おもしろいことをしった!けどおなかが……
俺は、何だそれと違和感と疑問に、首を傾げる。
他の皆もそうだが、何より、代表のマフィンもまた、疑問を聞く。
俺も思っていることそのままで。
海のごみの片付けとか、清掃とか。
そのためなら、わざわざウィングビットなる、攻撃兵器を使う必要はない。
むしろ、海に漂うであろうゴミを拾うなら。
網なり何なり、それ系の物の方が効率も良いのでは?
「あ~。そうだな。いわゆる、漂っているゴミであっても、そんな、やれ木材とか何とかじゃないのさ。それよりも、厄介なゴミだよ。いや、もう一つの目的もあるのさ、それは……。」
「!」
マフィンの疑問に、応じるようで、頭を掻きながら、言葉を選んでいく。
言い出すことに、確かにゴミだが、単なるゴミじゃないようだ。
また、他にも、あるようで、言い切りに何か、抱かせてくる。
「危険な物さ。ゴミであるなら、巨大な、そうだな、金属の塊みたいなやつ、それも、残骸と呼べるレベルのな。後は、機雷だ。」
「!」
続けて紡がれることには、巨大な残骸であるのと、機雷の存在。
「……?」
確かに、それの除去なら、納得もできようが。
ゴミはゴミでも。
残骸の類が、そんなに浮いているのかについては、疑問が生じて。
俺は首を傾げる。
まず、軽くなさそうなそれらが。
それも巨大な物が、おいそれと浮遊できるものだろうかと。
ああ、機雷については、何となく分かるけれども……。
「う~ん。難しいか。機雷ってのはな、攻撃兵器だ。」
「?……は、はい。」
話していた隊員さんは、やっぱり難しいかと困り顔。
多分理解していないと思ってくれて、丁寧に説明をしてくれはするが。
少しずれていた。
なお、丁寧な説明をしてくれている隊員さんの、話の腰を折るのも悪く。
俺は聞き入る。
「地雷なんかと似たようなもんで、どこにあるか分からず、触れるなり、その上を通り過ぎるなりすると、船の底を破壊するように、爆発する代物さ。そうなると、軍艦だって、ただじゃ済まねぇってことさ。いやまぁ、艦載用のフォトンシールド上げればって言われちまったらそれまでだが、な。それでも、今の機雷はそのシールドさえぶち抜いてくるからな。そう言うことさ。」
「は、はぁ。」
機雷の説明は、分かりやすくはあった。
「あと、ここら辺は、結構大規模な海戦もあってよ、怒った帝国が、これ幸いと封鎖するために、機雷をばら撒いてしまった可能性もあるってことさ。ま、航路の安全のため、こうしているのさ。」
「……な、なるほど。」
根拠もまた、告げられて。
俺は、頷いて理解を示した。
「……。」
ただし、それだけで全て終わったわけではなく。
意義は分かったが、俺にはまだ、よく分かっていないことが一つある。
漂う、残骸。
軍艦などなら、小さければそれも納得できようが。
巨大な物となると、浮遊しているイメージが湧かない。
「ん?まだ何か聞きたそうだな?」
「!」
見抜かれてしまう。
なら、俺はこの際聞いてみることにする。
「……ええと。機雷の除去は理解できましたけれども、その、巨大な残骸がどうして海に浮いているのか疑問で。金属の塊なら、残骸となったら、そんなに浮かないのではないでしょうか?」
「ん?!」
「?!」
言ったのだが、耳にした隊員さんは、意外そうな顔をしてしまう。
何か、変なことでも聞いてしまったのだろうか、逆に俺は、不安になる。
「本気か?!」
「うぇ?!な、何のことで……?!」
隊員さんは、目を見開いて、まさかと聞いてきた。
やっぱり変なことだと確信し、俺は焦る。
「!大和……!」
「?!」
焦る俺に、マフィンが何かに気付いて、ポンポンと肩を叩いてきた。
振り返るなら。
「……あなた、艦船やマキナが何で動いているか、分からないってわけじゃないでしょうね?」
「!……いや。ん?!もしかして……!」
マフィンが諭すように言ってきたことは、気付かせてくれることで。
マキナや、まして、こういう艦船が何で動いているのかは。
教えられたではないかと、俺は諭され、はっとする。
昨日見た動力炉では、巨大なスフィアが蠢いている。
それは、きっと、他の艦船でも同じで。
もしかしてと気付くことは。
「……まさか、撃沈されてもなお、スフィアが輝き続けている?ということですか?」
と、口をついて出た。
「!おう、そうだ。」
「……。」
隊員さんは、その通りと言って、ニヤリと笑うが。
一方の俺は、どこか腑に落ちないでいる。
「!」
その様子のまま、俺は視線をマフィンに向けると。
マフィンは気付いて耳をピンと跳ねる。
「何だかよく分からないって顔ね。まあ、同感だけど。あなたが不思議に思うのも無理はないわ。こういう、マキナや艦船に組み込まれたスフィアに独特な現象だけども、停止行動がない場合、ずっと活性を持ち続けるの。場合によっては浮力を持たせて、巨大な物体であっても、浮き上がることがあるの。多分、この人はそれを仰りたいのじゃないかしら?まあ、小さいのなら問題はないけれども大きいと、邪魔とか。」
「!……そうなんだ。」
「!お。嬢ちゃん詳しいね!」
フォローみたいなことを、マフィンはしてくれる。
