表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ねこみみゆうしゃ大和ちゃん】ようこそ!リオンキングダムへ  作者: にゃんもるベンゼン
こうくうぼかんのにちじょう
56/186

ゆうしょくあとにすふぃあのれんしゅう!

 俺は、その人の背中を静かに見送った。

 実感はできないが。

 何だかそれは、俺じゃなくて、サカマタさん一行の、誰かのアラームでは?

 立ち去る背中に向けて、疑問をつい投げてしまった。 

 「あ~と。長居しすぎたかな。持ち場についていないと、流石に文句言われるしな……。」

 「だな。ここらでお開きか。週末だかの宴に誘うか?」

 「いいねぇ。」

 「!」

 それを皮切りに、例のギャラリーの人たちも立ち上がって、片付けていく。

 「そんじゃ!またな!」

 「!は、はい……。」 

 食器を片付けたなら、振り返っては手を振って。

 半ばポカンとしながらだが、俺も応えて、手を振り返す。

 ギャラリーの人たちがいなくなったなら。

 空白の座席に、妙な沈黙が居座ってきて。

 そうであっても、続く食堂への行列に、やがて喧騒が戻る。 

 あんまり、見知った人はいなかったが。

 俺を見かけるなり、隊員さんたちは皆一様に手を振って。

 振り返してふと思うことは。

 やっぱり、有名なのかな。

 「……。」 

 何と声を掛けていいのやら、やっぱり思い付かずにいる。

 「……そろそろ、私たちも行きましょ?流石に長居しても、それこそ他の人たちに迷惑でしょうし。」 

 「!」  

 そんな迷いを拭ったのはマフィンであり。

 方向性を出した。

 「だな。」

 「まあ。あたしたちであっても、ねぇ。流石に食堂のこの席を占有しておくのもね。」

 マフィンの意見に、レオおじさんもエルザおばさんも頷き、賛同。

 「!!」

 アビーは反応して、びくりと体を弾ませる。

 「え、行っちゃうの?ちょ、ちょっと待って!た、食べ終わるから!」

 「……。」

 そんな時になっても、食べることを思い出して。

 なお、アビーの食器には、確かに大盛に盛られていたが。

 どうも、話をしている最中に、沢山食べてと。

 他の人からもよそってもらったがために、今更ながら気付いたが。

 余計に盛られていた。

 色々感じることがあるが、呆れて物が言えない。

 もっと時間が掛かるかも。

 などと考えもしたが、そこはアビーだ、あっという間に平らげてしまった。

 「……。ほんと、すごい食べっぷりね。」 

 「えへへ~!ごちそうさま!」

 「……!」

 マフィンはそんなアビーに呆れて言う。

 言われた本人は、にっこり笑みを浮かべては。

 食事の終わりと、両手を合わせて感謝を示した。 

 アビーが言ったそのことに気付き、俺も皆も両手を合わせて、感謝を示す。

 「ご、ごちそうさま……。」

 俺も続けて言うなら、……食事はここで終わってしまう。

 「……。」

 何だか、寂しさを感じて、つい沈黙してしまう。

 会話に夢中になっていて、気付かなかったが。

 余韻からも感じることには、料理はなかなかのもので。

 微かに食器に残る、料理に使われたソース、調味料、香り。

 どれも、なお、美味しさを訴えていて。

 正直、もう一度食べたくなるほどだ。

 なるほど、ソードが言った通り。

 ただでさえ厳しい環境なのに、美味しくもないなら、士気に関わりそうだ。

 俺がそう思っている傍ら、皆は席を立ち、食器を片付けていく。

 俺も俺で、後に続き、片付けて。

 「!」

 と、食器を片付けた先に見える、料理係の人たちと目があう。 

 俺は、頭を下げては。

 「ごちそうさまでした。」

 「お!そうかい!また来てくれよ!ウィザード一行なら、大歓迎よ!」

 食事の終わりの文言を口にして。

 そうしたなら、大層喜んで、料理係の人は、歓迎してくれた。

 食事を終えて、食堂を出ると。 

 「!」

 まだ人の列はあり。

 どうやら、時間が決まっていて。 

 合わせて、休憩を取っている模様。な

 お、見掛けたなら、列の人たちは皆、手を振ってきて。

 それこそ、列の端まで、手を振ってくる。

 苦笑してしまい、手を振り返す。 

 「すごいね!大和ちゃん、有名だよ!」

 「!」 

 アビーが傍ら、言ってきて。アビーを見るなら、ニコニコと笑顔だ。

 「すっごーい。大和お兄ちゃん、軍隊の人と知り合いなんだね!」

 「!」

 また、覚えたてのアビーの口調で、シンが言ってきて。

 見れば。

 エルザおばさんんに手をつながれながらも、凄さに感動を示しているようだ。

 また、気付くこともあって。

 その、エルザおばさんに手をつながれた様子は。

 どうも親子のそれに見えて、仕方がない。

 微笑ましくも思えて、苦笑いから、微笑みに変わる。

 「……そうかな?」

 ただし、俺にとってはあんまり自信のあることでもない。また、苦笑してしまう。

 「そうだよ!すっごーい!」

 「……。」

 純粋なシンは、そうであっても、嬉しそうな笑顔をして。

 俺の方は、これ以上言うと、夢を壊しそうになると。

 ……沈黙して頷き、頭を撫でた。

 「あんまり止まるのも、迷惑よ。早く行きましょ!」

 「!」 

 先頭を行くマフィンが、振り返り見て、言ってきた。

 シンといい、俺といい、そのやり取りに、どこからしくもあると。

 かつ、呆れもしていて。

 そうであっても、口元には笑みがあり。

 マフィンもまた、見ていて誇らしくはあるのだろう。

