表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ねこみみゆうしゃ大和ちゃん】ようこそ!リオンキングダムへ  作者: にゃんもるベンゼン
こうくうぼかんのにちじょう
45/186

あいぼう!

 「ところで……。」

 《ん?何?》

 換わって、聞くことには。ソードは耳を傾けて。

 「『あいつ』って誰?もしかして、ガントさん?」 

 《?!うぇぇ?!》

 「……?」

 気になった、ソードの言った相棒の正体について。

 だが、途端なぜか動揺した。

 《こ、言葉の文だよ!……誰でもない。……あと、ガントを相棒と言わないでくれ……。お、おっかない!!!》

 「……。」

 どうも、言葉の文だったようだ。そこは残念なところ。

 加えて、ソードは震え声を発して。

 《そんなこと言ったら……!俺、『目を覚まさせてやる!』って言われて、何されるか分からん!!滑走路引きずり回しとか、本気でしそうだ!!あわよくば俺を餌にして、でっかい魚を釣り上げたり……!ひぃいいい!!》

 続けられることには、何をされるか分からないとして。

 挙句、悲鳴まで上げる始末。

 余計に悪くなって。

 「ごめん、色々と……。」

 謝ることにする。

 《……いや。気を使わなくていいぜ。これは、俺の問題だし。》

 「……分かった。」  

 気を使わなくていいと、ソードは言ってきた。

 その口調はいつものソードのようで、どうやら立ち直っている様子だ。

 なら、と俺は頷く。

 《……と。こんなやり取りしていたら、お連れさんが戻ってきたぜ!》

 「!」

 そんなこんな、ソードとやり取りをしていたら、二人が帰って来た。

 画面下のレーダーに、ちゃんと反応が出てきて。 

 気付いて俺は、さらに周囲を見た。

 飛び方は上手くないが、ちゃんと追い付いてきてくれたみたいで。

 《おう!良く戻って来たな!こうでなくっちゃ。たった二人だなんて、そりゃ伝説のエースパイロットならまだしも、ね。こう、ね。複数人がいないとさ、寂しいじゃねぇか!》

 戻って来た二人に、ソードは声掛けする。

 励ましもあって。

 《……全く。酷い目に遭ったわ……。航空機って、こんなに揺れるの?》

 だが、マフィンは、疲れたような口調で言ってくる。

 《いや、これは戦闘機だし。快適性はないぜ?ま、それよりも、実機なら命がいくつあっても足りんさ!!あはは!まあ、ゲームだし!》

 マフィンの言ったことに対しては、まあ、納得するような答え方で。

 《でもでも!!すっごく楽しかったぁ!お空を飛ぶって、気持ちぃー!》

 方や、アビーに至っては、そうであっても楽しんで。はしゃぐ様子が伺えた。

 《あなたはいいでしょうけど、私はトラウマになりそうよ!全く、……酷いアトラクションだわ……。》

 《えー?》

 マフィンはアビーの様子に、呆れ果てて、軽く抗議をして。

 その抗議、アビーにはあんまり響いていない。

 多分、ニコニコ笑いながら、聞き流している。 

 《……なあ。》

 「!」

 置いてけぼりを喰らっていたソードが、俺に聞いてくる。

 耳を傾けると。 

 《あの二人、ああなのか?》

 「だと思う。マフィンはまとめ役で、アビーが切り込み役かな。」

 《……ある意味、いいコンビか。》

 マフィンとアビーについて聞かれて。

 一応、暮らしてきて分かったことを俺は口にした。

 マフィンは村長さんの孫娘で。

 おそらく躾けられた結果が、あのような雰囲気を持つようになり。

 アビーは、自由奔放に育ってああなった。

 なお、親がどうの、俺はまだ知らないし、アビーも話してこない。

 それがあって、アビーについてはそれより先は不明。

 そんなイメージを話したなら、ソードはなるほどといった風だった。 

 「……。」

 《ふぅむ……。》

 アビーたちのイメージうんぬんはともかくとしても。

