表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ねこみみゆうしゃ大和ちゃん】ようこそ!リオンキングダムへ  作者: にゃんもるベンゼン
こうくうぼかんのにちじょう
73/186

あさごはんおいしー!

 「!何だか皆すごいね!もう、シャキッとしてる!」

 「!」

 アビーは、俺が考えていたのと同じことを、口にする。

 「……まあ、それはそうよ。ここは、いつも私たちがのんびり暮らしている村じゃないの。皆、何だかんだで真剣なのよ。」 

 マフィンは、アビーの言葉に、突っ込んできた。

 「えへへ。そうでした~。」

 アビーは言われて、にへらと笑う。

 「……全く。アビーはいつもそうね。」

 マフィンは、その様子に呆れる。

 「!」

 そうしている内に、列は進んでいて、いつの間にかこちらの番になっていた。

 目配せするなら、そう言えばと気付いてこちらも進み出る。

 進んで入り口を潜ると、昨日見た例のプレートがあり、皆一様に手に取っていく。

 変わりないその様子に。

 おいそれと食器を用意するのも時間の無駄であるということか。

 故に、効率を求めて、同種の金属プレートに統一しているということのよう。

 なお、メニューは違う。漂ってくる香りも、昨夜のそれではない。

 まあ、メニューまで同じだったら、ソードとてああは言うまい。

 食事が楽しみである人たちにとっても、きっと味気はないだろうな。

 ようやく、配膳の場所まで進むなら。

 「!」

 厨房の人も、違うようで。

 厨房係も、シフトが決まっているのか、交代しているらしい。

 特徴として、昨日見た、厨房係とかのおじさんではなく。

 一部女性隊員がいてそれも、こちらと同じ、猫の耳を持つ人だ。

 年も、格好もこちらに近い。

 なお、髪が長いことから、クーンやウィッチさんを思わせるが。

 多分面識はないだろう。

 「あれぇ?今日は違うんだ?」

 アビーは、口をついて出す。

 「!あ、昨日来たウィザード一行の……。あ、うん。そうだよ!」

 気付いたその人は、耳を立てて、こちらに顔を向けては言って、頷く。

 「働き詰めもよくないの!だから、交代交代でやってるの。大丈夫!味は変わらないから!……でも、よく分からなけど、男の人たちは何だかあたしが当番の時は嬉しそうにするんだ。何でだろう?分からないや!」

 「へぇ~。大変だね!」

 「……。」

 その人は続けて、業務のことを言う。なお、最後は不思議そうにしていた。 

 アビーは、にっこりと笑いながら、労わりの言葉を掛けてあげる。

 傍ら俺は、何も言えないでいる。

 それは、内容によってか。

 どうやら、この艦の人たち、特に男性陣は。

 少なくはないが女性のことが気になっているからだろう。

 何となく気持ちが分かりそうで、俺は苦笑してしまう。 

 「まま!食べてってよ!」

 話もそこそこにして、その人は配膳をしていった。

 「……。」  

 配膳されたプレートを持ちながら、歩いている中、ちらりと内容を見る。

 ケチャップがけのスクランブルエッグに、トーストと牛乳。

 後はコーンスープという組み合わせの、前の世界でいう洋食スタイルのようだ。

 これも多分、時間短縮のためか?

