後日談
―ねぇ、聞いた?
―聞いた、聞いた!
―三井くん、抱き合ってたって!
―彼女いたって!
―えー!!!
女子達が騒いでる。
「…百子。」
「愛梨!聞いてくれる!?」
「百子、〝直くんにどう思われてるかが大事で周りは関係ない〟んじゃなかったの?」
「やっぱり、嬉しいものは嬉しい。」
直くんが彼女だって言ってくれた事が嬉しい。
私は〝彼氏がいます〟って使うシーンなかったな〜。
でもせっかくだから言いたい。
誰かに言いたい。
…誰か、誰か…
〝直くんに振られたらどうしよう〟
〝ももちゃん!俺、俺!ここにイケメンがいるだろ?〟
…。
「あー!!!」
あそこ、使うシーンだった!!
「私、三重野くんに言ってない!!」
あれはまさに青天の霹靂!
ここで言わなきゃいつ言うーってタイミングだったのに!!
笑い飛ばしちゃったよ!
言わなきゃ!せっかくのタイミングがー!!
✽✽✽
「直くん、三重野くんに会いに行こう。」
直くんを待ち伏せして伝える。
「なんでまた三重野が出てくるの?」
あ、ちょっとブスっとしてる?
「私、絶好の機会を逃してた。大変。」
「三重野との絶好の機会?」
あら、なんかもっとブスっとしてる?
「そう、直くんにも聞いててもらいたい。」
直くんは私の前で言ってくれたもんね〜。〝彼女なんで〟って。
「いやだ。」
「はっ!?なんで!?」
直くんは聞きたくないの!?私の彼氏宣言!
「三重野くんと私の青天の霹靂だよ!?」
「もっと嫌だ。」
な、なんでよ!?も〜!!
…。
いやいや、ようやく仲直りしてラブラブな毎日が戻ってきたのにここでまた言い合っちゃダメよ、百子。
私は直くんの女神よ。ヴィーナスよ、マリアよ!!
穏やかに、平穏に…
「…いいよ。行こう。」
…あれ?
「いいの?」
今、私が少し大人になろうとしたのに。
「またここで百子と揉めたくないから。」
…!直くんも同じこと考えてくれてたのね!!
「直くん、大好き!」
言って、ギュッと手を握る。もう離したりしない。大好き。
✽
医学部のキャンパスに行って、三重野くんに伝えた。
直くんはなぜかものすごーくびっくりしてて。
そしたら…
「二人して俺を当て馬キャラにしやがってー!三井奢れ!焼肉だ!」
と、三重野くんが怒り出して、なぜか直くんがものすごーく三重野くんに気を使って(なんかすごく申し訳なさそうにしてた。なぜ?)
三人で焼肉屋さんに行きました。
―――――
悔しい。俺も主人公になりたい…
ちょっといい焼肉屋に入る。ざまーみろ。
いや、三井にしたら大したことないか…
三井グループの御曹司だもんなー。自覚あんのかな?
そして俺は饗される客だ!奥に一人でドカッと座る。
ももちゃんと三井は俺の前に並んで座る。
け、見せつけやがってバカップルめ。
「三重野、ご飯。大中小。」
三井が聞いてくる。
「大!」
たっぷり食ってやる!
「すみません、大2つに中1つ」
三井がオーダーする。
「はい」
運ばれて来て三井が渡してくれる。
「はい、百子」
ももちゃんのライスも三井が渡す。
「わーい!ありがとう直くん!」
そこで俺は気づく。
「え?三井が中でももちゃんが大?」
逆だろ。
「そうだけど」
三井はサラッと言う。ももちゃんは…
照れてる。
三井はジェントルマンだ。
焼き係に徹して、俺とももちゃんに交互に焼けた肉や野菜を分けてくれる。
「三井、食わないの?」
「食べるよ?」
だから、いつ食うんだよ。
「ん〜!美味しいぃ!」
ももちゃん、本当に美味しそうに食べるなぁ…
もぐもぐ。もぐもぐ。もぐもぐ。
「はい、百子。」
「わーい。ありがとう直くん!焼き加減バッチリ!」
…。目の前でいちゃつきやがって…。
もぐもぐ。もぐもぐ。もぐもぐ。
…あー、分かった。三井が焼き係に徹する理由が。
そんな目で見るなって三井。ももちゃんを。
愛おしそうに嬉しそうに。自分が焼いた肉を食べるももちゃんを。
まさにバカップル。
…いや、この表現じゃないな。うーん…
あっ!!
親鳥と雛鳥!
これだ!
…言うの止めておこう。ももちゃんに怒られそうだ。
まぁ、何はともあれ仲直りしてくれて良かった。
…当て馬キャラだと思ってたけど違うな。
うん、なんかこの二人の飼い主…いや保護者な気分だ。
本編がシリアスだったので、コメディにしました!
直くんは「三重野くんに会いに行こう」の真意が掴めていません(^_^;)
そして目の前で宣言したももちゃんにびっくりしたと同時に待ち伏せされて彼氏宣言を受けた三重野くんに申し訳なさと責任を感じた事だと思います。
そして、いつもお兄ちゃんを見てる直くんもちゃんとジェントルマンを出来ているようです(*´―`*)
“もぐもぐ。”のフレーズが気に入ってつい多様してしまいました(笑)
ももちゃんの食事ネタをもっと書きたいなーと妄想が膨らんでおります(〃艸〃)




