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早く、伝えたい


「直くん!おはよう!」


学校に行くと本田さんに声をかけられる。


…かわいい。顔に熱が集中する。


「…おはよう。」


冷静な振りをして返事をする。


自覚すると全てに動揺する。


「ももちゃん、おはようー!今日もかわいいね!」

「三重野くんおはよう。ありがとう〜」


え…。今かなりサラッと、言った?


「三井もおはよう!今日も爽やかだな、相変わらず!」

「…おはよう。ど、どうも。」


世の中の人は皆こんな事をサラッと言えるんだろうか。…俺がおかしいのか?


「ちょっと三重野くん!私の直くんに色目使うのヤメテ!!」


…どうなってるんだ?


「俺はももちゃんに色目使ってるのに。」

「断ったでしょ?」

「うわっ、ヘコむわー」

「え〜。ごめ〜ん。」


何なんだ、この一連の流れは?


「ちなみに三井はももちゃんのじゃないし。俺が三井と良い仲になっちゃおっかなー」

「キャー!ヤメテ!!でもちょっと見たいかも…」


俺は異世界の住人みたいだ…

皆こんなにも感情を出せるものなんだろうか、言えるものなんだろうか…。


俺だけ一人でぐるぐる考えているんだろうか…


「三井、おはよう!」


「山内…」


ポンッと肩を叩かれる。本田さんとの初デートの相談をして以来コイツは頼れる存在だ。


山内は分かってくれるだろう。


「おっ!本田ちゃん浮気か?三重野に!」

「違う〜!私は直くん一筋!!」


…。どうやらコイツも違うらしい。

俺だけが言えないのか。言えない俺が変なのか?


「朝から面倒くさい人等が揃ってるわね。」


「愛梨!」


松本さん…


「そこのトリオは集まると面倒くさいから散って散って。」


シッシッと追い払うように手を振る。松本さんは別の意味で異世界だ。鋭い指摘をズバッと言う。俺はここまでハッキリは言えない。


「「「ひどーい。」」」


見事にハモる。この三人は感覚が似ているようだ。


…羨ましい。


本田さんに感覚が似てる二人が羨ましい。俺より、本田さんに近い気がして。


やっぱり俺は重症だ。


「三井…俺さ、ももちゃんの事で三井と揉めたけど、三井の事も嫌いじゃないからな?友達だって思ってる!」


三重野が言う。…揉めた?そんな事あったっけ?


「そ、それは、どうも。」


「えっ!?直くん私を巡って三重野くんと決闘してくれたの!?」


おいおい、話がデカくなってる。

…けど、キラキラした目を向けて喜んでいる本田さんを前に、もうそういう事にしておこうか、という気すらしてくる。


「三重野に揉める力がある訳無いでしょ。話を盛らない。」


強い。松本さん…。


「そうだ、直!いつかダブルデートしようって言ってたじゃん!しようぜ今度!」


…そう言えばそんな事もあった。けど、俺と本田さんはまだ付き合ってる訳じゃないんだけど…


「私は行かないわよ?面倒くさいのは一人で充分。」


…は?


「えー。そんな事言わないでよ愛ちゃん!俺は皆に愛ちゃんは俺のだって見せびらかしたいのに!」


まさか、この二人って…


「あれ?まさか直くん知らなかったの?」


首を傾けて俺に尋ねる本田さん…かわいい。

…いや、そうじゃなくて!知らなかった。


これは本格的に早く言わないと。

本田さんに、俺の気持ちを―。


コイツくん→山内くん

愛梨の名字→松本さん


です(*^^*)

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