 そこは分からない。 

 内容を見ていて、と、皆に遅れまいと顔を上げて探すなら。

 皆は既に、席を確保してくれていて。

 また、その際見渡したが、昨日の夕食時とは違い。

 皆はそそくさと離れているようで、わりかし席はどこも空いていた。

 「ごめんよ。つい、見とれていた!」

 皆の手招きに、俺は遅れたと詫びて、皆と一緒に座る。

 「仕方ないわね。珍しいんだし。こういうの、村じゃ見掛けないからね。」

 「!」 

 フォローにマフィンが言ってきた。物珍しくなるのも、仕方ないと。

 確かに、あんまりこのようなメニューは村じゃ見受けられない。

 エルザおばさんや、マフィンもあんまり作らないし。

 というか、見掛けたことはない。

 「それじゃっ!食べよっ!!」

 「!そうだね。」

 「!そうね。」  

 俺が揃ったならと、アビーは催促して。

 マフィンは、とりあえず話を区切り、皆に目配せしてくる。 

 俺は、頷いて応じる。

 マフィンがそうして、手を合わせたなら、皆も合わせて。

 「それじゃ、いただきます。」

 「「いただきます!」」 

 「……。」

 マフィンが掛け声をするなら、合わせて出す。

 そうしたなら、何だか不思議と笑みが浮かんでしまう。

 「?どうしたの?」

 「!……いや、何でもないよ。」

 「?変な大和ちゃん!」

 アビーは、俺のことが気になり、つい声を掛けるが。

 俺は何でもないと首を横に振る。 

 変だとアビーは笑った。

 俺は、何だかこれが、軍艦内では結構違和感があるなと思い。

 どこの誰も、手は合わせることはすれど、このように掛け声をかけることはない。

 つい違和感に。

 まあ、アビーはアビーのため。

 言ってもきっと、変な大和ちゃん、で返しただろうけれども。

 「んー!おいしー!!」

 アビーは、先のことを気にも留めず、早速と料理に手を付ける。

 口に含んだなら、蕩ける様な表情をして、言ってきた。

 その様子から、余程美味しいのだろうと伺えた。

 こちらも手を付けて、トーストをちぎり、スープに浸して口に含むなら。

 「!」

 アビー同様、思わず頬が落ちるかと思うほどの美味しさを感じた。

 昨日のもよかったが。

 朝のこれは、美味しさによってはっきりと目を覚まさせてしまえるほど。

 ……昨日もソードが言っていたが。

 確かにこれを求めるのを楽しみにする人間もいても、不思議じゃない。 

 「あら!おいしい!」

 マフィンも同じく言い、美味しさに驚きを見せる。

 「あら!いいわね!」

 「食ったことはねぇが……美味いな!」

 「!!すっごーい!」

 エルザおばさんや、レオおじさん、シンもまた、それぞれ美味しさに称賛を。

 その様子は、やはりアビーと同様、頬が今にも落ちそうなほど。

 朝一番のこれには、なかなかな衝撃を持って、目を覚まさせてくれる。 

 「ねねね!マフィンちゃん!これ作れる?!」

 「?!ぅぇっ?!」

 その衝撃が相当なものか、感動にアビーは目を輝かせて。

 挙句料理上手であるマフィンに聞いてきた。

 珍しくマフィンは、変に素っ頓狂な声を上げてしまう。

 あまりの美味しさに、我を忘れていたマフィンは。

 衝撃に思わぬ声を上げていたようで。

 また、目を丸くして、さらに思考が鈍ってしまう。 

 「……って。ううん!」 

 マフィンは、頭を振り、我を取り戻して冷静になる。 

 「……全く、いきなりなんてことを……っ!もう。」

 マフィンは、困ったように言っては、呆れも含めて。

 「……アビーの食いしん坊は相変わらずだけど、いくら私でもこれは。第一、私だってできるか分からないわ。レシピも知らないし、知っていても、材料が揃えられるかどうか……。」

