析結果を告げることには、やはりな回答であった。
ソードたちだったのだ。
哨戒行動か、あるいは何か。
そういうので今朝、早くに飛び立った一群が、任務を終えて戻ってきている。
ということか。
《こちら、ソラネコ。先ほど、広範囲に渡り、爆発が見られたようだが、状況を確認したい。無事か?》
「!」
機影が見えたなら、通信が入ってくる。
声からして、ガントさんのようだ。
どうも、先ほどの大量の爆発が気になり、通信を入れたという感じ。
《こちら管制官。報告いたします。我々は無事です。さらに、魔術師が、海域内の機雷を完全除去した模様。》
《……ほぅ。一瞬でか。確かに魔術師だな。》
応答は、航空管制をしている人のようで。簡潔に言ってくる。
それだけでも、十分に伝わったか、ガントさんは納得し、返事をする。
状況を呑み込むのが早いのか、は知らないが。
失礼かもしれないけど。
いかつい顔立ちに似つかわしくないほど、柔軟な思考ができる模様。
……だから強いのか。
こっちも、その状況の呑み込みに妙に納得をしてしまう。
《記録等があるなら、後程閲覧したい。何があったのか、知りたいからな。》
《了解。……なお、映像記録については、別途記録されているようです。こちらも後で送るよう言っておきます。》
《ありがたい。それと助かる。》
また、より吟味するために、記録を見たいとも要望を言う。
管制官は了解してかつ、別に用意してある、映像記録も送るようにする。
ガントさんは、付け加えられるそれに、なおもありがたく思っていた。
《?!が、ガント?何?魔術師って?何が起こったの?》
《はぁぁ……。状況の読めん奴だ。》
「!」
その横から、聞き覚えのある声が入ってきて。ソードだ。
現に、耳にして、ガントさんは呆れている。
《それを確認するために、記録を参照するんだ。あと、魔術師という単語で、一体何が起こったか、察したらどうだ?》
《えー?誰だろー?》
「……。」
呆れて言うことには、察しろということだが。
当の察しの悪いソードは、まるで誰かを見ているかのように、疑問を呈していた。
アビーと似ているし、見ているようだ。
何とも言えない。
《……はぁぁ。ウィザードだ!貴様の好きな、な。》
《?!》
あまりに察しが悪いものだから、解答をガントさんが言ってくる。
耳にするとソードは、一瞬言葉を詰まらせる。
《うぃ……。》
ソードは、言葉を紡ぎたく、口を動かして。
《ウィザードぉおおおおおおん!!!どこぉおおお?!》
「?!」
からの、遠吠えみたく発した。
思わず目を丸くするが、まあ、ソードらしいかと落ち着かせる。
なお、レーダー上では、1機だけ異常な軌道を描いている様子はあり。
多分、それがソードなのだろう。




