おてつだい!いよいよ!
「……。」
その際、挙げられた二人、アビーとマフィンを俺は交互に見ると。
二人は無言であっても、頷きを返してくれる。
了解のそれ。
「よしっ!じゃあ、三人とも、いいってことなら、早速準備するか!」
「!」
俺とアビー、マフィンが了解したとなるなら、隊員さんは準備に取り掛かる。
カプセルの方に走り出すなら、手を当てて。
カプセルは、顎が開くように動き。
隊員さんは確認するなら、他のカプセルにも手を当てて、丁度人数分を開く。
「っと。後これ。」
「!」
「?これは?」
下準備よろしく、今度はヘルメットを手渡してくる。
昨日見た、シンが使ったヘッドギアとは違い。
本格的な、そう、戦闘機のパイロットが付けるような。
頭を完全に覆い、また、トンボの目のような、膨らみあるサングラス?
いや、バイザーが備えられた物。
「へへっ!多分昨日使った時には、付けていなかっただろうが、な。本格的に使うなら、これを付けないと。これを付けるとな、眼前でステータスが分かる代物さ。」
「!な、なるほど。」
自慢げに言うことには、本格的な使用に際して用いる物らしく。
言われて俺は何となくながら、つい頷いてしまう。
一応傍ら思っているのは、以前見たことがあることで。
そう、この艦に来た時に。
ソードたちが戦闘機から降りた際、拭うように取った時の。
それがないと、本当に扱うっていうことにはならないってことか。
これなら、納得もいきそうだ。
「……?あら?でも、昨日はそれを付けてやらなかったわ?」
マフィンは問う。
思っていた通りで。
確かに昨日、俺たちは付けていなかったけれども。
「あ、多分単なるシミュレーター程度なら、問題はないな。あった方が何かと便利だけどね。まあ、ヘルメット自体、重いし気軽に着用できる物じゃないし、な。多分、ソードはそれで薦めなかったんじゃない?」
「……は、はぁ。分かりました。」
答えとしては、シミュレーター程度なら問題はなかったということと。
多分、ソードのことだから薦めなかったと。
何となく理由は分かり、俺は返事一つ、頷く。マフィンもまた。
「それより、ほれ。被ってみ?見た目以上に、クールだぜ?」
「!」
理由はそれほどとしておいてと、隊員さんは、代わりに手渡してくる。
「?!」
受け取るなら、思った以上に重く。
つい、目を丸くしてしまった。
「……ちょっと?!お、重い……!」
マフィンもまた、同じように思ったか、言ってきた。
「……?!あ、あれ?!」
なら、この流れならアビーもっと、ふと思ったのだが。
アビーを見たら、大して何も感じていない様子。
その様子に、俺はまた、目を丸くしてしまった。
むしろ、軽々と持って、物珍しそうに、全体を見て回っていた。
「……?どうしたの?」
「……いや、何でもない。」
俺が、驚きながら見るものだから。
アビーは視線に気付き、首を傾げて不思議そうに聞いてきた。
俺は、何でもないと首を横に振る。
重たくないのか、聞きたくもあったが。
しかしアビーである。
考えていないと思ってしまうと、聞くのも野暮に感じてしまう。
「?変な大和ちゃん!」
「……。」
アビーは不思議そうにしながらも、締め括りに言って。
にっこりと笑みを浮かべた。
俺は、何も言えないでいた。
「じゃあ、お先に被るね!」
「!う、あ、ああ。」
そんな俺は放っておくとして、興味のある。
手にしたそのヘルメットを、頭から被る。
俺は、見届けて。
「!うー、何か変な感じ~!」
「!!」
被ったなら、開口一番は、そんな感想で。違和感をそのまま口にしてきた。
「!ちょ、ちょっとアビー……!ぷ、ぷふっ!」
マフィンは、アビーがヘルメットを着けたのを見たが。
どうも違和感だらけについ吹き出しそうになる。
俺も見ると、確かに、そうなりそうだ。
俺たちもそうだが、無骨なヘルメットは、この服装には似合わない。
それなのに、軍用のヘルメットを着けるのだから、違和感だらけで、おかしい。
思わず俺は、口元を押さえた。
「むぅ~!笑わないでよー!」
アビーは、よく分かっていないが、マフィンの様子にむくれ面を見せる。
「だってぇ~。その姿、ほんと、おかしいわ!」
追い打ちを掛けるように、マフィンは言って、同じようにヘルメットを被る。
「?!う、本当に重いわ……。」
感想は重そうで、また、いきなりな重さに、マフィンは軽くよろめいた。
「ぷふっ!!」
その姿と、様子に、今度はアビーが吹き出す。
口元を押さえてはいても、既に笑いは漏れている。
「!!アビー!……うぐっ!お、お返しに笑われた……。」
つい、笑ったことに注意しようとしたが。
だが、お返しと感じ、歯痒い思いをしだす。
「……。」
俺は俺で、口元を押さえて、笑いを堪える。
何せ、アビーの服装には似合わないし。
まして、マフィンのような、ゆったりとした服装は、なおのこと不釣り合い。
かなりのシュールさだ、笑いが込み上げてくる。
「むかっ!大和!!笑わないでよ!!」
「うっ!ごめん!」
笑いが込み上げてきたのは悟られて、マフィンは俺にむくれ面を見せる。
怒らせてしまったと、俺は頭を下げて。
「!」
「って!それよりも大和!あなたも早く付けなさい!!」