 「?んにゃ?」

 「?!き、聞いてない……っ!えぅぅ~……。」

 アビーへの回答に、頭を抱えながら言うものの。

 当の本人は、残念ながらどれほどの大変さか分からない様子、首を傾げるだけ。

 見てマフィンは、悲しそうな声を上げて、頭を大きく抱えてしまった。

 「?!あ、あれ?!マフィンちゃん?!」

 マフィンがそうするものだから、アビーは途端不安になり。

 慌ててマフィンのフォローに入ろうとする。

 「そ、そのごめんね!よ、よく分かんなくて……!」

 「……い、いいわ。はぁぁぁ……。全く、いつもいつも、アビーはそんなんだから……。はぁぁ……。」

 フォロー次いで、詫びも入れはしたが。

 マフィンは頭を抱えて、大きく溜息をつくばかり。 

 そこに諦めがあり、しかし、アビーは悪気があってやってるわけでもないと。

 致し方ないといった感じだ。

 「……まあ。何事も、大きく気にしないってのは、ある意味アビーらしい所だわね……。」

 顔を上げたなら、諦め半分、結論付ける。

 もっとも、前々から理解していたことだろうけれども。

 「?あれ?あたし褒められた……?」

 「……。」

 なお、妙に鈍いアビーは、マフィンのそれを誤解する。

 俺は、内心これは褒めていないと心の中で、突っ込みを入れ。

 なお、表には苦笑をするばかり。

 マフィンは、アビーのその様子に、またやっぱりと、頭を抱えた。

 

 談笑交じりの朝食を終えたなら、食器を戻して、早々に立ち去る。

 いくら、余裕があるとはいえ、流石に昨日みたく長居するのも気が引ける。

 マフィンの指示に、皆従って。

 「ごちそうさまでした。」

 マフィンは、代表して、厨房に挨拶をする。

 「……その、ごちそうさまでした。」 

 俺も続き。

 「ごちそうさん!」

 「ごちそうさま!」

 「ご、ごちそうさまでした……。」

 レオおじさん、エルザおばさん、シンが続く。

 「!うん!ありがとね!」

 耳にして、奥からさっきの調理係の少女が顔をだし。

 笑みを向けて、こちらに軽く会釈し、見送っていく。

 その笑顔の見送りの後、朝の忙しさ伝わる空間から、抜け出し。

 また通路に立つことになる。

 「……っと。今日は急いじゃったわね。」

 マフィンは一番に言う。

 「!……そうだね。いつも、こんなに急ぐことないし。」

 マフィンの言葉に、俺は乗じて言う。

 傍ら思うのは、いつもの日常。

 いつもは、こんな風じゃないし。

 あの、のんびりとした村風景には、急く世界は似合わない。

 ただ、珍しくもあり、違う日常にまた、つい心躍りそうになる。

 「でもでも!何だかいつもと違って、不思議~!」

 アビーは、こちらを代弁するように口にしては、やはり心躍らせて。

 軽くその場で弾んだ。

 「……。」

 見ていて、確かにそうだけどもと内心思いながらも。

 アビーのその姿には、苦笑を見せてしまう。

 年恰好には不釣り合いな幼さは、違和感だらけ。

 けれども、アビーらしくはあるけれども。

 「……ふぅ……。」 

 マフィンも同意見のよう。

 呆れて果てて、もうアビーのそのことに何も突っ込みやしない。

 「……さぁて。」

 「!」

 突っ込むことをやめて、話題転換。

 マフィンは軽く息を吐いては。

 「……早速だけど、例のシミュレーションルームへ行きましょうか。」

 方針を告げる。 

 皆は、特に否定もすることはなく、同意に頷く。

 朝食を採る前に、飛行甲板であった出来事だが。

 興味があるなら、ということで。

 また、否定も何も、予定はとりあえずこれしかない。

 皆そうするならと、マフィンは満場一致の決定として、向かうことにする。

 「?!」

 と、俺が持っていた通信機が妙な音を立てた。

 何事と思い、取り出すなら。

 《げぇええええ?!とんでもないもの釣り上げちまった!!!》

 《くそっ!残骸ならまだしも、……よりにもよって!!》

 《ヘリを!!……そこら辺飛んでんだろ!》

 《それよか、海獣どもは、サカマタたちはどうだ?》

 《却下!!!あいつら、気が利く風だと思うか?後、多分あいつら今、通信できない。》

 《よぅし!撤回だ!踏ん張れ!!ヘリが来るまでなっ!》

 「……?」 

 どうも、通信からは奇妙な会話が聞こえて。

 割と、緊急事態な気もしてならない。

 「!」 

 ふとそんな時、思い出すことがある。

 それは、朝起きて、通路に出た時、すれ違った隊員さんたちの姿で。

 何だか、釣りの道具を持っていた気がしたが。 

 緊急事態な様子に、変な胸騒ぎがする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