しゅつげきするね!
真っ直ぐ見ると、照準器のような表示も。
他、色々と画面があるようだが。
こちらはまだ、〝オフライン〟と書かれてあるだけで、一切の情報がない。
「……?」
不思議さに、首を傾げていた。
「!お!不思議そうにしているな。ははぁ!驚いた?これが、本格仕様の物、ということさ!」
「!……はい。」
俺の様子に察した隊員さんは、言ってくる。
本格仕様ということに、納得をして、頷きを返した。
「んじゃ、まだ説明不足は否めないが、上で待たせている奴らが文句を言いそうだ、そろそろ始めるぞ。閉めるぜ?」
「!」
察しや、様子のそれはこれまでにしてと。
隊員さんは次に、カプセルを閉めると言ってきた。
頷きを返すなら、隊員さんはにっこりと笑みを浮かべて。
開いたカプセルの上部を軽く撫でた。
すると、上部が下がっていき、俺の姿を中に消していく。
視界はやがて闇に閉ざされて。
だが、バイザー上の、モニターみたいなものは光を放っていて。
完全な闇ではない。
《やり方は分かってる?分かんなくても大丈夫だ!座席の前にあるモニターにスタートと表示されているから、それを押せばいい!》
「!はい。」
昨日扱ったから、何となく覚えてはいることだが、改めて説明をしてくれる。
頷きを返して、闇だらけの周辺を見渡すなら。
丁度、座席のすぐ前、胸ほどの高さの場所にある。
モニターに、小さな点滅を見付けた。
〝スタート〟と書かれてあり、まさしく、といった感じだ。
言われた通り、押したなら、視界が急に光に覆われる。
モニターも、また、コックピットの窓部分も、光が溢れて。
かつ、バイザー上の情報表示が、成されていく。
〝オフライン〟だった表示が変わり。
地形や、方角、風速、風向、気圧などを眼前に表示してくる。
どうやら、眼前で全ての情報を得られるようだ。
《びっくりした?いきなり色んな情報が出てきたろ?》
「!は、はい!」
《へへへっ!いい反応!》
「……あはは。」
また、その様子を察して、例の隊員さんが通信してくるなら。
何と、バイザーの端に、顔まで表示されて、笑いながら言ってきた。
顔まで見せて、チャットもできる仕様のようだ。
このハイテクさには、内心驚いてしまいそう。
《それじゃ、他の人も!》
「!」
他の人、つまり、アビーやマフィンも搭乗するようだ。
《えへへっ!真っ暗~!!》
「……。」
アビーのお気楽な声が響く。様子から、カプセル内に搭乗したようだ。
《ふぅ~……。また昨日みたいな目に遭わないわよね……。》
マフィンも搭乗した。溜息交じりに言うことは、不安で。
無理もないか?マフィンは、昨日シミュレーター内で撃墜されて。
挙句、腰を抜かしてしまったから。
《おいおい!んな危険なことはないぞ!ここら辺は、もう、帝国の残党軍なんていやしねぇんだから。》
マフィンの不安を和らげるように、隊員さんは言ってくれる。
言葉から感じられることには、言う通り、この辺りは平和なものということで。
だから、例えば敵機が現れて。
昨日みたく壮絶な空中戦は繰り広げられまい、ということだ。
《……そのことは嬉しいのですけどね……。ただ……。》
不安は何も、それだけじゃないといった含みを、マフィンは返してくる。
まだオンラインじゃないからか、表情は出ていないが。
その言葉だけで窺い知れることには、やはり昨日のこと。
アビーが誤った操作で、激突することだ。
《どったの?まだ何かあるのか?》
隊員さんは聞いてきているようだ。
《……衝突したら、嫌ですのよね。》
《あ~、あぁ~ね。まあ、普通の戦闘機なら致命的だわな。安心しろ!いざという時は、回避できるから、うん!それこそ、異常な機動性でな。大丈夫!他にも自動で回避してくれるからさ!いいもんだろ!》
マフィンは、抱いている不安をきちんと口にして。
隊員さんの回答は、最初、曖昧な感じであったが。
軽く思考してか、それなりに納得のいく答えを提示してくれた。
いざという時は、自動で何とかしてくれるそうな。
傍らで聞いていて、何だかこちらがほっとしてしまう。
《……幾分か、気が晴れましたわ。ありがとうございます。》
マフィンは、気分が幾分晴れたか、安心したように言い、お礼を述べている。
口調からも、その通り、不安は緩和されているみたいだ。
《じゃあ、不安解消したところで、二人とも、オンラインにして!》
そのお礼を聞いて、ならば次はと指示を出すことには、こちらと同じこと。
《これね。昨日やった通りだわ。》
マフィンは言われて、操作する。
《うわぁ!眩しい!》
アビーも操作したようだ、眩しくなった際に、声を上げた。
「……。」
静かに聞いていて思うことは、揃ったかということで。
《おっし、皆準備できたか~。おう!トム!》
《こっちはできてるぜ?何か?今から艦隊演習でもするのか?こんな豪華なことはないぜ?》
「!」
隊員さんの他に、通信が入り、かつ、バイザーに顔まで表示される。
その人はまさしく、甲板で作業していたあの人で。
また、先ほどとは違い、一人だけの会話ではなく。
ちゃんと甲板の、トムさんとの会話も聞き取れる状態となっていた。
《違う違う。準備!》
《分かっているさ!できてるぜ?数機とは言わずに、な!》
《今から戦争するわけじゃないだからさ……。まあいいけど。んじゃ、出していいぜ!》