むくれ面の果てに、マフィンが言うことは、不公平だということだ。
ある意味反撃される。言われて俺は、やむを得なくて。
言われたなら仕方ないや、自分の頭にヘルメットを持って行き、覆う。
「?!」
が、マフィンがよろめいたと同じように、こちらもよろめきそうになる。
「ぷぷぷっ!ほら見なさい!あなたも同じじゃない!」
「!……ぬぬぬぅ……。」
こちらも、反撃に笑われた。
ぐうの音も出ない。
歯軋りだけするしかない。
「あ~あ~!じゃれ合っているところ悪いけど……!」
「!」
「!っと、いけない!忘れていたわ。」
が、じゃれ合いと思うやり取りは、急かす形になってしまったが。
隊員さんが止めてしまう。
俺とマフィンは、はっとなって真顔になって、互いに見つめ合う。
「ま、仲がいいことは構わないけどね。ほら、準備はしてあるから、待たせるのも悪いだろ?」
「!」
続けては、待たせるのも悪いということで、そっと呆れた笑みを浮かべた。
「すみません。」
「……す、すみません。」
「!う、ごめんなさい!」
この機会を与えてくれた隊員さんに、悪く思ったなら、三人して頭を下げた。
「へへへっ。まあ、いいってさ。ほら、早く乗りな!」
別に、気を悪くしてはいないようで。
ならば、隊員さんは、カプセルを手で示して、促進していく。
「!」
意味することは一つ。
手招きの先は、これに搭乗するということだ。
途端、先ほどの騒がしさはどこへ行ったやら、逆に緊張が走る。
「……。」
折角の手招きに、従うように動くが。
つい、何だかここに残る人に、振り向きたくもなった。
「!」
振り向くなら、レオおじさんやエルザおばさん、シンは気付いて。
「……ええと、行ってきます。」
気付いたなら、俺は戦に行く前とばかりな緊張伴って、そう言ってしまう。
「!おいおいおい!」
「!」
察したレオおじさんは、ニヤリと笑ってくる。
何でだろうかと、俺は不思議に思って。
「別に危ないわけじゃないんだからよ、んな顔すんな!俺たちは、ここにいるからさ!がははは!頑張ってこいよ!」
俺がふと抱いた、不安とも、緊張とも。
あるいは、今から死地に飛び立つような雰囲気だったかは。
レオおじさんの豪快な笑いに飛ばされる。
「大和!そうよ。別に昨日の続きのようなものじゃない。気にし過ぎよ、あとリラックスしなさいな。」
「!」
マフィンが横から言ってくる。フォローを入れてくれたが。
「……ぷふっ……。」
緊張も何も、改めてマフィンの姿を見たら、つい笑いが込み上げてしまう。
「!……もぉぉ!また!」
マフィンは頬を膨らませて、俺が笑ったことに腹を立てる。
「ご、ごめんよ。……けど、緊張もほぐれたかも。ありがとう。」
「!……ど、どういたしまして。」
詫びとして相応しいか分からないが、だが緊張とかは消えて。
何だかいつも通りになってしまう。マフィンには、ついでにお礼も述べた。
マフィンは、俺がお礼も言うものだから、戸惑ってしまう。
緊張はほぐれて、また、このまま続けても余計待たせるだけだと。
俺は軽く手を、残されるレオおじさんやエルザおばさん、シンに振っては。
カプセルへの搭乗を急ぐ。
遅れて、マフィンやアビーも登場したようだ。
「!」
と、俺は座ったところで。
自分の背中にあるバックパックが当たるのが、気になり。
「……。」
降ろすのも忍びなく、俺は徐に自分の体の前にやり、腕を通しておいた。
その、体とバックパックの間に、シートベルトを通した。
座席と体が固定されるなら、搭乗は完了する。
「……。」
また、精一杯体を動かして、カプセルから体を出すなら。
残る皆に向かって、手を振った。
「!頑張れよ!」
「頑張りな!」
「が、頑張って!お兄ちゃん!」
気付くなら、皆もまた、手を振って応じてくれる。
それぞれが、それぞれの言葉で、俺を見送る。
「……。」
静かに、その応援の言葉を受け取るなら、また席に戻る。
「おう!準備はいいか?」
「!は、はい!」
《システムに異常はありません。行けます。》
「……?」
隊員さんは、俺の様子を見ていて、終わったと思ったなら。
席の上から顔をだし、再三再四ながらも、聞いてきた。
もちろん、不備はないと、俺は頷くなら。
ついでに、バックパックの中の盾も応じてくれる。
誰が喋ったか気になり、首を傾げられた。
「……あ~、まあ、いいか……。お守りを持ち込む奴もいるわけだし。例えばウィッチとか、……な。」
「あ、はい。……。」
そうであっても、自分なりの方法で納得してみせたようだ。ただ、例として挙げられたのが、ウィッチさんとは、ね。
複雑な感じがするし、他にも、そういうゲン担ぎをする人は、多そうだ。
「じゃあ、そのバイザーを下ろして。」
「!はい。」
ゲン担ぎの件といいは、置いといて、次の作業に移ることにしたようだ。
指示することは、ヘルメットのバイザーを下ろすことであり。
言われた通り、下ろすなら。
「!」
眼前がサングラスのような、黒みがかった視界になり、つい、息を呑むが。
次には、テレビや、パソコン、スマホのようなモニター風に。
映像や、情報が投影されてきた。
波形とハートマークのあるものも表示され、鼓動に合わせて上下。
振動することから、これは、心拍などをモニターしていると思われる。




