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直くんとももちゃん、初恋の行方。  作者: 獅月
第2.5章

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会わせたい人がいる

ついに直くんとももちゃんはお兄さんに交際報告〜ヽ(*´∀`)ノ


「兄貴に会わせたい人がいるんだけど…」


兄貴に百子を紹介する。そう百子と約束した。

仕事から帰って来たばかりの兄貴を捕まえて、兄貴にアポ取りの真っ最中だ。


「誰?」


まぁ、そうなるわなぁ…。


「お兄ちゃん!俺は知ってるぞ!ピンと来た!お兄ちゃんは分からないのか?お兄ちゃんは鈍感だ!」


俺と兄貴は中々二人で話が出来ない。

このブラコンな弟は兄貴が家にいると兄貴にべったりだからだ。


「貴ちゃん分かるんだ。すごいねー。」


そして兄貴はこうしてすぐに人を褒める。


「でしょ?でしょ?すごいでしょ?」


そして貴がこうしてすぐに調子に乗る。


「兄貴いつ家にいる?」


話を先に進めないと…


「週末は基本的にラグビー部の練習に行ってるけど。」


…そうだった。貴将はラグビー部所属。うちの中等科はかなりの強豪校で、保護者も練習に出て裏方作業をしないと行けない。平日は仕事で夜遅く、休日も出張やらでいないときのある兄貴は出れるときは全部出るようにしている…。


「兄貴、自分の時間がないじゃん。」


ずっと思っていた疑問をあえてここでぶつけてみる。


これまでも、仕事、仕事、仕事、子育て、子育ての毎日だった。兄貴が自分に時間を使っているのを俺は見たことがない。


ストレスたまらないのかな。


「お兄ちゃんはね。俺と一緒にいる事が癒しであり幸せなの。」


「……。貴、すごい自信だな。そして俺は兄貴に聞いてんの。貴が兄貴を語るな。」


「俺だって喋りたい!」


いつも止まることなく喋ってるだろ。


「直くんと貴ちゃんは仲いいね。」


ダメだ。話が先に進まない。


「…直くんの用事も急ぎなんだろ?直くんのいいときに予定合わせるから。」


…気の利く兄貴だ。







日曜日、午前中。

貴将は部活に出かけた。兄貴は午後から貴将の部活に合流することになっている。


百子を彼女として紹介する。…なんか緊張してきた。


「な、直くん。私、変じゃない?大丈夫?」


駅まで迎えに行くと恐ろしいほど緊張した彼女が俺に問いかける。


…かわいい。


「変じゃないよ。」


ここで素直に〝かわいい〟と言える人間ならいいのに、と思う。


「本当に?大丈夫?」


か、かわ、


「…うん。」


…ダメだ。言えない。


駅から家まで百子と手を繋いで歩く。


「何持ってるの?俺持つよ。」


「あ、ケーキを。お兄さん甘いの好きかな?」


「…。うん。」


百子から荷物を受取りながら、兄貴はどうだったかな。と考える。


「な、直くん!今の間!何!?お兄さん嫌い!?和菓子の方が良かった!?」


ものすごく動転した彼女に声をかけられる。

ご丁寧に手土産を用意してくれた事はそんなに動揺するような事だろうか…。

なんか、かわいそうなくらいだ。


「いや、兄貴の食べ物は基本的に貴が食べるから、分からなくて…」


「…な、直くん。私、出直して来ます。」


は!?


「なんで今更。」


「ととととととんでもない間違いを犯したかもしれません!いたたたたたまれません。」


言葉おかしくないか?


「心配しなくていいから。大丈夫。」


百子に言ったの半分。自分に言ったの半分。


「着いたよ。」


やばい。本当に緊張してきた。

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