《ははははっ!冗談さ!じゃあ、行くぜ!……っと、その前にっと。》
「?」
いよいよ出発だというタイミングで、トムさんが何か思いついたか。
妙な言葉切りをする。
気になって、首を傾げた。
《ウィザード隊が出るぞ!!》
「?!」
言葉切りに、何かを企んでいるかと思いきや、掛け声のようだ。
それも、俺たちにではなく、別の、そう甲板で作業している作業員たちへの。
掛け声を聞きつけた、甲板で作業している人たちは。
一斉に集まって、整列するなら。
《帽振れー!》
トムさんの掛け声と共に、被っていた帽子を脱ぎ、振りだした。
「えぇー……。」
何という歓迎か、あるいは壮大な見送りに。
これでは出発しようにもできないと思えてならない。
だが、発艦の主導権は向こうだ。
「?!うぉあ?!」
トムさんは、歓声がいい具合に上がるタイミングで、射出をする。
画面が勢いよく過ぎ、あっという間に、俺は、いや、俺たちは海原に出てしまう。
また、発艦の勢いは、リアルタイムで座席に反映されて。
圧力がこちらに伝わってきた。
「……!」
感じる感覚は、昨日のシミュレーターのそれに近いが、よりリアルだ。
……実際に動かしているという感覚か、これが……。
「……。」
射出の勢いがなくなったなら、手にした操縦桿や、スロットルを操作。
「!」
加速、減速は非常に速く、軽くスティック状の操縦桿を倒せば。
画面はまた、戦闘機とは違って、より素早く傾いた。
小さいからか、機動性がいいからかは知らないが、思ったよりもすごい?
《わわわわわ?!ちょ、ちょっと、び、敏感過ぎるわ?!》
マフィンもまた、操作して、感想を言ってきた。
昨日のシミュレーターよりも敏感に反応するのかもしれない。
《あっはは~!たーのしー!!》
「……。」
そうであっても、動じないのは一人。
アビーであり、操作が多少変わったぐらいでは、動じてない。
また、画面にはレーダーも表示されて。
自機の他、側に2機、アビーとマフィンがいて。
動かしているのはレーダー上でも見受けられた。
マフィンのだろうと思われる機体は、フラフラだが。
アビーのは縦横無尽に、飛び回っていた。
「……。」
昨日のあれだけだってのに、もう操作を覚えたのか……。
この点、驚きに言葉を失う。
「……ええと、装備は……。」
呟くなら、気になるのは装備で。
画面のパネルを操作しようと、手を伸ばして触れるなら。
「!」
情報は、すぐにバイザーに現れる。
《使用可能兵装は、レーザー機関砲のみです。なお、射角180度で射出可能です。スフィア活性がありますが、稼働時間は限られています。見積もって、2時間ほどです。ご注意ください。なお、高加速状態での稼働時間であり、巡航速度では、稼働時間は伸びます。また、通信範囲外に出ることはできません。》
「……!えぇ?」
またすぐに、説明が述べられるが、それは盾からだ。
バイザーに画像が表示されるが。
いつの間にか、あの盾の姿そのままで、解説をしてくれる。
つい、盾がそうするものだから、戸惑ってしまった。
《また、機体下部に、マウントできるスペースがあり、推測では、この場所を使って、スフィアを回収するものと思われます。》
「……。」
追加説明もされる。
静かに聞いていたが、疑問はある。
どうやって情報を仕入れているのか気にはなるが。
ちらりと画面を見ると、情報が色々とスクロールしていることから。
相当な速度で情報を精査しているようだ。
……本当に、何でもできる十徳盾と名付けたくなったよ。
《もし、この兵装がお気に召しましたら、購入をお薦めします。スフィアによる通常の攻撃方法に加え、より高密度の攻撃が可能になりますが。》
「……それは、別の機会にするよ。」
精査した挙句、この盾は気に入ったか、購入まで薦めてきた。
流石に軍用兵器までは、よく分からないと、機会を別にさせてもらう。
《了解しました。では、レーダーチェック、モニターに戻ります。》
「……。」
俺が伝えたなら、盾は静かになる。
《……おーし!皆飛べたな~。じゃあ、作業を説明するぜ!》
「!」
盾が静かになったなら、内部はまた、静寂になりそうだったのだが。
間髪入れずに、今度は隊員さんが説明に入ってくる。
その様子に、つい緊張をして、聞き入る。
《あぁ、緊張しなくていいぜ。単なる偵察みたいなもんだから。……分かるかどうかは別として、今哨戒している奴らがいるが、まだ、行っていない場所があるんでな、そこに向かってみてくれ。座標は表示させる。》
「!わ、分かりました。」
なお、緊張していると思われて、ほぐすためにまず言葉を掛けられたなら。
次には何やら、モニター上に地図が表示され、かつ、目標地点も示される。
赤い丸が示された場所が目的地のようだ。
丁度、艦隊が進む先で、他の人がまだ調べていない場所。
俺は、見て、了解として、頭を下げた。
「……。」
場所に向かうべく、機体を右に傾けて、旋回。
水平に戻したら、真っ直ぐその場所へ向かう。
地図上と、レーダーに、続く2機の影。
アビーとマフィンもまた、きちんと続いてくれている。
スロットルを操作して、速度を上げて、向かうならば。
「!」
やがてモニターといい、視界といい。
残骸が多数、表示された。同時に、照準器も動いて。