 しかし、特にマフィンの通信からはまだ怒りは収まっていない。

 唸り声が聞こえて。

 耳にしていたソードは、珍しく思案するような声を出した。

 《まあ、何だ。喧嘩はそれほどにして、よ。これからもっと楽しいことしようぜ!》

 《!》

 《!!楽しいこと?》

 「!」 

 思い付いたことには、置いてけぼりもそこまでと。

 アビーとマフィンの仲裁をソードが買って出て。

 宥めて、付け加えることには、まだ楽しいことがあると。 

 マフィンは、アビー相手に唸っていたが、ソードの言うことにやめて。

 耳を傾ける様子。アビーは、楽しいことと聞いて、声のトーンが上がる。

 ある種いがみ合っていたであろう二人を、ソードはそうして仲裁してみせた。

 「……ところで。楽しいことって?」

 《!お、そうだな。》

 なら、仲裁のきっかけを作った、楽しいこととは。俺は聞いてみるに。

 ソードが言うことには。

 《ただ飛ぶだけじゃ、飽きる。やっぱり、戦闘機ってのは、戦闘があってのもんだろう?》

 とのことで。

 「?」

 《?》

 内容に、どういうことだろうかと首を傾げて。

 マフィンもその様子。

 《?あり?通じなかった?あ~、まあ、その何だ。ほら、ただ飛ぶだけじゃ、このまま飽きてしまうってことだよ。それじゃ、ゲームじゃないじゃん?ゲームだったら、こう、盛り上がらないと、ね?だから、盛り上げるために、今から敵さんを召喚いたしま~す!》

 「!」

 《?!ちょ、それって……?!》

 通じなかったとソードが思ったなら、かいつまんで言い。

 挙句、最後には、これ幸いと、恐ろしいことを口にした気もする。

 言いたいことは分かった。

 ただ飛ぶだけじゃ、つまらないから。

 それでは、ゲームとしては盛り上がりに欠ける。

 なら、敵を召喚して、戦おうといきなり言われると。

 俺はぎょっとなってしまった。

 マフィンもマフィンで、気付いて、何だか青冷める様子も窺い知れた。

 《そのとーり!飛び方を覚えたなら、後は実践あるのみ!行ってみよー!》

 《や、やっぱり……?!》

 ソードの言葉を借りれば、実践あるのみと。口調は意気揚々で。

 耳にしたマフィンは、やっぱりと。

 その間、ソードが何か、パネルをタッチする音を響かせていて。

 《よし!さあ、盛り上がる場所へ行くぜ!!》

 その一言を告げた。

 「?!」

 《?!きゃぁ?!》

 《うぉーー!!》

 途端、画面が移り変わり、悪天候の、大海原の上空に出た。

 《……ここが一番盛り上がる所よー!俺の中で一番好きな場所だ!》

 「……ここって?!うぉ?!」

 《ど、どこよ?!そ、それに、横揺れが、きゃぁあああ?!》

 ソードの選んだのは、好きな場所であるが、しかし、悪天候。

 まだ、バランスのとり方もよく分かっていない自分には、難しく。

 現に、時折吹き荒れる暴風に、機体は揺れて。

 大きく煽られたマフィンの機体は、それこそ暴風に流されそうになり。

 けれど、耐えて、持ち直している。

 一方、アビーの方は、……楽しそう。暴風に煽られているにも関わらず。

 合わせて動かして、また、時折歓声を響かせている。

 俺も俺で、負けじと機体を立て直しながら、思うことは。

 そのお気に入りのこの場所は、シチュエーションは、何だと。

 《ここはな。かつて、激戦が繰り広げた場所だ……。》

 「?!」

 やがて、暴風に煽られながらも、ソードは語りだす。

 その口調は、どこか遠くの方を見るかのもの。

 いつもの、バカげたことを口にする、お調子者なそれではない。

 モノローグのような。

 《……『円卓の海』、そう呼ばれた場所。大陸と、列島を隔てる、大きな海でな、帝国や共和連邦が誕生する遥か前から、領海問題のあった場所だ。》

 「?」

 語り続けることは、不思議な単語を述べ。『円卓の海』?

