おっきなすふぃあ、み~つけたっ!
《オプションといたしまして、オービタルレンジによる、レーザー展開が可能になりました。使用いたしますか?》
「……?」
その、一個のスフィアを並走させている状態で、盾が言ってくる。
何やら、特典かオプションみたく言っていたが。
最初よく分からず、首を傾げてしまうが。
「!」
ピンときて、はっとなる。
言っている意味が分かった。
盾が言うことは、いつも俺やマフィンがするように、スフィアを浮遊させて。
レーザー攻撃をやる、ということだ。
最初、機銃だけだったのだが。
スフィアをこちらでコントロールできるようになって。
使えるオプションが増えた、ということだ。
なら、使用したいが……。
「大丈夫なのか?」
聞くと。
《大丈夫です。害をなすことはありません。むしろ、好都合かと。》
「?好都合?」
大丈夫だそうだが、それだけじゃなく。
何か他に、一言があり、これにもつい首を傾げてしまう。
《はい。これにより、自由に出力を調整することができるようになりましたので。機銃の調整をせずに、高出力のレーザーを、機体のスフィアのエネルギーを消耗せずに使えます。周辺海域には、未だ多数のスフィアがあり、獲得できれば作業効率はより向上いたします。》
「……な、なるほどね。」
追加で説明がされることには、機体の機銃を勝手に調整したりすることなく。
自由に調整できるからだそうな。
確かに、自由に使えるスフィアなら、気兼ねなく使える。
おまけに、多数のスフィアを獲得できれば。
よりその個数が増えて、残骸の破砕も容易になるということだ。
使わない手はないと思うなら。
「じゃあ、そうしてスフィアを回収しますか。」
《了解しました。》
告げる。盾は、了解して、また何か動かして。
《では早速、近くにある残骸に向かってください。スフィアの活性も確認されましたので、破砕作業をよろしくお願いします。》
探知してか、情報を教えてきた。
俺は頷くなら、向かう。
《って、大和!……あ~、行っちゃった。まあ、ついて行くけど。》
マフィンは、俺がそうするものだから。
つい声を上げてしまうものの、仕方なくといった感じでついて来る。
目標を確認するなら、いつものように機銃を撃ち込むなら。
「!」
ついでに、さっき回収したスフィアから。
レーザーが放出され、対象を焼いていく。
結構長時間照射して、また、威力も高そうだ、対象から大きく煙が上がっている。
《スフィアを確認。コントロールをいたします。》
「!」
やがて剥き出しになった先に、スフィアを確認するなら。
早速こちらにコントロールを移行させる。
《完了。回収いたします。》
盾がそう言ったなら、スフィアを早速こちらに持ってくる。
《……私でも思うけど、ほんと、魔法使いみたいだわ。》
傍ら見ていたマフィンは、呆れながら言ってきた。
未だに信じられないでいる。
《でもでも!これなら、早く終わるね!》
アビーは、反対に、喜んでいる。
同時に、素晴らしいものを見ていると、気分が高揚している様子も伺えた。
《やっぱり大和ちゃん!ウィザードだねっ!》
加えて、ウィザードと呼ぶ始末。笑顔はそう、証明していた。
「……。」
あんまり、いい顔はしないが、称賛はされているのだからと。
とりあえず、気持ちは受け取っておこうと思った。
「……さあ、作業に戻るよ。」
称賛はそれほどにしておいて、請け負っている以上、作業に戻らねばと。
《は~いっ!えへへっ。》
アビーは返事して、また追従してくれる。
そうして、また破砕作業に戻って。
「……。」
いくつもの残骸を破壊して、スフィアを回収していくが。
もちろん回収は俺がやっている以上、どうなったかと言えば。
沢山のスフィアが俺の機体の周りに浮遊することになり。
それも、結構な数で。俺は、見ていて言葉を失った。
盾が昨日言っていたよう。
、それこそ、想像を超えるレベルで、スフィアを扱えるようだ。
「……大丈夫?」
ただ、心配はあるので聞いてみた。
《大丈夫です。》
盾は、きっぱりと言い切った。
包み隠さないこの盾が言うのだから、まだまだいけるのだろう。
それにしても遠隔操作でよくもまあ。
ここまでできるものかと、内心感心してしまう。
「……まあ、大丈夫なら……。ね。」
大丈夫というのなら、次の目標を確認する。
「……。」
次の目標は、残骸としてはかなりの巨大さを誇る。
《再度スキャンいたします。》
「!」
ぱっと見の大きさもそうだが。
海面より下の部分はどれほどか、盾は解析を始めた。
《解析結果を表示いたします。》
「!」
やがて出たか、盾がモニターに示す。
「……大きいな。」
巨大さは相変わらずで。
さらに、解析された結果を見ても、やはりと頷くしかない。
大きさは予想よりも大きく。
全長は丁度、この機体の母艦である、空母を上回るほど。
破損個所が多くあるが。
それも解析されて、おおよその形状を表示しているなら、空母のそれを見せる。
《およそ、艦の半数を喪失しておりますが、帝国軍所属の航空母艦と思われます。詳しい解析データは、母艦の解析班にお任せしましょう。》
「……はぁ、なるほど。」
その艦に、追加説明はあって。
帝国軍の軍艦らしい。なお、詳しい名称等は不明。
そうであっても、そこに横たわりつつも浮遊する様相は。
確かにここで大規模な海戦があったことを裏付けるものだ。
言葉にするのは難しいがため、感嘆の息を吐くしかない。
《……大きいわね。》