 ただ、それ以前に、立ち止まっているのも、迷惑という状況で。

 なら、やむを得ないと俺は頷いた。

 寂しいながら、やり取りを中断して、あてがわれた部屋に戻っていった。

 そうして、また男女に分かれて。

 「……。」

 ……暇になってしまう。

 部屋に戻ったなら、寝転んで天井を見上げるしかない。

 レオおじさんもまた、何もすることなく、天井を見上げていて。 

 視線をちらりと動かして、唯一の丸窓を見るならば、もう夜の闇に包まれていて。

 かつ、海原のために、明かりない世界は。

 村で過ごす宵闇とは違い、深い深い黒であった。

 耳をすませば、波の音さえ聞こえそうなものだが。

 生憎、それほど静かなものでもない。

 軍艦がまるで、生き物の鼓動のように蠢く、様々な音があるために。

 静かでもないし、かといって、暇潰しのいいものがあるわけでもない。

 酷い退屈に、強く鼻息を吐いた。

 「あの……。」 

 「!」

 と、シンが下から声を掛けてくる。

 俺は、体を起こし、覗くなら。

 「……ごめんなさい……。寝てました?」

 「いや。」

 何か、気を悪くしたみたいな顔をされてしまう。俺は、首を横に振って。

 「それよりも、どうした?」

 何もなく、声を掛けやしない。俺は、促すようにシンに尋ねる。

 「ううん。ちょっとね……。その、どうやったら、スフィアを上手く扱えるかな~、って思って。」

 「……へぇ。ん~……。」

 シンは、そうであっても、ちょっと悪いなと言いたげな顔をしながら言う。

 内容的に、スフィアの扱い方のようだが。何だか少し、困ってしまう。

 もしかしたら、ウィッチさんに言っていたのを聞いていたのかもしれない。

 悩ましさに、俺はつい、頬を掻いてしまう。

 「……俺でよければいいけど。あんまり、教えるのには自信がないよ?」

 自信はないけどいいのか?聞いてみる。

 「うん!大丈夫!大和お兄ちゃんから、教わりたいの!」

 「……。」

 シンは、にっこりと笑って、教わりたいと宣言してきた。

 ウィッチさんといい、シンといい。俺も頼りにされたものだな。

 自信がないものの、やるからには、と俺は無言ながら頷いて。

 ベッドから出て、降り立つなら、そっと、手を動かす。

 すると、ベッドの隅に置いてある俺のバックパックが、光輝いた。

 「!おー!」

 シンは、それだけでも喜んでいる。 

 「いや、まだだよ。まだ始まっていないし。今から、スフィアを取り出すからね。」

 なお、まだ始まっていないよ、そう付け加えておく。

 《こんばんは。現在時刻は……。》

 「……。」 

 などと格好を付けるのはよかったものの、反応があったのは別の物で。

 盾が真っ先に反応してしまい、俺は予定外のそれに、沈黙してしまう。

 「?」

 シンはどうしたのだろうと、首を傾げて。

 ベッドから降りて、俺の側に来て、俺の目線の先や、俺を交互に見る。

 「……いや、何でもない。ただね、ちょっと別の物が反応してね。」

 とりあえず、包み隠さず言い、また、手を動かして、盾を静かにさせた。

 「……本当は、格好つけたかったのだけどね。やっぱりらしくないや。待ってて。」

 今度は、横着せず、普通にベッドに行き。

 バックパックからスフィアを二つほど、取り出して戻る。

 「!」

 その内の一つを、シンに渡してあげる。

 「あげるよ。大丈夫、村から出る前に、もっと持ってきているから。」

 「?!え、ええ?!そ、そんな、わ、悪いよ……。」

 言うことには、一つはあげようと思い。そっと、笑顔も添える。

 そうしたならシンは戸惑ってしまう。

 「……そうだなぁ。お守り、かな。持っておきなよ。」

 「!!」

 戸惑うシンに、掛ける言葉はそう、お守りであるということで。

 耳にしたなら、シンは余計に戸惑ってしまう。

 「そうだぜ?いいのさ、シン。大和があげるってんなら、素直に受け取っていいのさ。ただの小遣いみたいなもんじゃねぇさ、何せ、ウィザード印の、素敵なスフィアってんなら、誰だって欲しがるぞ?がははは。」

 「!」 

 そのやり取りは、レオおじさんも耳にして。

 困っていると感じたなら、レオおじさんは、寝返り。

 頬杖ついては、笑いながら諭してくる。

 「……。」

 見ていて俺も、そうだねと心で言いながら、頷く。

 「……!」

 レオおじさんに諭されて、シンは一転、嬉しそうな顔をしてくる。

 言葉はないが、分かったと大きく頷きを見せた。

 「じゃあ。始めるか。」

 ならもう、始められると感じたなら、俺は早速取り掛かると、言う。

 「!う、うん!」

 シンもまた、追従して頷きを返した。

 始まりとして、俺はマフィンに教わった通り、行ってみせる。

 「まずは、優しくスフィアを包んで……。」

 そっと、手にしたスフィアを優しく包んで。

 ほんのりと、熱を感じたなら、手を開く。

 そうしたなら、手にしたスフィアは淡く光を放っていて。

 「!」

 「やってみて?」

 シンはつい見とれていたが、俺はやってみてと促す。

 「!う、うん!」

 はっとして、シンもまた同じようにスフィアを手に、優しく包んで。 

 開くならそのスフィアもまた、柔らかく光を放つ。

 「!で、できた……。」

 「うん!そうだね。」

 それだけながらも、シンは喜びに声を上げて。 

 俺は、何だか微笑ましく思えて、一緒に頷く。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