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直くんとももちゃん、初恋の行方。  作者: 獅月
第一章終了後〜第二章の間の単発番外編
51/133

直くんの好きなもの


「三井って何が好きなの?」


愛梨に聞かれる。直くんの好きなもの?


「…私?」


言って、照れる。ヤダ!自惚れちゃって!


「おめでとう。」


「愛梨、そんなシラけた目で見ないでよ!」


「ノロケはいいから。三井の好きなものって何?」


「…!愛梨もしかして直くんに惚れ…!」


「る、わけないでしょ。」


びっくりしたー。愛梨も直くんが好きなのかと思っちゃった!そうよね。愛梨には山内くんがいるのに、私ったら。





…確かに。なんだろう。直くんの好きなもの。


よく、本を読んでいるイメージ。ジャンルは難しそうで分からないし…


あっ!貴ちゃんと遊んだり?仲いいもんね!


直くんの好きなもの。


読書、貴ちゃん…


……あっ!後はお兄さんかな?直くんはお兄さんの話をする時、照れてぶっきらぼうに言うけど、嬉しそうに話してる。



―いいな。直くんの好きなものリストに入りたい。


4番目でいいから。


“三井の好きなものって何?”

―その中に私も入りたい。堂々と言いたい。


付き合ってるんだし。直くんも私が好き。


けど、時々不安になる。


直くんはモテる。本人は気づいてない。他の女子より先に、押して押して直くんと恋人になった。


直くんは優しいから、もしこれが他の子でも同じだったんじゃないかって…


つい、―不安になる。





✽✽✽


「何かあった?」


放課後、直くんと一緒に手を繋いで帰る。私だけが直くんを独り占め出来る時間。


私は分かりやすいらしい。落ち込んでいる私を直くんが気にかけてくれる。


「…直くんの好きなものリストに私も入りたい。」


「…何の話?」


「何でもない…。」


直くんを疑ってるようにも聞こえるこの話題はするべきじゃない。


直くんは私を受け入れてくれた。それなのに私が直くんを疑うのは失礼だ。誠実な直くんを私はちゃんと分かってる。


「…言いたくないなら、無理に聞かないけど。」


「うん。忘れて。」


直くんは優しい。絶対に無理強いはしない。それを時に寂しく思うのだけど…。


ふと、愛梨を思い出す。愛梨は見るからに山内くんに溺愛されている。山内くんは愛情を全身で表している。


いいなぁ。愛されるっていいなぁ…。


直くんに山内くんの様な愛情表現を求めるのは間違ってる。直くんは直くん。そんな直くんが好きなんだけど、だけど…


分かってるけど、羨ましい…。


「…話の内容は分からないけど、何かあるなら相談されたいって思ってる。」


「?」


「頼りになるか、解決出来るかは確約出来ないけど…。」


私の手を握る直くんの手に力が入る。


愛しい。好き。


「私の悩みなんて直くんの意思一つだよ。」


直くんが私を好きか。究極はここ。


「直くんの一挙一動で私は天にも登れるし、地獄にも落ちる。」


直くんは感情をあまり出さない。だから表立って分からない分、不安になる。


「…俺、何かした?」


「え?」


「今日、見るからに元気なくて、言いたくなくて、俺の意思だってなると…俺が何かしたかなって…」


(違う違う違う!!)


「知らない間に傷つけるような事をまた、してたのかなって。」


「また?」


「百子の告白信じてなかった。」


「あっ、そんな事もあったね…」


「…だからまた、傷つけたのかと思って。」


…あー、直くんを傷つけたのは私だ。

自分の我儘で直くんを傷つけた。


「直くんの好きなものって何?」


「…さっき好きなものリストとか言ってたな。」


そう。直くんの好きなものリストに入りたいの。


「直くんの好きなもの。私が考えたら読書、貴ちゃん、お兄さん…くらいしか思いつかなかったんだけど、私もそのリストにあげてもらいたい。」


結局言っちゃった。あーあ。


「入って無いと思ってた?」


直くんがびっくりしてる。そうだよね。彼女だし、疑ったらダメでしょ。そこは。


「入ってるかもとは思ったけど、何番目かなーと思って。4番目は無理でもせめて10番目には!とか思ったら悲しくなってきたの。」


「…俺、そんなに信用無い?」


あ、ヤバイ。傷つけた?


「上位に入ってるから…」


「!本当に?何番目!?」


ワクワク!


「…。」


ワクワク!!


「……。」


…ワクワク


「直くん早く言って。」


「…やっぱり言わない。」


「はっ!?」


どういうこと!?上位入賞者じゃないの!?


直くん!!教えて〜!!!

テレ屋な直くんはももちゃんのキラキラお目めにやられたようです(〃艸〃)



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