こちらも丁寧に説明してくれたなら、隊員さんは称賛して。
また、俺は感心を示した。
「……こほん。」
マフィンは、それで有頂天になることなないが。
多少顔を赤くしていることから、暗に喜んではいる。咳払いで誤魔化しはするが。
ただ、まだ言い足りないと口を動かしてくる。
「けれどね。どうしてこうなるかは、まだ分かっていないの。単に、人が扱う場合とは違って、任意に停止できないことが原因か、と言われてはいてもね。」
「……!そっか。」
と。
その続きに俺は、何だか腑に落ちる感じがして。
感心がようやく、口をついて出た。
朝から俺は、スフィアの意外な一面を知った。
「おお!すっげぇ。若いのによく知ってんな!……にしても、ウィザードも意外と知らないことがあるとはな!はははっ!でも、その方がいいな!身近な人間に思えたぜ!」
「!……う。あはは……。」
感心は他にも例の隊員さんからも出て。
なお、途中から、俺の意外さに少し驚きを見せては。
身近な人だと、親近感に笑みを浮かべる。
俺は、自分の不勉強からかと、恥ずかしくもあるが、苦笑を返した。
「……っととと。任務を忘れそうになった。第二陣とか、用意しないと。」
「!」
会話はここまでか、自分の役割が、中断を余儀なくする。
隊員さんは、最中に思い出して、ついはっとなる。
残念なことではあるが、やむを得ない。
「いやぁ!すまない!上手い話し相手になれなくて。まだまだ、仕事中だからな、しょうがないや、こればっかりは。あ!そうだ。もしさ、興味があるなら、昨日のシミュレーションルームも覗いてくれよ!中で作業している奴らも、あんたらが来たら精も出るだろうしさ。」
「!」
謝罪と、詫びとしては、こちらに興味がある人間がまだいて。
今、述べられたシミュレーションルームにいる、とのことを、教えてくれる。
俺は、皆に顔を合わせると、頷く。
「いいんじゃないかしら?」
マフィンが代表して言って。目にしたら俺は、また隊員さんに向き直る。
「ありがとうございます、その、色々と教えてくださり。」
まずは礼を述べて、俺は頭を下げる。
「!いや、いいって!俺もな、話ができて嬉しいのさ!じゃあ、他の奴らにもよろしくな!」
隊員さんは、嬉しそうに笑いながら、そこまでしなくてもと言い。
だが、嬉しいことは変わらず。
そろそろの去り際に、隊員さんは加えて、手を振ってきた。
「……。」
俺は、皆を向くなら。
「そうね。行きましょう。長居して、邪魔をしてしまうのも、ね。」
マフィンが代表で言ってくれたなら、俺は頷く。
また、隊員さんに振り返るなら、手を振って応じる。
俺たちは、見送られる形で、また艦橋から中に戻る形になるが。
その際、振り返るならば、まだ手を振って見送っていた。
俺たちも、手を振って応じて、来た道を引き返していった。
その通路内でふと思う。
シミュレーションルームで、何をしているのか、気になってもきた。
ちらりとマフィンを見ては。
「?何かしら?」
「その、シミュレーションルームで何をやっているのかなと、思って。予想とかあるかなって。」
「……。」
マフィンは俺の視線に気付いて、首を傾げながら聞き。
俺が答えたのは、やはり気になったことで。
例のシミュレーションルームで何をしているのか、という。
耳にして、マフィンは少し困ったような顔をしていた。
やや気まずくなるが。
「何かしてはいるでしょうね。でも、ごめんなさい。ここら辺は詳しくないから、何をしているかは、分からないわ。」
「……そっか。ごめん、変なこと聞いて。」
「……いいのよ。」
質問への答えにしては、やたらとあやふやで。
困りながら出した答えに、申し訳なさそうにした。
むしろ、それは俺が変な質問をしたからと、こちらも頭を下げる。
マフィンは、気にしていないと首を横に振った。
そうして、艦内に戻るなら、ふと、またいい匂いが漂ってきて。
「!」
そう言えば、朝食のこと、今更ながら思い出す。
「あ……。」
「!!」
合わせて、アビーのお腹の音が鳴った。
アビーは出してしまって、どこか恥ずかしそうにしてしまう。
皆は、ついアビーに注目してしまった。そうして、互いに顔を合わせては。
「……ぷふっ。アビーらしいわ。」
代表として、マフィンは、軽く笑ってしまう。
アビーは、だが、気にも留めない。照れ臭そうに、笑みを浮かべたままだ。
「……えへへっ。何だかお腹空いちゃった……。」
発する言葉も、どこか照れ臭そう。
「……ふぅ。じゃあ、食堂に行きましょうかね。」
マフィンは、見学することは後回しに。
先に朝食を採るように、方針を決め、皆を先導する。
俺も皆も、頷いては従う。
見学は元より、食堂へ早速向かうと。
「!」
やはり、人の列があり、その先からは、美味しそうな匂いが漂ってくる。
朝食の時だからで、かつ、中には眠気覚ましに軽く体を伸ばす姿も見受けられる。
なお、軍人だから、だらしなくはない。
早朝であっても、シャキッとしているのは。
いつでも動けるように訓練されているからか。
垣間見る威圧とも、真剣さともとれるそれに、ついこちらも身を正したくなる。
また、すごいなと思ってしまった。