 ただまあ、俺の前世の時代でも、領海問題は耳にしたことがあるが。

 それは、この世界でも同様のようで。

 《……そこって……すぐ近所じゃない!今はそう呼ばれていないだけで。まあいつも悪天候で、航空機は通りたがらない場所だそうよ。》

 《?!お、マフィンっち、知ってんだ!》

 「!」

 マフィンは知っていた様子。割り込んできて、言ってきた。

 ……近所だったのは驚きだったよ。

 《私たちが住んでいる場所は、その端っこ。その、円卓と呼ばれた場所は、楕円形の海の、真ん中ね。》

 「!そうなんだ。」

 近所ではあったが、マフィンが言うことには、それは端っこで。

 あんまり地理は詳しくないことが仇となったか。

 どうもここは、近所とは違い、真ん中の大きな場所のようだ。

 《あ、そうだな。西の端っこだったら……。まあいいや。ここはな、空を舞うイカレ野郎どもの、墓場みたいなもんさ。現に、共和連邦、帝国、共々この場所で、互いに衝突し合っていたからな。まあ、闘技場のようなもんさ。》

 「……と、闘技場……。」

 ソードが続けることには。

 いわゆるエースパイロットたちの戦場だったということだ。

 そんな、闘技場に、俺、アビー、マフィンの初心者が、ソードに連れられて。

 入場する、それは異様な緊迫感を生んだ。 

 俺は反芻したなら、緊張感に、言葉詰まらせてしまう。

 《そう。闘技場。腕だけが試される。》

 「う、うへぇ……。」

 《階級も、身分も、そんなもん関係ない。腕の立つ奴が、生き残る、ただそれだけだぜ。へへっ……!》

 「……。」

 ソードがその例えを採用し、付け加えて。

 格好のいいことが述べられたなら、嫌な溜息一つ、俺は漏らし、緊張してしまう。

 《ちょっと……。腕って……。私たちは初心者よ?!む、無茶よ?!》

 マフィンが幸いにも、止めに入ってきてくれた。

 あわよくば、緊張も解けるだろう。

 マフィンが言ったことにより、期待が湧いてくる。

 《んなことより!お出でなすったぁ!!!!いえぇええええええい!!》

 ……しかし、そんな待ったなんて、聞く耳持たず。

 ソードが言い、歓声を上げたなら、そのタイミングで警報が鳴る。

 画面下のレーダーに、航空機の影が映し出されて。

 《警告!ミサイル!ミサイル!》

 「!!」

 機体は警告を告げて。

 途端、嫌な風切り音が響くなら、言葉通り、ミサイルが接近していた。 

 素早く機体を傾けて、旋回するなら、ミサイルはすり抜けていく。 

 《ちょ?!こ、攻撃って?!い、いやぁああ?!》

 マフィンが叫んだ。

 旋回した時に、マフィンの機体が見えたが。

 そっちもミサイルがかすめたのを俺は見逃さない。

 幸い、マフィンも回避行動をしていた。

 《さぁて!どちらさん?っと!》

 「……。」

 当の、シミュレーターでこうした張本人は、より意気揚々として。

 相手の攻撃に臆することなく、観察しているか。

 《……Se-37……、機体のカラー……。帝国軍の先鋒、赤の飛行中隊こと『レッドドラゴン』か!》

 「?」

 やがては、相手が何であるか分かるや、名前を叫ぶ。

 同時に、ソードからデータが転送されたか。

 コックピットのキャノピー画面、端の方に情報が表示される。

 3Dモデルで機体が表示されて。

 機首に小さな羽を持つが、ほとんどの形は、一般的な戦闘機そのもの。

 表示される文字列は、多分機体名だろう。

 また、モデルに彩色が成されるなら。

 竜を思わせる赤い湾曲した模様に、竜を模したエンブレム。

 まさしく、ソードが言った、名前だ、らしいや。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