「!……だね。」
傍ら、マフィンもデータを見ていて声を漏らす。
《でもどーするの?おっきいと大変だと思うけど。》
「……それもそうだ。」
アビーもまた。
あまりの大きさに、作業が大変そうだと述べてきた。同意に俺は、頷きを返した。
「……報告はしてみるか。」
大変さはどうこうよりも、まずは巨大な物体を発見したことを伝えようと。
《その方がいいわ。》
「ありがとう。じゃあ、やってみる。」
マフィンは、同意の通信をしてくる。
ならばと、俺は回線を開き、隊員さんにつなげる。
「……ええと、何だか空母クラスの残骸を発見しまして。」
《ああ!見ていたぜ!まずは、なかなかなセンスだと言わせてくれ。はは!ほんと、魔術師だな、あんたは。言ったら皆、話題で持ちきりよ!》
「……。」
早速連絡をしたが、まずは、として挙げられたのは俺の活躍だったようだ。
複雑な表情で俺は、苦笑いをするしかない。
それが、本題ではないのだが。
《……っと。ついつい熱くなっちまった。いやはや、誰が一番多くスフィアを持って帰ってくるか賭けをしていてな。……じゃなくて、それはいいや。》
「……。」
続けてきても、やはり脱線した話題。
どうも、同じ作業をしていた人たちで、賭け事よろしく、何かしていた模様。
もちろん、そうじゃないやと、冷静に隊員さんは、対処する。
《一応、見ていたが、……確かにこりゃ、難儀するな……。》
「破砕とかはできるかもしれませんが、回収はどうかは……。」
やっと本題だ。
隊員さんも、解析データを見ていたようで、唸りながらも、言ってくる。
プロの人たちが言うのだから、想像通り、難儀する代物のようだ。
《まあ、破砕作業はやってくれた方が助かるし。後は、そうだな、サカマタんところでやらせよう。向かうよう連絡してみる。回収は、内部から行う方が、簡単だろうし、あいつらなら、長時間潜っていられるしな。》
「……分かりました。」
付け加えて、破砕作業はやっていいが。
回収はサカマタさんたちに任せるということになった。俺は頷く。
「では、作業に戻ります。」
言って、通信を切り、作業に戻る。
真っ直ぐ残骸を見据えて、目を動かして、スフィアの活性が高い所を探す。
「!」
多分、艦の中心と思われる場所を見付けることができたが。
活性の色合いが薄く感じられる。
「?」
不思議に思っていたら。
《重要区画内に存在を感知。活性が外部表示で薄いのは、深い部分に存在しているからです。ですが、破砕作業に問題はありません。通常通り行います。》
「!……なるほど。」
盾は答えを示してくる。
どうやら、横たわっている艦船故。
およそ深い位置に肝心のスフィアがあるということだ。
そのために、画面のスフィア活性の色合いが薄いのだと。
盾が言うのだから、大丈夫なのだろうが。
深いとなると、スフィアのレーザーだけでできるのか、いささか疑問だ。
「……できるんだよね?」
《できます。時間は掛かりますが。》
「分かった。」
改めて聞くなら、きっぱりと盾は言う。
言い切るならいいかと、俺は了解に頷く。
再び破砕作業に戻るなら、盾がしたことは、集めたスフィアを集合させて。
また、一斉にレーザーを放出させ、一点に収束。
より強力なレーザーを生み出して、目標地点を焼く。
「?!ぐぁ?!眩しい!!」
あまりの強烈な光に、コックピット部分一杯に光が溢れてしまう。
目を瞑り、目を逸らしている中、幸いも感じられた。
センサーか、カメラからの映像だったのと。
バイザーをしていたことは、目を守ってくれたようだと。
《?!きゃぁああ!!何これ!!!》
「……。」
マフィンにも、光は届いたようで、悲鳴を上げていた。
俺は、申し訳なさそうになる。
「……ええとマフィン、何だかごめん。」
《!!あ、謝ることじゃないわ……。作業上仕方のないことなら……。あと、私は今、直接光を目にしなくて、よかったと思っているの……。》
「!」
つい、謝ってしまうが、マフィンは別に問題ないと言ってのけ。
代わりに、幸いだったとも付ける。
《失明してしまいそう。》
「……だね。」
その強烈な光に、互いに同じことを思っていて、マフィンは口にした。
同じこと故、同意に頷きを返す。
「……。」
なお、作業はまだ続いていて、強い光はまだ、終息しないでいる。
よほど、厚い装甲にでも、阻まれているか。
思ったよりも、長い時間だ。
「!」
やがて、一際大きい、金属の焼き切れる音を聞き取ったなら。
同時に、眩い光が天に向かって伸びていく。
先の、直接マキナに乗って、破砕した時にも感じたもの。
どうやら、装甲を完全に焼き切ったのだ。
そのために、活性をもつスフィアの光が、天まで伸びていく。
また、モニター上の、スフィアの活性表示も。
それこそ、画面全体が埋まるほどになり。
……相当なスフィアの活性があると見受けられる。
「……強いな。」
感じる威圧のようなものに、スフィアの力強さを垣間見て、つい呟く。
《活性より分析。対象のスフィアは、直径20cm。艦船に搭載される平均的な大きさです。》
「!……大きいな。」
盾が冷静に分析していて、結果として言うには。
今まで手に入れたスフィアの中でも、トップレベルに巨大な物。
《艦船用の動力源のみならず、相当数のスフィアへの供給もあって、対象の発するエネルギーゲインは、莫大なものとなっています。》
「……へぇ。」
追加説明では、他のスフィアへの供給も兼ねているということで。




