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真面目で律儀な約束



「あなた、直くんはいい子よ。分かってるでしょう?直くん、うちの娘を末永く宜しくね。」


ママ…


「はい。ありがとうございます。」


直くんが頭を下げる。


「それは結婚する気があると言うことか?」


「パパ!」


直くんとお付き合いを開始したときにプロポーズされたと思ってたけど、あれは解釈が違ったらしいのよ!


「はい。」


え!?本当!?……ってゆーか直くん!それパパより先に私に言うところ!!

シチュエーション!ロマンティックに!わーん!私の妄想が〜!!直くんのバカ〜!!


「俺は認めん。」


「パパ!」

こ、こいつ〜!!まだやるか!


「だが、猶予はやる。」


猶予?なんの?


「二人を認める猶予をやると言っているんだ。」


なんだその上から目線は!!


「ありがとうございます。」


直くんがまたしても頭を下げる。そこはお礼を言うところじゃないから!!


「良かったわね。話がまとまって。」


ママ!まとまって無いでしょ!これ!


「但し!」


おお!まだやるか!かかってこい!


「結婚前の男女が夜遅くまで一緒にいるのは不純!!」


いつの時代よ!?


「百子に指一本触れないこと!夕方18時までに家に返すこと、これを守ってもらうぞ!」


は、はぁ〜!!??


「ちょっとパパ!何言ってるのよ!?仕事終わる時間が18時よ!?」


憧れの仕事後のデートは!?


「おっ!じゃあ平日はまっすぐ帰って来れるな!」


私、プツン。


「ジジイ!」

楽しそうに言いやがって!

「百子!お口!」

ハッ!直くんの前だった!…ママ、時すでに遅しです。


「愛梨と一緒に遊んでて夜遅くなった時は何も言わなかったじゃない。」


元から門限に厳しい訳じゃないでしょ?


「愛梨ちゃんは信頼の置けるいい子だからな。」


そうだ…パパは愛梨が好き…


「無理なら今すぐ別れてくれ。」


こ、こいつ〜!!


「分かりました。」


え!?別れ…


「お約束致します。」




えーーー!!!ドユコト!!?





✽✽✽



とりあえず話が終わり、私の家から駅まで、直くんを送る。


「直くん、嫌な思いさせてごめんね。」


パパがあんなに頭が硬いと思わなかった。


「嫌な思いなんかしてないよ。緊張はしたけど。」


…。


直くん!優しい!!


「直くん、手!!」


嬉しい。やっぱり大好き!


「え?」


え?って、いつも手を繋いでいるでしょう?


「んもう!直くんったらおトボケさんなんだから!」


直くんの手を握ろうとする。…結果、空振り。


「直くん?」


どうしたのよ。


「お父様と約束しただろ?指一本触れませんって。」



……


…はあーーーー!!??




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